FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:アジア株が堅調推移したことで下支え

前日の米国株高を好感して上値を追って始まったが、買い一巡後は伸び悩んだ。中国メディア財新が発表した6月の中国非製造業PMIは58.4となり、前月から上昇した。そのため、アジア株が堅調に推移したことで日経平均株価も下支えされた。ただ、東京都内で新たに120人前後が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと伝わると上げ幅を縮小する展開となった。ただ、引けにかけ買い戻される展開となった。結局、前日比160円高の2万2306円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:107円台半ば付近でこう着相場

ドル/円は、米国で新型コロナウイルスの新規感染者が過去最多を更新していることが嫌気され、107.44円付近まで値を下げた。しかし、前日に発表された6月米雇用統計が予想を大きく上回り、米景気回復期待が高まっていることから、下値を追う動きは限られた。その後は、本邦輸入勢などがドル買い・円売りを持ち込み、107.50円台へ切り返した。午後は、新規の手掛かり材料に乏しく、107.50円を挟んでこう着した。本日は米国市場が独立記念日で休場となるため、積極的な売買は手控えられた。ユーロ/ドルは、週末を控えた持ち高調整などのユーロ売り・ドル買いに押され、一時1.1228ドル付近まで下落した。

 

中国の新車販売は2ヵ月連続で2桁増:政策が需要増を後押し

国汽車工業協会は2日、6月の新車販売台数が前年同月比11%増の228万台の見通しだと発表した。前年同月実績を上回るのは3カ月連続で、2ケタの伸び率は2カ月連続となる。新型コロナウイルスの感染拡大で景気が落ち込むなか、政府のテコ入れ策が需要を押し上げたかっこうだ。乗用車や商用車、電気自動車(EV)などの詳しい内訳は明らかにしていない。政府のインフラ投資の拡大に伴ってトラックなど商用車が大きく伸び、全体のけん引役となった。乗用車も購入補助金などの政策が需要増を後押しした。

 

トルコの外貨準備高は減少傾向:トルコリラ買い介入を継続

前日にトルコ中銀が発表した6月26日時点の外貨準備高(グロス)は、514.1億ドルと前週から3.4%減、年初来で36.7%減少したことが明らかになった。トルコ金融当局は継続してドル売り・リラ買い介入を続けているようであり、先月半ば以降6.86リラ付近ではドルの上値が抑えられている。ただ、外貨準備高不足への懸念は収まることはなく、このまま中銀の通貨防衛策が永久に機能するとも思えず、今後もドル/リラの動向には注意が必要となる。なお、トルコがロシア製地対空ミサイルを購入したことで、米最新戦闘機F35プログラムから除外される恐れが高まっていたが、2022年までは部品製造に関わることが認められた。米トルコ関係の悪化を避けられたことは通貨リラにとってもポジティブ要因である。

 

年末までのワクチン実用化を楽観:米国立衛生研究所所長談

米国立衛生研究所(NIH)のコリンズ所長は、トランプ政権による新型コロナウイルスワクチン開発加速に向けた『ワープ・スピード作戦』について楽観的な見方を示した。年末までに安全で効果的なワクチンが開発され、来年初めまでに3億人分の生産目標を達成できるだろうと期待を表明した。上院歳出委員会の公聴会で『高い目標だが、国民にとって正しい目標だ』と述べている。

 

米国雇用回復も依然として失業者は多数:パンデミック第2波には注意

米労働省が発表した6月雇用統計で6月失業率は11.1%と、5月13.3%から予想以上に低下した。4月に大恐慌以来の高水準を記録してから低下基調にある。非農業部門雇用者数は前月比+480万人となった。伸びは市場予想を上回り過去最大を記録した。ただ、1500万人近くは依然失業中で、失業者を雇用復帰させるには時間がかかるとパウエルFRB議長は懸念している。議長は政府が追加財政策を導入することが必要であると主張すると同時に、追加金融措置の必要性も指摘している。
週次新規失業保険申請件数は前週比5.5万件減の142.7万件と前回148.2万件から減少したものの予想135万件を上回り、減少ぺースは予想以上に遅いことを証明した。失業保険継続受給者数は1929万人と、前回1923.1万人から減少予想に反して増加している。パンデミック第2波により雇用や景気回復が一段と遅れる可能性も大いにあり慎重な動きが当面継続すると見られる。

 

米FRBのバランスシートは3週連続で縮小

米連邦準備理事会(FRB)のバランスシートは1日までの週に7兆0600億ドルと、前週の7兆1300億ドルから縮小し、5月中旬以来の低水準となった。減少は3週連続となる。
一方、新型コロナウイルスの打撃を受けた中小企業の資金繰りを助けるための『メインストリート融資制度(MSLP)』での融資は、まだ行われていない。通貨スワップ協定に基づく外国中銀へのドル供給は約500億ドル縮小し、5週連続の減少となった。
レポファシリティーの利用も減少しており、610億ドルと、昨年9月にFRBが短期金融市場への介入を再開して以降で最低水準となった。

 

欧米イベント

○15:45   5月仏財政収支
○16:00   6月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.65%/前年比12.09%)
○16:50   6月仏サービス部門PMI改定値(予想:50.3)
○16:55   6月独サービス部門PMI改定値(予想:45.8)
○17:00   6月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:47.3)
○17:00   6月ノルウェー失業率(予想:4.9%)
○17:30   6月英サービス部門PMI改定値(予想:47.0)
○21:00   クノット・オランダ中銀総裁、講演
○4日01:00   1-3月期ロシア国内総生産(GDP)確報値(予想:前年比1.6%)
○米国(独立記念日の振替休日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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