FITS エコノミックレポート

★欧州市場朝方の取引では、米中貿易協議の進展期待を手掛かりにして、日米株価指数先物の上昇も相場の支えとなりドル買いが入った。なお、欧州株は高安まちまちで取引を開始した。欧州株はほぼ全面高となり、NYダウ先物もプラス圏推移や米長期金利の持ち直しで、ドルはじり高が継続した。NYダウ先物や日経先物が再上昇となる中、ドル/円は前日高値を更新し109.00円前後にドルが小幅続伸した。しかし、持ち高調整目的のドル売りに押され、次第に上値を切り下げる展開となった。

米新規失業保険申請件数の結果を受けて、ドルは小幅高の反応となった。米長期金利が上昇したことが相場の下支えとなったが、高く始まったNYダウがマイナス圏に沈むと再度上値が重くなった。トランプ米大統領が『中国との交渉は順調に進んでいる』『15日の対中関税発動、様子を見守る必要』と述べると買い戻しが入った。米中交渉順調も農産物購入規模で折り合いつかずとの報道で上値の重い展開となった。

★欧米主要経済指標

・ユーロ圏・10月小売売上高：前月比-0.6％（予想：-0.5％、9月：-0.2％←+0.1％）
・ユーロ圏・7-9月期GDP確定値：前年比+1.2％（予想：+1.2％、改定値：+1.2％）

・米・先週分新規失業保険申請件数：20.3万件（予想：21.5万件、前回：21.3万件）
・米・失業保険継続受給者数：169.3万人（予想：166.0万人、前回：164.2万人←164.0万人）
・米・10月貿易収支：-472億ドル（予想：-486億ドル、9月：-511億ドル←-525億ドル）
・米・10月製造業受注：前月比＋0.3％（予想：+0.3％、9月：－0.8％←-0.6％）
・米・10月耐久財受注改定値：前月比＋0.5％（予想：+0.6％、速報値：＋0.6％）
・米・10月耐久財受注(輸送用機除く)改定値：前月比＋0.5％（予想：+0.6％、速報値：+0.6％）
・米・10月製造業出荷・資本財(航空機を除く非国防)改定値：前月比＋0.8％（速報値：+0.8％）

★欧米市場のポイント

・ドル/円は109.62-99円のレンジ相場

・英総選挙に向けた保守党優勢を好感したポンド買いが継続

・トランプ米大統領に対する弾劾の動きを背景にドル売り

・中国による米農産物購入規模に関して依然意見が食い違う

・15日の追加関税の発動回避の可能性を期待する動き

・VIX指数は14.80から14.52へ低下した