FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:経済活動再開から景気回復期待で買い優勢

NYダウは91.91ドル高の25475.02、ナスダックは62.18ポイント高9552.05ポイントで取引を終了した。白人警官による黒人暴行死への抗議デモが全米で広がっていることを受けて売りが先行した。また、米中関係の悪化懸念がくすぶっていることも相場の重石となり、一時160ドル超下げた。ただ、全米各州が経済活動を段階的に再開し、米景気が回復するとの期待は根強く、売り一巡後は買い戻しが優勢となった。VIX指数は27.51から28.23へ上昇した。

 

NY外国為替市場:様子見ムード強くドル/円相場はこう着

ドル/円は、欧州市場では『中国が米国産大豆の一部輸入を停止する可能性』との報道を受けて一時107.39円と日通し安値を付ける場面もあったが、NY市場では値幅の狭いレンジ取引に終始した。ポンド/円などクロス円の上昇につれた買いが入った半面、対ポンドなどでのドル売りが相場の重石となりドル円自体は方向感が出なかった。米国内で広がる抗議デモの行方や米中関係を巡る続報を待ちたいとの見方から様子見ムードが強まった面もあった。なお、この日発表の5月米ISM製造業景気指数は43.1と予想の43.5を若干下回った一方、4月米建設支出は前月比2.9%低下と予想の6.0%低下を上回った。

 

ユーロ/ドルは、ユーロ/豪ドルやユーロ/カナダドルなどユーロクロスの下落につれた売りが出て、一時1.1101ドル付近まで下押しする場面もあったが、欧州株高や米国株の持ち直しを背景にリスク・オンのドル売りが出ると1.1140ドル付近まで強含んだ。ただ、3月30日の高値1.1163ドルがレジスタンスとして意識されたため、戻りは限られている。

 

NY原油先物市場は反落:石油需要回復の鈍化懸念から上値重い

NY原油先物市場は34.27ドル-35.90ドルのレンジ相場となった。ミネアポリスの黒人男性・暴行死を巡り全米各地で抗議デモが拡大し、一部で暴徒化したため、経済活動の本格再開が遅れるとの懸念が広がった。石油需要の回復鈍化も危惧され、原油先物は売りが先行した。もっとも、『石油輸出国機構(OPEC)プラス』会議を控えて協調減産の思惑は根強く、引けにかけては下げ幅を大きく縮めた。 

 

NY金先物市場は小幅に反落:利益確定売りが重石

NY金先物市場は1737.60-1761.00ドルのレンジ相場となった。底堅い株式市場を背景に安全資産とされる金は利益確定売りが先行した。もっとも下値の堅さを確認すると、NY午後にかけては下げ幅を縮小した。5月米ISM製造業景気指数が市場予想をやや下回ったことも相場の支えとなった。1日のアジア市場で1761.00ドルまで買われたが、ニューヨーク市場では売買が交錯し、伸び悩んだ。利益確定を狙った売りが観測された。 

 

米国債券市場は小反落:景気回復期待の株高を嫌気した売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは小反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.66%で終了した。経済活動の再開に伴う景気回復期待から株価が上昇すると、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。ただ、米中対立への懸念や白人警官による黒人暴行死への抗議デモの広がりを受けて、下値は堅かった。 

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