★日経平均株価:投資家心理改善で続落の反動から大幅反発
アップルなど米IT大手の好決算を背景に前週末のNYダウ114ドル高の反発を受け投資家心理が改善した。そのため、前週までの6日続落の反動からヘッジファンドなど海外短期筋が先物を買い戻しが入った。また、一時106円台半ばへの円安も売り方の買い戻しを誘い上げ幅を広げた。結局、前営業日比485円高の2万2195円と7営業日ぶりに大幅反発となった。
★東京外国為替市場:利食い売りに押され106円台を維持出来ず
ドル/円は、日経平均株価の大幅高や米長期金利上昇に支えられ、106.43円付近まで上昇した。セブン&アイ・ホールディングスが米コンビニエンスストア併殺型ガソリンスタンド部門『スピードウェイ』を買収すると発表したことも、ドルの押し上げにつながった。しかし、米国で追加経済対策をめぐる与野党の協議が難航しているため、上昇は一服した。その後は、短期筋などの利食い売りに押されて105.80円付近まで下落した。国内輸出企業によるドル売り・円買いも継続的に観測された。午後は、日経平均株価をにらみながら、105.80円台を中心とした狭いレンジでもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.17ドル台後半で方向感を欠く展開となった。欧州勢待ちの様相となっている。
★9年ぶりの製造業PMIの高水準:中国経済回復基調継続
中国メディア財新と英調査会社IHSマークイットが3日発表した民間版の中国7月製造業PMI(購買担当者景気指数)は52.8と前月(51.2)比+1.6改善し景気境目50を3ヵ月連続で上回り、新型コロナウイルス世界的大流行(パンデミック)にも拘わらず11年1月(54.5)以来9年6ヶ月ぶりの高水準へ回復した。一方、7月31日発表の国家統計局と中国物流購入連合会の政府版7月製造業PMIは前月比+0.2の51.1と5ヶ月連続で景気判断50を上回り3月(52.0)以来の高水準だった。世界に先駆けてロックダウン(都市封鎖)を解除した中国経済の回復が日米欧はじめ世界経済の先行指標となっているだけに9年ぶり製造業PMIの高水準は日本経済にも朗報である。
★トルコの複雑化する対外関係
欧州連合(EU)が反対するトルコの東地中海における資源開発について、トルコはギリシャ側の海域でのガス田調査を休止する意向を示した。その後、ギリシャ軍がトルコから軍用ドローン50機を購入との報道もあり、両国の歩み寄りが期待されたが、週末の報道ではギリシャ国防相が購入否定とも伝えられている。キプロス沿岸に関しては、トルコはガス田掘削の作業船を送り出しており、ギリシャやキプロスやその後ろ盾となるEUとトルコの溝はまだ深いままである。また米国も、トルコの露製地対空ミサイル配備を巡り、議会だけでなくポンペオ米国務長官が対トルコ制裁の可能性について言及した。露ガスを輸送するパイプライン『トルコストリーム』についても米は懸念しており、米トルコ関係も楽観視できない状態が続く。
★隠れトランプ支持が増えている可能性も
投票日まで残り3カ月となった米大統領選の世論調査で、共和党のトランプ大統領が民主党のバイデン前副大統領にリードを許している。ただ、トランプ氏は4年前もクリントン元国務長官に支持率で終始劣りながら勝利した。米社会の分断が深まる今回、調査に正直に答えない『隠れトランプ支持者』がむしろ増えているとして、精度を疑問視する専門家もいる。トラファルガー・グループ(ジョージア州)は2016年の前回大統領選で激戦州ミシガンなどの結果を言い当て、トランプ氏勝利を予測した数少ない世論調査会社である。ロバート・カヘリー上級調査員は取材に対し『トランプ支持でも、そうとは言いにくい空気が4年前より強い』と指摘する。
カヘリー氏によると、電話など人対人の世論調査では、社会的に望ましいとみられる回答に反する場合、対象者がうそをつくことがある。4年前、同社は『あなたはトランプ支持か』という質問に加え、『あなたの隣人の大半はトランプ支持か』を尋ねた。後者が本心を聞き出すための質問で、より実態を捉える効果があったという。
★米国主要金融機関の金先物価格予想
新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、リスク回避の際に買われやすい金に敷きイン流入が続いている。低金利環境の長期化やドル安も相場の先行観を強めている。バンク・オブ・アメリカは今後18ヵ月間で1トロイオンス3,000ドルまで上昇すると予想している。米FRBの金融緩和の長期化が相場を押し上げる。同社の過去の分析では長期金利から期待インフレ率を引いた実質金利の低下が相場の押し上げの主因となるとされている。2,000ドル付近で上昇余地は限られるとの声もある。UBSグローバル・ウェルス・マネジメントは2021年には堅調な景気回復を見込み、FRBが金融緩和の姿勢を弱めることが金先物相場の重荷になると予想する。JPモルガンは20年10月~12月期の平均は1トロイオンス1,880ドルと足元の水準よりも低いと予想する。2,000ドル台を安定して維持するためには、米10年物の実質金利が一段と低下する必要があるが、経済見通しを踏まえると金利低下はまもなく底を打つとしている。
◆金融機関の金先物の価格予想(1トロイオンス当たり)
・バンク・オブ・アメリカ:3,000ドル
・ゴールドマン・サックス:2,300ドル
・UBSグローバル・ウェルス・マネジメント:2,000ドル
・シティグループ:2,000ドル
・JPモルガン:1,880ドル
★銅金レシオが低下基調:景気の先行き悪化を示唆
銅は多くの工業製品に使われることから、景気回復時に価格が上昇しやすい。一方、安全資産の代表格である金は景気の低迷時に買われやすい。銅価格を金価格で割って算出する『銅金レシオ』は、より景気動向を反映すると言われている。米長期金利も景気動向に敏感に反応するため、両者の連動性は高い。6月上旬に一旦上昇した米長期金利は、その後低下基調が続いている。銅金レシオも7月中旬以降、低下に転じた。新型コロナウイルスの感染再拡大への警戒感が強まるなか、両者の方向性が再びそろったことは、景気の先行き悪化を示唆している可能性がある。
★米国市場では7月ISM製造業景況指数が公表
6月実績は52.6で1年2ヵ月ぶりの高水準となった。米国各州で経済活動の再開が進んだことが要因となった。新規受注指数は24.6ポイント上昇で統計開始以来最大の上げ幅を記録した。7月については、生産指数は6月実績を上回る可能性があることから、全体的には6月実績をやや上回る可能性がある。
★欧米市場イベント
○15:30 7月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.4%)
○16:30 7月スイスSVME購買部協会景気指数(予想:50.0)
○16:50 7月仏製造業PMI改定値(予想:52.0)
○16:55 7月独製造業PMI改定値(予想:50.0)
○17:00 7月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:51.1)
○17:30 7月英製造業PMI改定値(予想:53.6)
○22:45 7月米製造業PMI改定値(予想:51.3)
○23:00 7月米ISM製造業景気指数(予想:53.6)
○23:00 6月米建設支出(予想:前月比1.0%)
○4日01:30 ブラード米セントルイス連銀総裁、討議に参加
○4日02:00 バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○4日03:00 エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○4日03:00 7月ブラジル貿易収支
○トルコ(犠牲祭)、カナダ(市民の日)、休場
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