FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:買い材料乏しく小動き

朝方は米国株が反発した流れを引き継いで上昇したが、その後は追加の買い材料が見当たらず、マイナス圏へ転換した。米中貿易摩擦による世界景気の鈍化懸念も残る中、NYダウ先物の軟調推移やドル/円のじり安などをにらんで下げ幅を拡大し、一時100円超に拡大した。しかし、後場に買い戻され下げ幅を縮小した。結局、前日比181円安の2万0460円と小反落で終了した。

 

東京外国為替市場:105円台後半で底堅い展開

ドル/円は、米中貿易摩擦が長期化するとの懸念から調整色が強まり、105.77円近辺まで下落した。日経平均株価の下げ幅拡大や米長期金利の低下も、ドル売り・円買いにつながった。しかし、今晩の米経済指標を見極めたいとの雰囲気から下げは一服し、105.90円近辺まで値を戻した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、105.90円を挟んでもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.10ドル台後半で小幅な値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

英国議会停会なら合意なき離脱の可能性高まる

英政府は欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)計画を議会に妨げられるのを回避するため、10月14日まで約1カ月にわたり議会を停会することを模索する。BBCが報じた。ガーディアン紙もこうした動きを伝えた。議会停会は、ジョンソン首相の合意なきEU離脱を阻止しようともくろむ議員の議会活動時間を制限することになる。英野党は27日、EUからの合意なき離脱を回避するため、ジョンソン首相に離脱延期申請を義務付ける法案の可決を目指すと表明した。ガーディアンの政治エディター、ヘザー・スチュワート氏がツイッターで明らかにしたところによると、議会の開会期間を制限する政府の動きを巡る会合は、28日にスコットランド・バルモラルにあるエリザベス女王の別荘で開かれる予定。バッキンガム宮殿はコメントを避けた。

 

トルコリラは足もとでは下落圧力強まる

今月に入って以降の国際金融市場では、米中摩擦の再燃や世界経済の減速懸念に伴い、新興国を取り巻く環境悪化が懸念される。ただし、昨年の政治要因を契機に下落したトルコ・リラは比較的落ち着いた動きが続いたが、足下では一転下落圧力が強まっている。インフレの高止まりにも拘らず中銀が事実上の金融緩和に動いたほか、南東部の3市長に対する職務停止を受け、イスタンブール市長が解任に追い込まれるとの観測も影響した。なお、27日から訪露中のエルドアン大統領はロシアとの防衛協力などで合意するなど、米国の対トルコ制裁に繋がる懸念も高まっている。経済制裁による直接的な影響は限定的とみられるが、EUなどが同調すれば資金流入が細るほか、リラ相場が急変するリスクもあり、当面リラ相場から目が離せないと言える。

 

トランプ再選シナリオに黄信号:制裁関税で減税効果も帳消し

8月23日に互いに制裁関税の報復合戦を演じたばかりの米中だが、頓挫していた9月の閣僚級協議を開き再交渉が決まった。双方共に2018年の輸入額上限に達した追加関税を引き上げていけば特に中国経済への打撃が甚大となり、米国も世界経済減速による企業の業績悪化や設備投資の鈍化、家計の関税負担の増大など無傷ではいられない。
30年ぶり税制改革で1世帯約800ドル底上げされた個人所得ヘの減税効果も帳消しとなり、トランプ再選シナリオに黄信号が灯る。むろん、米中貿易戦争の長期化に米FRBはゼロ金利への大幅利下げで対応せざるを得ないが、FRB内部の利下げ反対のタカ派攻略でパウエル議長の手腕が問われる。

 

米国市場では4-6月期国内総生産(GDP)改定値が公表

参考となる速報値は前期比年率+2.1%で予想を上回った。輸出や在庫投資は減少したものの、個人消費は予想以上に堅調だった。改定値については、設備投資や住宅建設投資が減少していること、個人消費の上方修正は期待できないことから、速報値の伸びや率をやや下回る可能性がある。

 

欧米イベント

○15:00   4-6月期ノルウェー国内総生産(GDP、予想:前期比0.5%)
○15:45   7月仏消費支出(予想:前月比0.3%)
○15:45   4-6月期仏国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.2%)
○16:00   7月トルコ貿易収支(予想:32億ドルの赤字)
○16:55   8月独雇用統計(予想:失業率5.0%/失業者数変化4000人)
○18:00   8月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲7.1)
○18:00   8月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:102.3)
○18:30   7月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.2%/前年比5.4%)
○21:00   8月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比▲0.1%/前年比1.5%)
○21:00   4-6月期ブラジルGDP(予想:前年同期比0.8%)
○21:30   4-6月期カナダ経常収支(予想:98億カナダドルの赤字)
○21:30   4-6月期米GDP改定値(予想:前期比年率2.0%)
           個人消費(改定値、予想:前期比4.3%)
           コアPCE(改定値、予想:前期比1.8%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.5万件/168万人)
○23:00   7月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比横ばい/前年比1.8%)
○30日02:00   米財務省、7年債入札

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