FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:早期利下げ観測高まり一転買い戻し

NYダウは3.12ドル高の27222.97、ナスダックは22.04ポイント高の8207.24で取引を終了した。米中貿易摩擦の長期化の懸念や、一部の主要企業決算が嫌気され、売りが先行した。低調な四半期決算を受けてネットフリックスが急落すると、大型ハイテク株に売りが波及し一時150ドル超下げた。ただ、ウィリアムズ米NY連銀総裁やクラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長の発言で早期利下げ観測が高まると、一転買い戻しが優勢となり持ち直した。 VIX指数は13.97から13.53へ低下した。

 

NY外国為替市場:ドル売り材料多く総じて軟調

ドル/円は、7月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数が21.8と予想の5.0を大幅に上回ると円売り・ドル買いが先行し、一時108.01円と日通し高値を付けた。ただ、6月米景気先行指標総合指数が前月比0.3%低下と予想の0.1%上昇に反して低下したことが分かると弱含む展開になった。ウィリアムズ米NY連銀総裁が『積極的に予防的なアプローチをとるほうが良い』と述べたほか、クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長が『不確実性は増しており、早期に動く必要がある』と発言すると、米短期金融市場では月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の利下げを見込む確率が急上昇した。米長期金利の低下とともにドル売りが活発化し、一時107.21円と6月26日以来の安値を更新した。『米軍が中東ホルムズ海峡でイラン無人機を撃墜した』と伝わると、米イラン間の軍事的緊張の高まりが相場の重しとなった面もある。 

ユーロ/ドルは、『欧州中央銀行(ECB)は物価目標の修正を検討』との報道をきっかけに一時1.1205ドルと日通し安値を付けたものの、そのあとは一転上昇した。NY連銀総裁やFRB副議長の発言を受けて、米金利が低下すると全般ドル売りが加速し一時1.1281ドルまで上値を伸ばした。 

 

NY原油先物市場は大幅続落:ポジション調整的な売り優勢

NY原油先物市場は54.72ドル-57.3ドルのレンジ相場となった。昨日の米エネルギー情報局(EIA)が発表した石油在庫統計で、ガソリンの在庫が予想以上の積み増しとなったことを背景に下落した原油はこの日も売りが優勢となった。また、米中貿易摩擦による世界経済の先行き不安も原油の上値を圧迫した。さらにイランがホルムズ海峡で外国タンカーを拿捕したと公表したことを受け、NY原油先物は時間外取引の欧州市場で57.32ドルまで上昇した。その後、積荷が小規模で、14日に燃料密輸の疑いで拿捕されたとの見方が広がったことや、メキシコ湾の産出量拡大の観測が浮上し、ポジション調整的な売りが増えた。

 

NY金先物市場は続伸:リスク回避と米利下げ期待の高まり

NY金物市場は1415.60-1449.70ドルのレンジ相場となった。米中通商協議が長引くとの見方が強いことや、世界的な株安の流れの中で安全資産としての需要が高まり、強い動きを見せた。また、トランプ米大統領は『米海軍の艦船がペルシャ湾のホルムズ海峡でイランの無人偵察機を撃墜した』と述べたことから、安全逃避の買いが一段と広がった。さらに、米国の利下げ期待の高まりで、金の先行観は強かった。

 

米国債券市場は続伸:早期利下げ観測高まり買い優勢

米国債券市場の長期ゾーンでは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)2.02%で終了した。市場予想を上回る米7月フィラデルフィア連銀製造業景気指数をきっかけに売りが先行したものの、ウィリアムズ米NY連銀総裁が早期利下げに積極的な姿勢を示すと一転買い戻しが優勢となった。

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