FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:引けにかけて持ち直す

NYダウは36.28ドル高の27147.08、ナスダックは8.62ポイント安の8177.39で取引を終了した。米連邦公開市場委員会(FOMC)で今後の緩和の道筋が明確に示されなかったことが嫌気されて一時200ドル超下落したものの、パウエルFRB議長がFOMC後の会見で『今後の政策方針は経済の進展次第』としながらも『経済が弱まれば、さらなる連続利下げが必要になる可能性もある』『不透明性が存在し、予想より早くバランスシートを拡大する可能性もある』と述べると買いが優勢となり、上げに転じた。注目のFOMCでは大方の予想通り、政策金利が引き下げられたものの、連銀高官の間で利下げへの意見が分かれたことが明らかとなり、次回利下げへの懐疑的な見方から発表後に下落したが、その後は引けにかけて下げ幅を縮小した。VIX指数は14.44から13.95へ低下した。

 

NY外国為替市場:追加緩和期待がやや後退でドル買い

ドル/円は、FOMC結果公表を前にしばらくは108円台前半でのこう着状態が続いていたが、FOMC後は円売り・ドル買いが優勢となり、一時108.48円と8月1日以来の高値を更新した。米連邦準備理事会(FRB)は今日まで開いたFOMCで、市場の予想通りFF金利の誘導目標を0.25%引き下げ1.75-2.00%にすると発表した。メンバーの政策金利見通しでは2019年と20年は追加利下げを見込んでいないことが明らかになり、追加緩和期待がやや後退した。米長期金利が上昇に転じたタイミングで全般ドル買いが優勢となった。ただ、17人のメンバーの内7人は年内にあと1回の利下げが適切との見方を示しており、今後の追加緩和の必要性を巡っては当局者の間で意見が割れた。そのためドル買いの勢いは緩やかだった。

ユーロ/ドルは、米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが先行し一時1.1068ドル付近まで買われる場面もあったが、FOMC後はさえない展開になった。FOMCは市場予想通り利下げを決定したものの、今後の利下げに関しては明言しなかった。市場関係者からは『マーケットにはややタカ派的との解釈が徐々に広がった』との声が聞かれ、一時1.1014ドルまでユーロ安・ドル高が進んだ。もっとも、パウエルFRB議長が金融緩和に柔軟な姿勢を見せると、全般ドル高が一服しユーロドルも下げ渋った。 

 

NY原油先物市場は続落:原油在庫増を嫌気した売り

NY原油先物市場は57.67ドル‐9.43ドルのレンジ相場となった。昨日に攻撃を受けたサウジアラビアの石油施設の復旧が想定より早いとの見通しが示されたことを背景とした原油の売りが継続した。米エネルギー情報局(EIA)が発表した原油在庫は減少予想に反して105.8万バレルの増加と、5週ぶりに積み増しとなった。在庫統計への反応は限られたが、上値を圧迫する要因となった。 

 

NY金先物市場は小幅高:早期追加利下げ観測後退で売り

NY金先物市場は1490.70-1519.50ドルのレンジ相場となった。FOMC会合の結果判明を控えてポジション調整的な買いが入ったことで通常取引では1519.50ドルまで買われた。しかしながら、FOMC声明で『見通しは、追加利下げの必要性に関する見解が分かれていることを示している』との見解が表明されたことから、早期追加利下げ観測は後退したことで、金先物は通常取引終了後の時間外取引で1490.70ドルまで反落する場面があった。

 

米国債券市場は続伸:FOMC後に売られる

米国債券市場で長期ゾーンは3日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)1.79%で終了した。FOMCを控えてポジション調整目的の買いが先行したものの、FOMCで今後の緩和の道筋が明確に示されなかったことが分かると一転売りが優勢となり値を消した。 

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