FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで9月25日の米国株市場を先取り!

 

★NY株式市場では、三指数下落した。さらに、米長期金利も大幅に低下したことでイールドスプレッドは三指数とも大幅に拡大した。以前よりはイールドスプレッドも縮小傾向にあるものの、再び拡大してきたことで割安感も出やすくなってきた。

NYダウは、5日SAM26,987ドルと10日SMAの27,066ドルを下抜け、5日SMAが下向きとなり10日SMAと明確にデッドクロスしたことで、短期的には下落基調が鮮明になってきている。米中貿易摩擦が先行き不透明感が強いことや、米大統領の弾劾リスク、欧州景気減速懸念、中東情勢悪化傾向などリスク回避要因もあり、上値が重くなってきている。下落基調場面では、75日SMAの26,606ドル、25日SMAの26,597ドル、100日SMAの26,365ドルがサポートラインとして意識される。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.457%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、

               19/8/5-▲4.102%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・9月23日:▲3.759%⇒9月24日予想▲3.869%

 

9月24日はNYダウは下落したうえ、米長期金利も低下したことから、イールドスプレッドは前日比で大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)だった。平均値の▲4.457%から▲0.588%スプレッドがかい離した。19年1月3日の大底▲4.226%を▲0.357%とかい離した。19年6月3日の大底4.038%を▲0.169%、19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.233%とかい離した。

 

NYダウが下落したことで株式益利回りは上昇した。米長期金利も大きく低下したことで、イールドスプレッドは前日比で大幅拡大した。米国債に対してNYダウが前日比で割安となった。前日比では米国債券を買うよりもNYダウを買う方が良いことになった。イールドスプレッドは、以前ほどの割安感が払しょくされているが、再び米長期金利が低下してきたことで割安感が出やすくなる。イールドスプレッドが再び4%を超えてくるまでは、割安感は出難い。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.779%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、

                19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%

・9月23日:▲3.691%⇒9月24日予想▲3.817%

 

S&P500が下落したうえ、米長期金利も大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で大h場拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.779%から+0.038%と平均値を上回った。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%に対して▲0.052%と下回った。19年6月3日の大底となった3.881%から▲0.064%とイールドスプレッドとかい離した。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%とは▲0.185%と19年8月15日の▲4.179%も▲0.362%とかい離した。イールドスプレッドは以前よりは縮小気味となっているものの、S&P500の下落と米長期金利低下で若干割安感が出てきた。米長期金利の動向が重要なポイントとなっている。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.314%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、

              19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%

・9月23日:▲2.189%⇒9月24日予想▲2.326%

 

NASDAQが大幅に下落したうえ、米長期金利も大幅低下したことで、イールドスプレッドが前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.314%から+0.012%上回った。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+0.147%上回った。さらに、19年6月3日の大底となった▲2.328%に対して▲0.002%下回った。さらに、19年8月5日の大底となった▲2.383%から▲0.057%と19年8月15日の大底となった▲2.498%から再び▲0.172%かい離した。

 

NASDAQのイールドスプレッドは以前よりは縮小しているものの、昨日は大幅に下落したうえ米長期金利が低下したことで割安感が高まってきた。NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。

 

三指数のイールドスプレッドは米長期金利がわずかに上昇したことから、株価指数はまちまちだったものの若干縮小する傾向となった。イールドスプレッドは以前より割安感が薄れてきており、株価の上値が重くなる可能性も出てきている。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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