FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米経済活動の正常化への期待から買い優勢

NYダウは461.46ドル高の27572.44ドル、ナスダックは110.67ポイント高の9924.75ポイントで取引を終了した。米経済活動が早期に正常化するとの期待から、景気敏感株を中心に買いが優勢となった。NY市では第1段階の新型コロナウイルス感染抑制策緩和が始まった。また、全米各地で起きている黒人男性暴行死への抗議デモについては『暴動が沈静化し、概して平和的』との声が聞かれた。ハイテク株の比率が高いナスダックは続伸し、史上最高値で取引を終えた。VIX指数は24.52から25.81へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米景気の縮小懸念から円買い・ドル売り優勢

ドル/円は、『今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)でイールドカーブコントロールが議論される可能性』との一部報道を手掛かりにNY市場でも円高・ドル安が進んだ。米10年債利回りが0.8602%前後まで低下したことなども円買い・ドル売りを促し、前週末の安値109.05円を下抜けると一時108.24円まで下げ足を速めた。市場では『一目均衡表転換線が位置する108.47円や200日移動平均線108.43円などの重要なチャートポイントを割り込んだため売りが出やすい』との声が聞かれた。なお、全米経済研究所(NBER)はこの日、新型コロナウイルスのパンデミックや公衆衛生を守るための対応など、過去とは異なる要因が米景気の縮小をもたらしたと指摘した。『前例のない規模で雇用や生産が落ち込み、それが経済全体に影響をもたらしている』として、米経済は景気後退期に入ったと認定した。 

 

ユーロ/ドルは、NY市場では円絡みの取引が中心となったため、相場は方向感が出なかった。なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は欧州議会で、『新型コロナのパンデミックを受けてECBが実施した刺激策はユーロ圏が直面しているリスクに相応』との見解を示したものの、相場の反応は限られた。 

 

NY原油先物市場は反落:原油需要を巡る思惑などから売り優勢

NY原油先物市場は37.96ドル-40.44ドルのレンジ相場となった。アジア時間では6日に開かれたOPECプラスで大規模減産の延長合意を好感し、原油先物価格は堅調に推移していた。しかしサウジアラビアなどが自主的に実施していた追加減産については延長をしないことを決定したことで、徐々に弱含み5営業日ぶりに反落した。8日のアジア市場で40.44ドルまで買われたが、原油需要を巡る思惑などで利食い売りが活発となり、ニューヨーク市場で一時37.96ドルまで下落。ただ、その後は米国株高を意識して下げ渋り、時間外取引では38ドル台前半でのもみ合いが続いた。

 

NY金先物市場は反発:米雇用拡大に対する懐疑的な見方もあり買い戻し

NY金先物市場は1680.70-1707.60ドルのレンジ相場となった。NZドル/ドルが1月後半以来のドル安・NZドル高になったことをはじめ、ドルが全体的に弱含んだことで金先物価格は反発した。先週末の雇用統計で大幅に下落したこともあり、買い戻しが入りやすい地合いでもあった。また、米長期金利の上昇が一服していることや、原油価格の反落を意識したことも買い材料となった。さらに、先週5日に発表された5月の米雇用統計は大幅な改善を示したが、持続的な雇用拡大に対する懐疑的な見方は残されており、安全資産である金を買い戻す動きが広がった。

 

米国債券市場は反発:FOMCで追加緩和の思惑から買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは6営業日ぶりに反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)0.87%で終了した。『今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)でイールドカーブコントロールが議論される可能性』との一部報道を手掛かりに債券買いが進んだ。堅調な3年債入札も相場の支援材料となった。

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