FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:経済活動の再開による米景気回復期待

NYダウは527.24ドル高の26269.89、ナスダックは74.54ポイント高の9682.91ポイントで取引を終了した。中国の5月サービス業PMIが予想外のプラス成長に回復したほか、5月ADP全米雇用リポートや5月米ISM非製造業指数など予想を上回る経済指標が相次ぎ、経済活動の再開で米景気が回復に向かうとの期待が高まった。旅客が増えれば航空機需要も持ち直すとの見方から、航空機のボーイングが13%近く上昇し、1銘柄でダウ平均を153ドルほど押し上げた。また、米国政府が第4弾の経済支援策を検討中との報道も好感され、引けにかけてさらに上げ幅を拡大した。VIX指数は26.84から25.66へ低下した。

 

NY外国為替市場:リスク選好の動き強まり円売り優勢

ドル/円は、各国で広がる経済活動再開に伴う景気回復期待が株価を押し上げる中、投資家がリスクを取る動きを強めたことで円売りが優勢となった。5月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が前月比276万人減と予想(900万人減)ほど悪化しなかったことや、5月米ISM非製造業指数が45.4と予想の44.0を上回ったことも相場の支援材料となり、一時108.98円と4月9日以来の高値を更新した。その後の下押しも108.86円付近にとどまるなど底堅く推移した。市場では『全米各地で起きている黒人男性暴行死への抗議デモに沈静化の兆しがみられることも投資家心理の改善につながった』との声が聞かれた。

 

ユーロ/ドルは、新型コロナウイルスで停滞していた経済活動を再開する動きが世界的に広がる中、リスク・オンのドル売りがこの日も続いた。欧州時間に発表された5月の仏・独・ユーロ圏サービス部門PMI改定値が予想を上回り、ユーロ圏景気の底入れ期待が高まったこともユーロ買いを促し、一時1.1257ドルと3月12日以来の高値を付けた。欧州中央銀行(ECB)が4日の定例理事会で追加緩和に踏み切るとの観測や『ドイツ連立政権が追加の景気刺激策に合意』との報道もユーロの追い風となった。

 

NY原油先物市場は上昇:減産体制持続を期待した買い戻し優勢

NY原油先物市場は35.88ドル-38.18ドルのレンジ相場となった。時間外から石油輸出国機構(OPEC)プラス会議を巡る思惑で大きく上下した。1-2カ月の協調減産延長への期待感を背景に、約3カ月ぶりの高値となる38ドル前半まで上昇した。その後は観測報道『サウジとロシアが減産延長に消極的、会議は前倒しでは開催せず』が嫌気されて36ドル割れまで急落した。本日発表された米エネルギー省(EIA)週間石油在庫統計は、一部で積み増し予想だった原油在庫が取り崩しとなり、NY時間は総じて下値が堅かった。引け前に伝わった『OPECプラスは1カ月の減産延長で合意するだろう』との報道にも後押しされた。 

 

NY金先物市場は続落:リスク選好の動きから売り優勢

NY金先物市場は1690.30-1738.90ドルのレンジ相場となった。5月ADP全米雇用報告が市場予想ほど悪化せず、米・失業者数は4月でピークアウトしたとの見方もでてきた。5月米ISM非製造業指数も予想を上回り、景気回復への期待感が更に高まった。リスクオンの流れが進み、安全資産とされる金は売りが優勢となった。3日のアジア市場で1738.90ドルまで買われたが、その後は伸び悩み。欧米株高を意識してニューヨーク市場の午前中に1690.30ドルまで下落した。その後1700ドル台を回復したが、安全逃避の金買いは縮小しており、ポジション調整的な売りがやや多かった。

 

米国債券市場は続落:リスク選好から安全資産の債券売り

米国債券市場で長期ゾーンは3日続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.06%高い(価格は下落)0.74%で終了した。予想を上回る米経済指標の発表が相次ぎ、経済活動の再開で米景気が回復に向かうとの期待が高まると、安全資産とされる米国債に売りが出た。利回りは一時0.7689%前後と4月14日以来の高水準を付けた。

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