FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国市場下落した流れを引き継ぐ

トランプ大統領の弾劾機運や同大統領の国連演説など、海外時間に複数の懸念材料が浮上した。米国株市場で主要3指数が下落した流れを引き継ぎ、朝方から売りが先行した。ドル/円が下落して107円を割り込みそうになった場面では下げ幅を200円近くまで拡大したが、その後の為替が持ち直したことで下げ渋った。また、中国が米国産豚肉の追加購入を準備しているとの話題で、米中対立の緩和に対する期待が出た。結局、前営業日比78円安の2万2020円と4日ぶりに反落した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は107円台前半でもみ合う展開

ドル/円は、米中通商交渉の先行きを警戒したドル売り・円買いが先行し、107.00円近辺まで下落した。しかし、前日につけた約2週間ぶりの安値106.96円が意識されると、下げは一服した。『中国が米国産豚肉の購入拡大を準備している』と報じたことも、円売りを誘った。ホワイトハウスが『日本時間26日5時、トランプ米大統領がニューヨークで記者会見を予定している』と発表したものの、市場の反応は限定的だった。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、107.30円台を中心とした狭いレンジでもみ合った。ユーロ/ドルは、1.1000ドルを挟んで小動きとなった。夕方から参入してくる欧州勢待ちの様相となっている。

 

豪中銀の10月1日会合での追加利下げの可能性は後退

オーストラリア準備銀行(中央銀行)のロウ総裁は24日の講演で、追加利下げが必要な可能性があるとの認識を示した。豪中銀は来週、理事会を開催する。 豪中銀は、6月、7月と2会合連続で政策金利を引き下げた。 ロウ総裁は、連続利下げに言及しつつ『追加の金融緩和が必要となる可能性がある』と述べ、『来週の理事会では、再び兆候の評価をすることになる』とした。 必要なら政策をさらに緩和する用意があるとし、低金利が長期間継続する必要があるとの見方を示した。 状況次第で量的緩和を検討するとしながらも、可能性は依然として低いとの認識を示した。 総裁の発言を受け、次回10月1日の中銀理事会で政策金利が1.0%から0.75%に引き下げられるとの見方が後退した。

 

中華人民共和国の建国70周年を控えて

中国側の事情としては、10月1日に中華人民共和国の建国70周年イベントが迫ってきた。それまでは中国共産党のメンツもあり、米中間の無用な対立緊張と一段の景気悪化、人民元や株価の急落混乱といった事態は回避させるという見方が少なくない。
ただし、香港でのデモ集団は、逆に10月1日を標的にする形で大規模デモを計画している。こうした計画に対しての香港・中国政府の取り締まり強化により、衝突と混乱が激化するリスクには注意が必要となる。

 

米FRBの年内追加利下げを探る展開

米国市場ではFRBが前週FOMCで利下げを決めたが、今週はFRB幹部による発言機会が相次ぐ。前週会合では委員10人のうち3人が利下げに反対するなど、今後の政策動向には不透明感が高まっている。今週以降はFRB幹部による追加利下げ支持発言のほか、指標悪化があると年内利下げ観測の高まりでドル安、一方で様子見発言やバブル警戒発言、指標改善があると年内利下げ後退でドル高という、手探りの一喜一憂が想定される。ただし、前週段階では大幅な金利低下や7月利下げの効果などもあり、米国では指標改善が目立ち始めた。不確定要因である米中貿易摩擦も10月7日週までは対立激化が抑制されるため、当座は早期の追加利下げ観測が盛り上がりにくい環境になっている。

 

米国では消費と雇用に陰り

コンファレンスボードが発表した9月消費者信頼感指数は125.1と、市場予想133.0を下回り8月134.2から9.1ポイント低下し6月来の低水準となった。内訳で現況は169と、8月176.0から低下した。期待値は95.8と8月106.4から低下し、低下幅は株式相場が急落した2018年12月以来で最大となった。消費に陰りが出てきおり下半期の成長に影響を与える可能性がある。また、雇用に関しての質問で『十分』との答えは3カ月ぶりの低水準となるなど、雇用がピークをつけた可能性を示す新たな証拠となった。

 

欧米イベント

○15:45   9月仏消費者信頼感指数(予想:102)
○16:00   クーレ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○18:00   ラウテンシュレーガーECB専務理事、講演
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○22:05   カーニー英中銀(BOE)総裁、講演
○23:00   ジョージ米カンザスシティー連銀総裁、ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事、議会証言
○23:00   8月米新築住宅販売件数(予想:前月比3.5%/66万件)
○23:30   EIA週間在庫統計
○26日02:00   米財務省、5年債入札
○日米首脳会談(ニューヨーク)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ