★NY株式市場は三指数とも上昇したことで、イールドスプレッドは縮小したものの、なお割安感は残っている。そのため、何か好材料が出てくると大きく反発しやすい。ただ、米長期金利の低下も一服したことで、金利が上昇してくると割安感を打ち消す可能性もある。そのため、米長期金利の動向が重要ポイントとなる。
★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.616%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、19/8/5-▲4.102%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・8月12日:▲4.077%⇒8月13日予想▲3.940%
8月13日はNYダウは大幅上昇したうえ、米長期金利も大幅に上昇したことで、イールドスプレッドは前日比でに大幅に縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.616%から▲0.676%スプレッドがかい離した。19年1月3日の大底▲4.226%から▲0.286%、19年6月3日の大底4.038%から▲0.098%、19年8月5日の大底▲4.102%から▲0.162%スプレッドがかい離している。NYダウは大幅上昇しうえ、米長期金利も大幅上昇したことで、イールドスプレッドは前日比で大幅に縮小した。
NYダウが上昇したことで株式益利回りは低下した。さらに、米長期金利が大幅上昇したことで、イールドスプレッドは前日比では縮小した。米国債に対してNYダウが前日比で割高となった。前日比ではNYを買うより米国債を買った方が良いということになる。イールドスプレッドが再び4.0%を下回ったことで、NYダウに割安感がやや薄まった。今後も、米長期金利の動向が重要ポイントとなる。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.954%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、19/8/5-▲4.002%
・8月12日:▲4.041%⇒8月13日予想▲3.902%
S&P500が上昇したうえ、米長期金利も大幅に上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅に縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.954%から▲0.052%とスプレッドがかい離した。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%に対して+0.033%、19年6月3日の大底となった3.881%から+0.021%とイールドスプレッドを上回った。19年8月5日の大底となった▲4.002%から▲0.100%とイールドスプレッドはかい離している。イールドスプレッドは縮小したものの、S&P500は割安感が残っている。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.376%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、19/8/5-▲2.383%
・8月12日:▲2.313%⇒8月13日予想▲2.182%
NASDAQは上昇したうえ、米長期金利も大幅上昇したことで、イールドスプレッドが前日比で大幅に縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.376%から▲0.194%かい離している。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+0.003%上回った。19年6月3日の大底となった▲2.328%に対して▲0.146%、19年8月5日の大底となった▲2.383%から▲0.201%のかい離となった。
NASDAQは、イールドスプレッドは大幅に縮小したものの、2.1%台で推移していることから、引き続き割安感が残っている。NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。
三指数のイールドスプレッドは、前日比で大幅に縮小した。しかし、割安感が残っていることから、引き続き買われやすい地合いとなっている。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
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