FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:経済活動の政情か期待の高まりから買い優勢

NYダウは227.51ドル高の26870.10ドル、ナスダックは61.92ポイント高の10550.49ポイントで取引を終了した。米バイオ製薬のモデルナは「開発中の新型コロナウイルスワクチンの臨床検査で参加者全員にウイルスの抗体の生成が確認できた」と発表したほか、「英アストラゼネカと英オクスフォード大学が開発中のワクチン試験では前向きな結果が出た」との報道が伝わった。また、投資銀行ゴールドマンサックスの好決算や、予想を上回った米国経済指標が好感材料となり上昇で寄り付いた。ハイテク株には依然利益確定売りが散見され一時上げ幅を縮小したが米国政府の追加財政策やFRBの追加緩和期待に底堅い展開となった。経済活動の正常化期待の高まりで株式市場には買い安心感が広がり、一時420ドル超上昇した。 VIX指数は29.52から27.76へ低下した。

 

NY外国為替市場:ロンドンフィキシングでドル買い戻し

ドル/円は、欧米株高を背景にリスク選好のドル売りが先行し一時106.67円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は下げ渋る展開になった。米国株式市場でナスダックがマイナス圏に沈むなど株価が伸び悩むなか、10日の安値106.65円がサポートとして意識されるとドル/円を買い戻す動きが出た。ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングにかけては『ポジション調整的なドル買い戻しが入った』との声も聞かれ、106.97円付近まで持ち直した。米連邦準備理事会(FRB)はこの日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)で、『経済活動はほぼ全ての地区で上向いたが、新型コロナ感染症がパンデミック(世界的大流行)となる前の水準はなお大きく下回った』と指摘した。 

 

ユーロ/ドルは、新型コロナウイルスのワクチン実用化期待から欧米株価が上昇するとリスク選好のドル売りが先行し、一時1.1452ドルと3月10日以来約4カ月ぶりの高値を付けた。ただ、ユーロ/豪ドルなど一部ユーロクロスの下落につれた売りが出ると1.1402ドル付近まで下押しした。一時は420ドル超上昇したNYダウが49ドル高まで急速に伸び悩んだことで、リスク選好のドル売りが後退した面もあった。 

 

NY原油先物市場は反発:協調減産と原油在庫減少から買い優勢

NY原油先物市場は40.08ドル-41.26ドルのレンジ相場となった。新型コロナウイルスのワクチン開発が進展したことで経済活動の正常化期待が高まり、原油相場は買いが先行した。石油輸出国機構(OPEC)プラスによる協調減産の縮小方針が伝わると前日比マイナスまで一時下落するも、8月からの減産規模縮小は予定通りとされ売りは続かなかった。米エネルギー省の週間在庫統計で原油の取り崩し幅が予想以上となったことを支えに買いが強まり、WTI8月限は6月23日以来の高値を更新した。ニューヨーク市場の序盤で40.08ドルまで下げたが、原油とガソリン在庫の減少を意識した買いが入ったことで41.26まで上昇した。 

 

NY金先物市場は小幅反発:押し目買いで1800ドル台は維持

NY金先物市場は1804.00-1819.50ドルのレンジ相場となった。『新型コロナウイルスのワクチン開発が進展』との報道を受け、安全資産の金は売り戻しが先行した。ただ、為替相場でドルが対ユーロで約4カ月ぶりの安値を更新すると、ドル建て金先物は下値を切り上げた。香港を巡る米中対立の激化懸念も相場の支えに底堅いまま引けている。ロンドン市場で1819.50ドルまで買われた後、欧米株高を意識して1804.00ドルまで反落した。ただ、押し目買いの興味は残されており、時間外取引では1810ドル台で底堅い動きを見せた。

 

米国債券市場は横ばい:好悪材料交錯で方向感出ず

米国債券市場で長期ゾーンは横ばいとなった。米10年物国債利回りは前営業日と同じ0.63%で終了した。新型コロナウイルスのワクチン実用化期待から安全資産とされる米国債に売りが出たものの、新型コロナウイルス感染再拡大への懸念も根強く下値は限定的だった。 

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