FITS エコノミックレポート

5分足で分かるドル/円欧米市場動向 米中貿易摩擦を懸念して悪材料には敏感!

 

★欧州市場朝方の取引では、中国外務省が米国の追加関税措置に対抗する方針を示したことを受け、欧州株が大幅下落した。米長期金利が低下する中、ドル売りが全般優勢となった。その後、米長期金利の低下が一服となるに連れ、全般的なドル売りの動きも一巡した。ただ、欧州株が総崩れとなる中、ドルの戻りは限定的となった。NYダウ先物が下落したことや、米長期金利が一時1.83%まで低下したことで、リスク回避的な円買いが優勢となった。

 

非農業部門雇用者数変化、失業率ともに市場予想通りの結果となり、平均時給は予想をわずかに上回った。しかし、6月分の雇用者数が下方修正されたことでドル売りで反応した。トランプ大統領が関税の延期か停止することも考えていると報じられたことで、急激なドルの買い戻しにつながった。しかし、買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず、NYダウが100ドル超下落するとドル買いは長続きしなかった。クドロー米NEC委員長が『対中追加関税延期の可能性については何も聞いていない』と述べたことも嫌気された。米長期金利の低下が一服するとドルが買い戻された。しかし、米中貿易摩擦を懸念したリスク回避の動きは継続した。米国株安や金利低下に伴うドル売りで一時106.48円まで下落幅を広げた。引けに掛けては、週末で新規材料に乏しく小動きの展開となった。

 

★欧米主要経済指標

・ユーロ圏・6月小売売上高:前月比+1.1%(予想:+0.3%、5月:-0.6%←-0.3%)
・ユーロ圏・6月生産者物価指数:前年比+0.7%(予想:+0.8%、5月:+1.6%)
・英・7月建設業PMI:45.3(予想:46.0、6月:43.1)

 

・米・7月非農業部門雇用者数:前月比+16.4万人(予想:+16.5万人、6月:+19.3万人←+22.4万人)
・米・7月平均時給:前年比+3.2%(予想:+3.1%、6月:+3.1%)
・米・7月失業率:3.7%(予想:3.6%、6月:3.7%)
・米・6月貿易収支:-552億ドル(予想:-546億ドル、5月:-553億ドル←-555億ドル)
・米・7月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値:98.4(予想:98.5、速報値:98.4)
・米・7月ミシガン大学1年期待インフレ率速報値:2.6%(速報値:2.6%)・米・7月ミシガン大学5-10年期待インフレ率速報値:2.5%(速報値:2.6%)
・米・6月製造業受注:前月比+0.6%(予想:+0.7%、5月:-1.3%←-0.7%)
・米・6月耐久財受注改定値:前月比+1.9%(速報値:前月比+2.0%)
・米・6月耐久財受注(輸送用機除く)改定値:前月比+1.0%(速報値:+1.2%)
・米・6月製造業出荷・資本財(航空機を除く非国防)改定値:前月比+0.3%(速報値:+0.6%)

 

★欧米市場のポイント

・106.48-107.26円のレンジ相場

・独・仏10年債金利が一時過去最低を更新

・米中貿易摩擦を懸念したリスク回避継続

・米7月雇用統計は概ね予想通り

・悪材料に敏感な相場環境

・VIX指数は17.87から17.64へ低下

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