FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米中の中傷協議を巡る不安感から売り優勢

トランプ政権が米証券取引所に上場する中国株の廃止を検討しているとの報道で、前週末の米国株が下落した。東京市場もその流れを引き継いで朝方から幅広い銘柄に売りが先行した。。その後も目ぼしい買い材料が乏しく、マイナス圏でのもみ合いが続いた。米中の通商協議を巡っては閣僚級協議がワシントンで10月10-11日に開催される予定だが、米中対立の新たな火種になる可能性が出てきた。利益確定売りに押され一時下げ幅を140円に広げた。結局、前週末比123円安の2万1755円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:107円台後半でのもみ合い相場

ドル/円は、月末・半期末に絡む国内輸入企業などのドル買い・円売りに支えられ、一時108円台に乗せる場面があった。しかし、27日に伝わった『トランプ米政権が対中投資制限を検討している』との報道が意識されているため、上値を追う動きは限られた。その後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、107.95円を挟んでもみ合いとなった。午後は日経平均株価の下げ幅拡大を眺めて107.75円付近まで下落した。米長期金利が小幅ながら低下したこともドル売りにつながった。ユーロ/ドルは、1.0935ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国製造業PMIは50を5ヵ月連続で割り込む

中国国家統計局が発表した9月の製造業PMIは49.8と、8月の49.5から小幅上昇したものの、景況拡大と悪化の分かれ目となる50を5ヵ月連続で割り込んだ。市場は8月から横バイの49.5と予想していた。9月非製造業PMIは53.7で、8月の53.8からやや低下した。節目の50は引き続き上回った。製造業と非製造業を合わせた総合PMIは53.1と8月の53.0から上昇した。新規受注指数は50を回復し、内需の改善をうかがわせる結果となった。ただ、新規輸出受注指数は前月から小幅上昇したものの16ヶ月連続で50を下回った。生産高指数も新規受注の増加を背景に前月から上昇した。雇用指数は47.0と前月の46.9からやや改善したが、先行きへの不透明感が強く引き続き50を下回った。

 

財新9月中国製造業PMIは改善方向

財新/マークイットが発表した9月の中国製造業PMIは51.4と、昨年2月以来1年7ヵ月ぶりの高水準を記録した。生産と新規受注の増加を背景に、製造業の緩やかな回復を示す予想外の好内容だった。PMIは8月の50.4から上昇し、景況拡大と悪化の分かれ目である50を2ヵ月連続で上回った。内需の回復が主導する形で景況が拡大していることが明らかになった。外需の動向を示す新規輸出受注は、米中貿易摩擦が続く中、4ヵ月連続で減少した。外需が軟調な中でも新規受注は全体で増え、18ヵ月ぶりの高水準を付けた。生産も拡大し、昨年8月以来の高水準となった。

 

ウクライナ問題はバイデン前大統領候補の支持率つぶしの可能性も

米議会下院の情報特別委員会は9月26日、トランプ大統領がウクライナのゼレンスキー大統領に対し、バイデン前副大統領に関する調査を要請した電話協議を巡る内部告発上を公表した。告発者はこの行為が『トランプ氏が大統領職権を使って2020年の大統領選に向けて外国政府の介入を求めたもの』と指摘した。

定数435の下院過半数(218)を超える219人の民主党議員が既に弾劾訴追に賛成の意向を表明した。もっとも、下院の訴追を受け、弾劾裁判を行うのは共和党が多数派を占める上院である。有罪にするには上院の3分の2以上(67議員以上)の賛成を必要とし、弾劾・訴追の可能性は極めて低い。

民主党の大統領候補がウォーレン女史なら『60対40』でトランプ優勢、バイデン氏なら『52対48』の僅差が予想されている。そのため、『バイデンつぶし』を強めた可能性もあるとの見方である。直近メディアの世論調査で初めてウォーレン上院議員が僅差ながらもバイデン前副大統領を上回った。トランプ大統領にとって、ウォーレン女史が民主党の大統領候補となれば再選の可能性が高まると考えているのかもしれない。

 

10月は1年でもっともNYダウが大暴落しやすい月

10月は、ニューヨーク株式市場が下落する傾向にある月と言われている。その理由は、12月の個人所得の申告を控えて、配当の支払いなどを完了させるため、投資信託の決算期末が10月に集中しているからと言われている。しかし、1991年から2018年の月足では、陽線を勝ち・陰線を負けとすると19勝9敗と陽線で終わることが多い。そのため、決して下落しやすい月というわけではない。暴落的な動きになりやすい月となっている。NYダウの下落率トップ10の内8回が10月に起きている。

・第1位:1987年10月19日(▲22.61%:▲508ドル)※ブラックマンデー
・第2位:1929年10月28日(▲13.4%:▲41ドル)※暗黒の木曜日
・第3位:1929年10月29日(▲11.7%:▲31ドル)
・第4位:1931年10月 5日(▲10.7%:▲10ドル)
・第5位:1929年11月6日(▲9.9%;▲26ドル)
・第6位:1987年10月26日(▲8.04%:▲157ドル)
・第7位:2008年10月15日(▲7.87%:▲733ドル)
・第8位:2008年12月1日(▲7.70%:▲680ドル)
・第9位:2008年10月9日(▲7.33%:▲679ドル)
・第10位:1997年10月27日(▲7.18%:▲554ドル)

 

欧米イベント

○15:00   8月独小売売上高指数(予想:前月比0.5%/前年比2.9%)
○15:00   8月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比7.45%)
○16:00   9月スイスKOF景気先行指数(予想:96.2)
○16:00   8月トルコ貿易収支(予想:25億ドルの赤字)
○16:55   9月独雇用統計(予想:失業率5.0%/失業者数変化5000人)
○17:30   4-6月期英国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比▲0.2%/前年比1.2%)
○17:30   4-6月期英経常収支(予想:195億ポンドの赤字)
○17:30   8月英消費者信用残高(予想:9億ポンド)
○17:30   8月英マネーサプライM4
○18:00   8月ユーロ圏失業率(予想:7.5%)
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○21:00   9月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.1%/前年比1.3%)
○21:00   8月南アフリカ貿易収支(予想:12億ランドの黒字)
○21:30   8月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比▲0.5%)
○21:30   8月カナダ原料価格指数(予想:前月比▲1.5%)
○22:45   9月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:50.2)
○ニュージーランドは29日から夏時間に移行済み

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