★NY株式市場では、三指数はまちまちの動きとなった。ただ、米長期金利が大幅上昇したことでイールドスプレッドは三指数とも縮小傾向が続いている。そのため、割安感は払しょくされてきており、上値が重くなる可能性も高まっている。
NYダウは、5日SAMがサポートラインとなり短期的には上昇トレンドが継続している。ただ、米長期金利の上昇が継続するようなら、割安感が軽減してきていることから下落調整しても不思議ではない。また、ロウソク足も『十字線』になってきており相場の上値の重さが示されている。下落基調場面では、5日SMAの27,057ドル、10日SMAの26,769ドル、75日SMAの26,449ドル、100日SMAの26,329ドルがサポートラインとして意識される。
★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.419%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、
19/8/5-▲4.102%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・9月12日:▲3.683%⇒9月13日予想▲3.551%
9月13日はNYダウは上昇し、米長期金利も大幅上昇したことから、イールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.419%から▲0.868%スプレッドがかい離した。19年1月3日の大底▲4.226%を▲0.675%とかい離した。19年6月3日の大底4.038%を▲0.487%、19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.551%とかい離した。
NYダウが上昇したことで株式益利回りは低下した。また、米長期金利も上昇たことで、イールドスプレッドは前日比では縮小した。米国債に対してNYダウが前日比で割高となった。前日比ではNYダウを買うよりも米国債を買った方が良いということになる。イールドスプレッドは米長期金利の急上昇によりイールドスプレッドは縮小してきており、割安感は払しょくされてきている。今後も、米長期金利が上昇するようなら、NYダウに過熱感が出やすくなるので注意が必要となる。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.745%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、
19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%
・9月12日:▲3.624%⇒9月13日予想▲3.501%
S&P500は小幅下落したものの、米長期金利が大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.745%から▲0.244%と平均値とかい離した。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%に対して▲0.368%と下回った。19年6月3日の大底となった3.881%から▲0.380%とイールドスプレッドとかい離した。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%とは▲0.501%と19年8月15日の▲4.179%も▲0.678%とかい離した。イールドスプレッドは縮小してきており、割安感が払しょくしてきている。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.257%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、
19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%
・9月12日:▲2.075%⇒9月13日予想▲1.958%
NASDAQは下落したものの、米長期金利が大幅上昇したことで、イールドスプレッドが前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.257%から▲0.299%かい離した。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.221%下回った。さらに、19年6月3日の大底となった▲2.328%に対して▲0.370%下回った。さらに、19年8月5日の大底となった▲2.383%から▲0.425%と19年8月15日の大底となった▲2.498%から再び▲0.540%かい離した。
NASDAQのイールドスプレッドは縮小してきており、割安感は薄れつつある。そのため、利益確定売りも出やすくなり、上値を抑える可能性がある。NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。
三指数のイールドスプレッドは米長期金利の上昇から、縮小傾向が継続している。米中貿易摩擦激化懸念の後退から、米長期金利が上昇基調になったことでイールドスプレッドも縮小傾向にある。イールドスプレッドは日々割安感が薄れてきており、株価の上値が重くなる可能性も出てきた。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
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