FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:世界的景気減速懸念の高まりを嫌気

NYダウは22.45ドル安の26007.07、ナスダックは29.56ポイント高の7862.83で取引を終了した。欧米の長期金利が急低下したことを受けて、世界景気の減速懸念が高まると、投資家のリスク回避姿勢が強まり一時580ドル超下げた。ただ、低調な米10年債入札をきっかけに米長期金利が上昇に転じると急速に下げ幅を縮め、上昇に転じる場面もあった。個別ではコカ・コーラやマクドナルドなど景気の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄が買われた。 VIX指数は20.17から19.49へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇で行って来い相場

ドル/円は、米中貿易摩擦が激化・長期化し、世界経済の先行き不透明感が増す中で、ニュージーランドやインド、タイの中央銀行がこの日、政策金利の引き下げを相次いで決定した。このため前日にいったん和らいでいた市場のリスクオフムードが再燃し、米国株安と米国債高につながった。米国株安に伴う円買い・ドル売りと米金利低下を受けた円買い・ドル売りが入り一時105.50円と1月3日以来の安値を付けた。
 ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。一時は580ドル超下落したNYダウがプラス圏を回復したほか、低調な米10年債入札をきっかけに米長期金利が上昇に転じたため、ドル円にもショートカバーが入った。日経平均先物が2万0200円から2万0640円まで急速に持ち直したことも相場の支援材料となり、106.27円付近まで値を戻して引けた。なお、トランプ米大統領はツイッターで『我々の問題は中国ではない。米連邦準備理事会(FRB)だ』『FRBは大幅で迅速な利下げを実施するべき』との考えを示したほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するエバンズ米シカゴ連銀総裁は『リスクが増大しており追加緩和が必要になる可能性がある』などと述べた。

 

ユーロ/ドルは、米10年債利回りが一時1.5931%前後と2016年10月上旬以来およそ2年10カ月ぶりの低水準を付けるとユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.1242ドルと日通し高値を付けた。ただ、前日の高値1.1250ドルがレジスタンスとして意識されると値を消した。入札をきっかけに米10年債利回りが1.7342%前後まで急伸したことも相場の重しとなった。 

 

NY原油先物市場は大幅続落:米中貿易摩擦の激化から需要の減退思惑で売り

NY原油先物市場は50.52ドルー53.77ドルのレンジ相場となった。米中貿易摩擦の激化を背景に景気減速がエネルギー需要を減退させるとの思惑でこの日も売りが先行し、米エネルギー省(EIA)週間在庫統計を受けて売りが加速した。在庫統計では原油とガソリンが予想外の積み増しとなり、原油相場の下落に拍車をかけた。しかし、米国株式の下げ幅縮小を受けて原油先物を買い戻す動きが広がった。引け後には『サウジアラビアは原油価格の下落を阻止するためあらゆる選択肢を検討している』との一部報道が伝わった。

 

NY金先物市場は大幅続伸:世界経済の先行き不安から買い継続

NY金先物市場は1484.30-1522.70ドルのレンジ相場となった。6年4カ月ぶりの高値を更新した。米中貿易摩擦の激化を背景に世界経済の先行き不安が高まり、この日もニュージーランドやインド、タイの中央銀行が政策金利を引き下げるなど、各国の中央銀行が緩和姿勢を強めており、金の魅力が高まっている。 ただ、通常取引終了後の時間外取引では、米国株式の反転を意識して金先物は1506.00ドルまで売られている。

 

米国債券市場は反落:低調な10年債入札を受け売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)1.73%で終了した。世界的な景気減速懸念が高まる中、安全資産とされる米国債に買いが先行した。利回りは一時1.5931%前後と2016年10月上旬以来およそ2年10カ月ぶりの低水準を付けた。ただ、10年債入札が『低調』と受け止められると一転売りが優勢となり下げに転じた。 

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