FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:リスク回避の動きが後退した買い優勢

前日の米国株式市場は小動きだったため手掛かりにならない中、直近の下げで高値警戒感が和らいだことが手伝い、買い戻しや押し目買いに堅調となった。このところドル安/円高に振れ気味だった為替相場が落ち着いていることも安心感を誘った。米高官の発言報道を受けて米中通商交渉の『第1段階』での合意に対する期待が再び高まり、海外投資家による株価指数先物への買いが集まった。また、大規模デモの混乱が続く香港の株式相場が落ち着いた動きとなったことも安心感をもたらした。ただ、週末とあって取引終了にかけてはこう着相場となった。結局、前日比161円高の23303円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:108.60円台でもみ合う展開

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均反発に支えられ、108.62円近辺まで上昇sちあ。朝方に、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が『中国との貿易協議は合意に近づいている』との見解を示したこともあり、リスク選好の円売りにつながった。しかし、前日のNY市場でつけた108.69円が上値目処として意識されると、上げは一服した。その後は、週末を控えた持ち高調整などのドル売りに押された。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、108.60円を挟んでもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.1025ドル前後で方向感に欠く値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

10月の株式投信は流出超:みずほ証券レポート

15日付けのみずほ証券リポートでは、『10月の株式投信は設定額が2.8兆円、解約額が2.7兆円、差引き1115億円の資金純増となった。10月中の株価回復を背景に、10月末の純資産総額は前月比3.6兆円増の107兆9000億円と過去最高になった』と指摘した。ただその一方で、『増額分のうち3.7兆円が時価総額によるものだったため、ネットの流入は約1000億円のマイナスだった』と指摘している。『10月中に日銀は704億円×3回=2112億円のETFを買ったため、日銀のETF購入を除くと、株式投資への資金フローは3000億円近い流出だった』という。株価が上がると利食う個人投資家の姿勢が出たといい、『10月中は国内外REIT投信への資金流入が継続したが。11月に入るとREIT投信から資金流出が起きている』ことも注目される。

 

米NY連銀は年末に向けて大量資金供給で金利上昇を抑制

NY連銀は、資金供給オペを拡充する方針を発表した。米短期金融市場では年末にかけてドルの短期資金の需給がひっ迫するとみられている。そのため、NY連銀は早めの措置を見せることで、短期金利の急上昇を抑える狙い。これまでは翌日物が中心だったが、11月25日に期間42日(満期は2020年1月6日)で250億ドルを供給する。その後も週1回程度、年末越えのオペを実施する。米大手銀行が金融規制に対応するため余裕資金を手元に抱える傾向を強めていることが背景で、金利に上昇圧力がかかりやすい。

 

米インフレ指標は低位安定

米労働省が発表した10月生産者物価指数(PPI)は前月比+0.4%と9月-0.3%からプラスに転じた。市場予想の+0.3%を上回り4月来で最高となった。前年比では+1.1%と、市場予想の+0.9%を上回ったが、2016年10月以降3年ぶり低水準となった。変動の激しい食品やエネルギーを除いたコアPPIは前月比+0.3%。9月▲0.3%からプラスに改善し、市場予想の+0.2%を上回った。前年比では+1.6%と、9月+2.0%から低下し、2017年3月来で最低となったが市場予想の+1.5%は上回った。

 

トランプ大統領は対中強硬姿勢の意思表示

トランプ大統領は12日ニューヨーク市内のエコノミック・クラブで『貿易と経済について』と題する講演で台頭著しい中国を『盗っ人』呼ばわりし物議を醸した。その上でトランプ氏は『2016年の選挙前、中国が米国の知的財産権を盗んできたにも拘わらず、米国の政治家は中国に何もしてこなかった』とオバマ前政権を批判すると共に『盗っ人』の総本山である共産党を暗に批判した。1年後に迫った次期大統領選を前に経済政策の実績を披露する狙いがあった同講演での中国批判は、近づく米中貿易戦争『第1段階合意』にも拘わらず依然、対中強硬姿勢で臨む大統領の意思表示に他ならない。

 

米国市場では10月小売売上高が公表

9月実績は▲0.3%だった。飲食店と自動車ディラー、建材店、ガソリンスタンドを除いたペースのコア売上高はほぼ横ばいだった。企業投資の抑制や製造業の景況感が悪化していることから、個人消費はやや伸び悩んでおり、この状態は10月も続く見込み。9月からは小幅に伸びにとどまる見込み。

 

欧米イベント

○16:00   8月トルコ失業率
○17:00   メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○17:30   7-9月期香港国内総生産(GDP)確定値(予想:前期比▲3.2%)
○18:00   コスタ・ポルトガル中銀総裁、講演
○19:00   9月ユーロ圏貿易収支(季調済、予想:187億ユーロの黒字)
      ユーロ圏貿易収支(季調前)
○19:00   10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比0.7%)
○19:00   10月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比1.1%)
○22:30   9月対カナダ証券投資
○22:30   11月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:5.0)
○22:30   10月米輸入物価指数(予想:前月比▲0.2%)
○22:30   10月米小売売上高(予想:前月比0.2%/自動車を除く前月比0.4%)
○23:15   10月米鉱工業生産指数(予想:前月比▲0.4%)
       設備稼働率(予想:77.1%)
○24:00   9月米企業在庫(予想:前月比0.1%)
○16日02:00   バイトマン独連銀総裁、講演
○米議会でトランプ大統領弾劾調査の公聴会
○ブラジル(共和制宣言記念日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ