FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:戻り待ちの売り先行後も円安で買い戻し

大幅利下げ期待の後退で前週末の米国株が下落したことが嫌気された。日経平均株価は前週末に大きく上昇した反動もあり、戻り待ちの売りも先行した。一時は150円近い下げとなったが、為替市場で1ドル=108円近辺まで円安に振れると先物に買いが入った。結局、前週末比50円安の2万1416円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は108円を挟んでもみ合い

ドル/円は、FRBによる大幅利下げ観測の後退で、ショートカバーが持ち込まれ108.07円近辺まで上昇した。米長期金利が小幅ながら上昇したことも、ドルの押し上げにつながった。しかし、一部メディアが『中国商務省は、日本やEUなどステンレス製品に伴ダンピング課税を課す』と報じたことから、ドル買い・円売りは一服した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、107.90円台中心とした狭いレンジ内でもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.12ドル台前半で方向感を欠く値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

NY投機筋の原油買越幅は2週ぶり拡大、金も拡大

米商品先物取引委員会(CFTC)が発表した16日時点の建玉報告によると、原油先物買越幅は2週かぶりに拡大して、前週比3万3613枚増の42万3762枚となった。また、金先物の買越幅が2週ぶりに拡大し、前週比738枚多い24万5501枚だった。

 

23日に英国次期首相が決定

英保守党党首選の決選投票結果は22日にまとめられ、23日に英次期首相が決定される。ジョンソン前外相とハント外相の決選は始終ジョンソン氏がリードを守っており、ジョンソン氏の新首相就任はほぼ確実とされている。もっとも、誰が首相になっても英国の欧州連合(EU)離脱問題を軟着陸させるのは難しいとの見方が強いなか、離脱強硬派のジョンソン氏が首相になれば『合意なき離脱』の懸念が高まることで、ポンドは下方向への警戒感は続きそうだ。ジョンソン氏はEUと離脱案で合意できない場合でも、離脱日の10月31日までにEUから離脱すると公約しており、議会の『合意なき離脱』阻止のためにジョンソン氏が新首相に就任した場合、10月に議会を最大2週間休会させる可能性があると報じられている。議会は次期首相が合意なき離脱を強行するために議会を休会にすることを阻止するための修正案を可決した。『合意なき離脱』の実現性が高まれば、議会は『合意なき離脱』を阻止するために、首相を不信任決議案にかける可能性が出てくる。また、離脱を延期するには、国民投票の再実施か総選挙などEUを納得させる策を出す必要がある。ジョンソン氏が新首相に就任しても、離脱をめぐる不透明感は当面続きそうだ。

 

25日のECB定例理事会では追加緩和の地ならしへ

ドラギECB総裁が6月に講演で具体的な追加緩和策に言及し、市場では『利下げは時間の問題』との雰囲気が広がっている。金利引き下げが25日にすぐに決まるとの予想は今のところ少ないものの、政策のフォワードガイダンスでは追加緩和の道筋をはっきり示すとの見方が多い。ドラギ総裁はポルトガルのシントラで開かれたECBの年次フォーラムの講演で、経済・物価を巡る情勢が改善しなければ追加緩和が必要になると発言した。マイナス金利の深堀りや量的緩和の再開など具体策を挙げた。他のECB高官からも追加緩和に前向きな発言が相次いだ。ユーロ域内のインフレ期待の低迷だけでなく、FRBの利下げ観測など外部要因を背景にECBが今後、積極的な緩和策を打ち出す可能性は高まっている。

 

欧米イベント

○17:30   6月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比2.6%)
○21:30   5月カナダ卸売売上高(予想:前月比0.5%)
○24:00   黒田日銀総裁、ワシントンで講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ