FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:航空機大手ボーイングがNYダウを押し上げ

NYダウは49.51ドル高の26252.24、ナスダックは28.82ポイント安の7991.39で取引を終了した。堅調なドイツ・フランスの製造業PMIや米小売決算が好感され買いが先行したものの、8月マークイット製造業PMIが節目となる50を下回ったことを受けて株式相場も下落。その後は多くの連銀高官から利下げに否定的な見解が相次ぎ米長期金利が反発したのに伴い、株式相場も下げ幅を縮小したものの、明日のパウエルFRB議長の講演を見極めたいとの思惑から小動きとなった。航空機大手ボーイングが4.8%ほど上昇し、1銘柄でダウ平均を115ドルほど押し上げた。2度の墜落事故を受けて運航停止している新型機『737MAX』を巡り、カウエンの担当アナリストが『運航再開に向けた計画は順調そうだ』との見方を示すと同社株に買いが集まった。VIX指数は15.80から16.68へ上昇した。

 

NY外国為替市場:パウエル米FRB議長講演控え様子見ムード強い展開

ドル/円は、欧州市場では、韓国が日本との軍事情報協定破棄の方針を決定したと伝わり、東アジアの地政学リスクの高まりを懸念した円買い・ドル売りが優勢となり一時106.20円と日通し安値を付けた。ただ、NYの取引時間帯に入ると米長期金利が一時1.6267%前後まで上昇したこともあり、ドル買い戻しが先行し、一時106.64円付近まで値を上げ、アジア時間に付けた日通し高値106.65円に迫った。もっとも、8月米製造業PMI速報値が49.9と約10年ぶりに好況・不況の分かれ目となる50を下回り、予想より弱い内容だったことが分かると一転弱含む展開になった。8月米サービス部門PMI速報値や米総合PMI速報値も低調な内容となり、一時106.32円付近まで押し戻された。その後発表された7月米景気先行指標総合指数は予想より強い内容となったものの、戻りは鈍かった。 

 

ユーロ/ドルは、欧州市場では1.1113ドルの日通し高値まで上げたあと1.1064ドルの日通し安値を付けるなど、やや荒い値動きとなったが、NYの取引時間帯に限れば1.10ドル台後半での狭いレンジ取引に終始した。新規の取引材料に乏しい中、23日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控えて様子見姿勢が広がり、積極的な取引は手控えられた。

 

NY原油先物市場は弱含み:米国の景気減速懸念の可能性を嫌気

NY原油先物市場は54.85ドル-56.46ドルのレンジ相場となった。ユーロ圏、ドイツの企業景況感が市場予想をやや上回ったことから、原油先物は欧州市場で56.46ドルまで買われた。しかし、米製造業・サービス業PMI速報値が市場予想を下回る結果となったことで、景気減速懸念の可能性を嫌気し、上昇していた原油先物価格は発表後から弱含んだ。米株式市場が下げ幅を縮小し、NYダウにいたってはプラス圏に入ると原油先物価格も前日終値を上回る局面もあったが、上値は重く続落して引けた。

 

NY金先物市場は弱含み:大幅利下げ観測後退を嫌気した売り

NY金先物市場は1502.10-1514.60のレンジ相場となった。米製造業・サービス業PMIが市場予想より悪かったことで、金先物価格が買い戻される局面もあった。しかし、一時主要3指数ともマイナス圏で取引されていた米株式市場が持ち直したこともあり、安全資産とされる金先物価格は前日比で下落して引けた。また、米国の大幅利下げ観測は後退しており、安全逃避の金買いは引き続き抑制された。

 

米国債券市場は続落:FRBメンバーの利下げに否定的な発言を嫌気

米国債券市場で長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)1.61%で終了した。ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁とジョージ米カンザスシティー連銀総裁の利下げに否定的な発言を受けて債券売りが出たが、23日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を見極めたいとして、もみ合う場面も多かった。 

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