FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:強弱まちまちの材料に方向感欠く展開

NYダウは14.92ドル高の26949.99、ナスダックは5.21ポイント安の8112.46で取引を終了した。中国代表団の米農場視察中止の報道により、米中協議をめぐる先行き不透明感が広がったほか、ユーロ圏の9月PMI速報値が低調だったことを受けて売りが先行したものの、同月の米製造業PMI速報値が予想を上回ったことが好感されて徐々に買い戻しが優勢となった。ただ、同月の米サービス部門PMI速報値が予想を下回ったこともあって、戻りは限定的だった。VIX指数は15.32から14.91へ低下した。

 

NY外国為替市場:目先の新たな材料乏しく方向感を欠く展開

ドル/円は、米中貿易協議の先行き不透明感が根強いことに加えて、ユーロ圏景気の減速懸念が広がり円買い・ドル売りが入ったものの、安く始まったNYダウが持ち直すと下げ渋った。一時は1.66%台まで低下した米長期金利が1.73%台まで上昇したことも相場の下支え要因となった。もっとも、NY時間の安値は107.35円、高値は107.55円で値幅は20銭程度と小さかった。市場では『日米の金融政策決定という大きなイベントを通過し、目先の新たな材料にも乏しく大きな方向感が出なかった』との指摘があった。

ユーロ/ドルは、欧州市場では仏や独、ユーロ圏の9月製造業・サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値が低調な内容となったことを受けて一時1.0966ドルと12日以来の安値を付けた。ただ、NY市場では下げ渋る展開になった。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入り一時1.1000ドル付近まで下げ幅を縮める場面があった。なお、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は欧州議会で『ユーロ圏の成長力は著しく減退した』『ユーロ圏経済は回復の目処が立っておらず、製造業の長引く低迷は経済全般に悪影響を及ぼしかねない』『ECBはあらゆる措置を講じる用意がある』などと述べたが、相場の反応は限られた。

 

NY原油先物市場は上昇:中東リスクを意識した買い優勢

NY原油先物市場は上昇した。米国とイラン間の緊張の高まりを背景に週明けの原油相場は買いが先行して始まった。欧州時間に入ると、サウジアラビアの供給不安を解消するニュースを受けて、高値から2ドル近く下落した場面もあった。もっともNY勢の本格参入後は、イラン高官の米国に対する強硬姿勢などで再び中東リスクが意識され、原油相場は底堅く推移した。

 

NY金先物市場は続伸:金買い材料多く下支え

NY金先物市場は1517.90-1534.40ドルのレンジ相場となった。低調な9月独製造業PMIを受けて欧州経済の減速懸念が高まり、安全資産の金に資金が集まった。米中通商協議やブレグジットを巡る英EU交渉の不透明感、米イラン対立への警戒感など、金相場の支えとなる要因が目立った。NY勢の本格参入後も米長期金利低下とともに金先物は上値を伸ばした。 

 

米国債券市場は横ばい:欧州国債に連れた買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは横ばいだった。米10年物国債利回りは前営業日比と同じ1.72%で取引を終了した。低調なユーロ圏経済指標を受けて欧州国債が買われると米国債にも買いが波及したものの、9月米製造業PMI速報値が予想を上回ると米景気の減速懸念が和らぎ値を消した。 

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