FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:大幅下落の反動による買い優勢

海外時間に米国主要3指数が小反発したことで、前日の大幅下落の反動もあり朝方から買い戻しが入った。上海総合株価指数の上昇やNYダウ先物の底堅い動きも投資家心理の支えとなった。市場からは『前日までに600円ほど下落したため、買い戻しが入りやすかった。』との指摘があった。ヘッジファンドなど海外短期筋が先物に買いを入れ現物株を押し上げた。結局、前日比420円高の2万1466円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:株高を横目にドルは小じっかり

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りや、日経平均株価の大幅高に支えられて107.60円近辺までじり高となった。しかし、月末のFOMCにおいて、0.5%の大幅利下げが実施されるとの観測が浮上しているため伸び悩み、107.55円でもみ合う展開となった。午後は、日経平均株価の上げ幅拡大をながめ、107.67円近辺まで上昇した。米長期金利が小幅ながら上昇したことも、ドルの押し上げにつながった。ユーロ/ドルは、1.1260ドル前後で方向感を欠いた値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国リスクは債務残高増加

国際金融協会(IIF)によると、中国の企業・家計・政府の債務総額が今年第1・四半期に国内総生産(GDP)比303%に増加した、と報じた。前年同期は297%だった。 IIFは今週の報告書で『当局は(特に小規模企業向けの)シャドーバンキングを抑制しようとしており、非金融部門の企業債務は削減が進んでいるが、他のセクターの純借り入れにより、中国の債務総額は40兆ドルを超えた。これは世界の債務総額の約15%に相当する』と指摘した。 『注目すべきは、国内の債券発行動向から見て、今年は地方政府と銀行の借り入れが大幅に増えている』としている。

 

英国が景気後退に突入する可能性も

英予算責任局(OBR)は18日、英国が本格的な景気後退に突入する可能性があると指摘、同国の欧州連合(EU)離脱が合意なき離脱となれば、来年度の財政赤字が2倍以上に拡大する可能性があるとの見方を示した。財政の見通しに関する報告書で見解を示した。 OBRは、第2・四半期がゼロ成長となったとみられ、マイナス成長になった可能性もあるとし、EU離脱を控え、年初に在庫を積み増す動きがあった反動が一因とみられると指摘した。ただ『6月の調査は特に弱い内容で、低成長が続く公算が大きい。このため、本格的な景気後退に突入するリスクが浮上している』という。

 

市場は米国の利下げの有無よりも利下げ幅に注目

NY時間でウィリアムズNY連銀総裁が講演で『現在の米国の中立金利は0.5%程度と予想しており、積極的に予防的なアプローチをとるほうが良い』などの見解を示すと、市場は一斉にドル売りに傾倒していくことになった。30-31日のFOMCを控えて、ブラックアウト(関係者の発言などが禁止)となる20日(土)を前に、本来であれば『きちんと市場に当局の意向を伝えておかなければならない』役目があったのは明白である。先物市場での利下げ確率で『0.5%利下げ』が30%前後から65.5%にまで急騰した。つまり、市場は『0.25%よりも0.5%を織込んだ』ことになった。ただ、オセアニア市場に入ってすぐに、NY連銀から『ウィリアムズ総裁の講演内容は、学術的な内容であり、次回FOMCにおける政策行動に関するものではない』との見解がわざわざ表明されるといったサプライズな対応となると、当然のようにドル円は買い戻され流展開となった。要するに、市場の反応が『当局の意向とは違う方向に走ってしまった』ことに対する火消しだった。市場の行き過ぎた金利引き下げ期待を正そうとしたと認識することが出来ます。実際の結果がどうなるのかは当日になってみないと分からないが、少なくとも、市場の焦点が『利下げの有無』ではなく、『利下げ幅』に向いていることは明らかである。ブラックアウト直前の今日、FOMC投票メンバーであるブラード米セントルイス連銀総裁と、ローゼングレン米ボストン例銀総裁の発言が予定されています。

 

米国市場では7月ミシガン大学消費者信頼感指数が公表

6月実績は98.2となった。また、6月のCB消費者信頼感指数は131.3から121.5に低下した。通商、移民問題などを巡って中国、メキシコとの対立が続いていることが嫌気された。7月については多少の改善が予想されいるものの、雇用拡大への期待はやや低下しており、6月実績と差のない数値となる可能性がある。

 

欧米イベント

○15:00   6月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比▲0.2%)
○17:00   5月ユーロ圏経常収支(季節調整済/季節調整前)
○21:30   5月カナダ小売売上高(予想:前月比0.3%/自動車を除く前月比0.4%)
○23:00   7月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:98.5)
○20日00:10   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○20日05:30   ローゼングレン米ボストン連銀総裁、黒田日銀総裁、パネルディスカッションに参加
○21日 参院選投開票

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