FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで9月24日の米国株市場を先取り!

 

★NY株式市場では、三指数まちまちの動きとなった。さらに、米長期金利がわずかに上昇したことでイールドスプレッドは三指数とも小幅縮小した。以前よりは割安感は払しょくされてきている。

NYダウは、5日SAM27,047ドルと10日SMAの27,076ドルを下抜け、5日SMAが下向きとなり10日SMAとデッドクロスしたことで、短期的には下落基調となってきている。米中貿易摩擦が先行き不透明感が強いことや、欧州景気減速懸念、中東情勢悪化傾向などリスク回避要因もあり、上値が重くなってきている。下落基調場面では、75日SMAの26,595ドル、25日SMAの26,570ドル、100日SMAの26,360ドルがサポートラインとして意識される。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.462%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、

               19/8/5-▲4.102%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・9月20日:▲3.768%⇒9月23日予想▲3.759%

 

9月23日はNYダウは小幅上昇したうえ、米長期金利はわずかながら上昇したことから、イールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)だった。平均値の▲4.462%から▲0.703%スプレッドがかい離した。19年1月3日の大底▲4.226%を▲0.467%とかい離した。19年6月3日の大底4.038%を▲0.279%、19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.343%とかい離した。

 

NYダウがわずかに上昇したことで株式益利回りは低下した。米長期金利がわずかに上昇したことで、イールドスプレッドは前日比でわずかに縮小した。米国債に対してNYダウが前日比で割高となった。前日比ではNYダウを買うよりも米国債を買う方が良いことになった。イールドスプレッドは、以前ほどの割安感が払しょくされている。イールドスプレッドが再び4%を超えてくるまでは、割安感は出難い。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.782%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、

                19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%

・9月20日:▲3.697%⇒9月23日予想▲3.691%

 

S&P500はわずかに下落したものの、米長期金利がわずかに上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.782%から▲0.091%と平均値とかい離した。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%に対して▲0.178%と下回った。19年6月3日の大底となった3.881%から▲0.190%とイールドスプレッドとかい離した。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%とは▲0.311%と19年8月15日の▲4.179%も▲0.488%とかい離した。イールドスプレッドは以前より縮小気味となっており、割安感は払しょくしてきている。米長期金利の動向が重要なポイントとなっている。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.319%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、

              19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%

・9月20日:▲2.199%⇒9月23日予想▲2.196%

 

NASDAQはわずかに下落したものの、米長期金利がわずかに上昇したことで、イールドスプレッドが前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.319%から▲0.123%かい離した。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+0.017%上回った。さらに、19年6月3日の大底となった▲2.328%に対して▲0.132%下回った。さらに、19年8月5日の大底となった▲2.383%から▲0.187%と19年8月15日の大底となった▲2.498%から再び▲0.302%かい離した。

 

NASDAQのイールドスプレッドは以前よりは縮小してきており、割安感は薄れつつある。そのため、利益確定売りも出やすくなり、上値を抑える可能性がある。NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。

 

三指数のイールドスプレッドは米長期金利がわずかに上昇したことから、株価指数はまちまちだったものの若干縮小する傾向となった。イールドスプレッドは以前より割安感が薄れてきており、株価の上値が重くなる可能性も出てきている。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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