FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:前日の米国株の流れを引き継ぎ買い優勢

前日の米国株高の流れを引き継ぐ形で買い先行で始まったが、追加の材料に乏しかったことや週末前ということもあり、買い一巡着は狭いレンジで一進一退となった。午後になると特段のニュースは見当たらず、指数寄与度の高い銘柄が堅調なことから、機関投資家の買いが入ったとの指摘もあり、一時300円超へ上げ幅が拡大した。結局、前営業日比252円高の2万2512円と3日ぶりに反発して終了した。

 

東京外国為替市場:週末を控えた持ち高調整の円買いで上値重い展開

ドル/円は、日経平均株価をにらみながら、107.10円台を中心とした狭いレンジでもみ合いとなった。本日のスポット応当日は4~6月期の月末にあたり、仲値にかけて本邦実需筋の動向が注目されたが、需給に大きな偏りは見られなかった。一部メディアが『25日に米国は1日あたりの新型コロナの感染者数が過去最多を更新した』と報じたものの、市場の反応は限られた。午後に入ると、週末を控えた持ち高調整などのドル売り・円買いに押され107.05円付近まで下落した。ユーロ/ドルは、1.12ドル台前半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米上院で香港自治法案が可決:新たな米中間の火種に

中国の立法機関、全国人民代表大会(全人民)の常務委員会の会議が28~30日に開かれる。香港国家安全維持法の審議を急ぐとみられ、米中関係への影響が警戒される中、野村證券は26日付けのリポートで『25日に米上院、香港自治法案が可決された。同案には5月29日のトランプ大統領の制裁方針に含まれていなかった金融制裁が新たに加わるため、注意が必要だろ』と指摘した。同法案では、米政府に対し、一国二制度や香港の自治を損なった中国や香港の当局者に関する報告書を米議会に毎年提出するよう義務付けているといい、『報告書に基づいて、米大統領が個人、企業に対して制裁(米国内の資産凍結、米国への入国拒否)を行うことになる』と指摘した。今後、下院に送付されて審議されるが、『下院でも可決される可能性が高いと見られる。下院での賛成票が3分の2以上に達する場合、トランプ大統領は拒否権を発動することなく、法案の成立が見込まれる』としながら、『バイデン候補(民主党)の批判を避ける上でも、トランプ大統領は、香港自治法案に対して消極的な姿勢を示しにくいと見られる』と指摘した。米中間の新たな火種として注意したい。

 

IFMが実体経済からかい離した株高に警戒感示す

国際通貨基金(IMF)は25日公表した『国際金融安定性報告書(GFSR)』で、主要中央銀行が6兆ドル(約640兆円)規模の資産購入に踏み切り、投資家が過大にリスクをとっている可能性があるとし、『日米など株価上昇が実体経済と乖離し、割高感がある』と警鐘を鳴らした。同報告書によれば、新型コロナウイルス感染拡大懸念で主要市場の株価は一時急落したが、6月には『1月中旬の高値水準と比べ85%まで回復した』とし、特にハイテク株が多いナスダック指数は23日まで8日続伸し最高値更新、日経平均株価も3月底値(1万6552円)から大幅に持ち直した。しかし、IMFは24日改定した世界経済見通しで20年の世界成長率を-4.9%へ下方修正し大恐慌以来の景気悪化と警戒感を示した。

 

昨日の米国経済指標はまちまちの結果に

米労働省が発表した先週分新規失業保険申請件数は前週比‐6万件減の148万件と前回154万件から減少したものの予想132万件ほど減少しなかった。3月中旬の経済封鎖以降の申請総数は4700万件に達した。失業保険継続受給者数は1952.2万人と前回2028.9万人から予想以上に減少した。同時刻に米商務省が発表した5月耐久財受注速報値は前月比+15.8%と、3カ月ぶりのプラスに改善した。伸びは予想+10.5%を上回り過去最大の伸びを示した2014年7月以来で最大となった。変動の激しい輸送用機を除く耐久財受注速報値は前月比+4.0%と、4カ月ぶりのプラスで伸びは予想+2.1%を上回り2010年11月来で最大を記録した。国内総生産(GDP)の算出に用いられる非国防資本財(コア資本財)出荷速報値は前月比+1.8%と、4月-6.2%から予想外のプラスに改善した。
1-3月期GDP確定値は前期比年率-5.0%と予想通り改定値からの修正はなかった。同期個人消費確定値も前期比年率-6.8%と修正なしとなった。一方、米5月卸売在庫速報値は前月比‐1.2%と予想外に4月+0.2%からマイナスに落ち込んだ。下落率は2009年9月来で最大を記録した。5月前渡し商品貿易収支も743億ドルの赤字と、赤字幅は4月707億ドルから縮小予想に反して拡大。過去最大となった2018年12月来で最大となり成長を抑制する。

 

FRBが大手銀行に対して規制方針:配当制限や自社株買いを禁じる方針

米連邦準備理事会(FRB)は25日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に関する分析の結果、大手銀行に対し少なくとも第4・四半期まで配当支払いを制限し、自社株買いを禁じる方針を明らかにした。 FRBは大手行が前例のない景気の落ち込みやそれに伴う支援プログラムへの対応に苦慮しており、今後の経済動向や銀行の業績を巡ってもすでに未曽有の不透明感が漂っていると指摘した。 また、最も厳しい『W字型』回復シナリオの下では、審査対象となった34行が最大で7000億ドル相当の貸倒損失を被る恐れがあると警告した。

 

米国市場では5月PCEコア価格指数が公表

4月実績は前年比+1.0%にとどまった。新型コロナウイルスの感染拡大の防止するために行った都市封鎖の影響で4月の消費支出は大幅に減少したことが要因である。5月については、都市封鎖の段階的な解除によって、個人消費はある程度回復しており、コア価格指数は4月実績に近い水準となる可能性がある。

 

欧米市場イベント

○15:00   5月独輸入物価指数(予想:前月比0.4%/前年比▲6.9%)
○15:45   6月仏消費者信頼感指数(予想:95)
○17:00   5月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比8.7%)
○20:00   5月メキシコ貿易収支(予想:14.17億ドルの黒字)
○21:30   5月米個人消費支出(PCE、予想:前月比9.0%)
       5月米個人所得(予想:前月比▲6.0%)
       5月米PCEデフレーター(予想:前年比0.5%)
       5月米PCEコアデフレーター(予想:前月比横ばい/前年比0.9%)
○23:00   6月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:79.0)

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