FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:欧米株安の流れを引き継ぎ売り先行も下げ幅縮小

朝方は欧米株安の流れを引き継いで売りが先行し、一時200円近い下げ幅となった。その後、追随売りが出なかったことが安心感を誘い、前場引けにかけて為替と連動する形で下げ幅を縮小した。市場からは材料が特にない上に為替市場もあまり動いていないため、日経平均は上にも下にも行き難い状態となった。結局、前日比58円高の2万0618円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利上昇でドルは底堅い展開

ドル/円は、米長期金利の上昇や日経平均株価の下げ幅縮小に支えられて、106.50円までじり高となった。NYダウ先物が小幅ながら上昇したことも、リスク回避姿勢を和らげて円売りを誘った。午後もこの流れは続き、106.56円まで上昇した。しかし、米中の貿易摩擦が長期化するとの根強い懸念から上げ幅は一服、106.40円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは1.1095ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

イタリアは今年も長い政治空白に陥る可能性

20日にイタリアのコンテ首相が辞意を表明した。マタレッタ大統領は新たな内閣の樹立を目指すが、容易ではない。新内閣樹立に失敗すると、大統領は議会を解散し、『解散なら70日以内』という10月か11月に総選挙が実施される可能性がある。イタリアでは昨年18年3月の総選挙後の『3ヵ月の政治空白』を経て6月にコンテ氏が新首相に指名、『五つ星運動』と右派『同盟』の2党による連立政権が発足した。昨年に続いて今年も長い政治空白におちる可能性されており、選挙戦に突入すれば過大な財政政策を強調したり、反EUスタンスを強調する可能性がある。イタリア国債に対するクレジットリスクが再認識され、イールドハンティングで膨らんだバブルが弾けるリスクも残るので注意が必要となる。

 

同じ特別行政区でも恵まれているマカオ

マカオ政府の2019年予算には、約187.5億マカオパカタ(1マカオパカタ=13円では2437.5億円)の『富の還元』関連予算が計上された。マカオは世界一のカジノ売上高を誇り、カジノ税という財源を持っている。2008年からマカオ政府は、インフレ対策や富の還元を理由に、その市民に対して現金配布を行っている。その額は、永久居留権保有者には日本円にして約13万円、臨時居留権保有者には約8万円が支給される。くわえて、高齢者への敬老金(約11万円)や毎月支給される養老金(5万円弱)と呼ばれるものもあり、やはり年配者へは厚い配慮だ。また、子育て家族にも優しく、父母同時に申請可能な出産補助金(5万円弱)や幼稚園から小中学生にも教科書補助代として日本円で3万円~4万円も支給される。※1マカオパカタ=13円で計算
同じ特別行政区の香港では大規模な抗議デモが継続されているが、マカオが落ち着いた状況というのも分からないでもない。

 

米国市場では7月中古住宅販売件数が公表

6月実績は527万戸で市場予想を下回った。ただし、販売価格の中央値は前年比で上昇しており、中古住宅市況は特に悪化していないと見られる。7月については、中古物件の供給がやや増えると予想されており、販売件数は6月実績をやや上回る見込みとなる。

 

米国市場では7月30-31日開催のFOMC議事要旨が公表

FRBはこの会合でほぼ10年ぶりとなる利下げに踏み切った。米金利先物市場では9月のFOMCでも追加利下げが確実視されている。米国の2年債と10年債利回りが一時逆転し、米国債相場の動向が近く米国経済が景気後退入りする可能性を示唆した。加えて、世界経済の弱さや貿易の不透明性が成長を引き続き抑制するとの見方が背景となる。市場は年内0.75%の利下げを織り込んだが、トランプ大統領は少なくとも1.00%の利下げが必要だとの主張を繰り返している。一方で、7月FOMCでは2名のメンバーが、米国経済は引き続き順調に成長しており政策金利の据え置きを主張。利下げに反対した。パウエル議長下でのFOMCで最大の反対票数となった。米国最新の小売売上高、雇用統計は引き続き強い結果を示しており、9月会合前の結果も引き続き強い内容となると、再び何人かのメンバーが追加利下げに反対する可能性は残る。FRBが21日に公表する議事録の中で、7月会合では利下げを支持したものの今後何回かの追加利下げに何人のメンバーが前向きであるかを探っていくことになる。

 

欧米イベント

○17:00   7月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.7%/前年比4.4%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:30   7月カナダCPI(予想:前月比0.2%/前年比1.7%)
○23:00   7月米中古住宅販売件数(予想:前月比2.5%/年率換算539万件)
○23:30   EIA週間在庫統計
○22日03:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月30日-31日分)
○日米閣僚級貿易協議(ワシントン、22日まで)
○英独首脳会談(ベルリン)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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