FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:様子見ムード強く利益確定売り優勢

米中首脳会談を29日に控えて様子見ムードが強く、前日上昇した分の利益確定やポジション調整の売りが出た後も押し目買いが入りにくかった。上海株が軟調地合いとなったことや、ドル/円が107円台半ばに弱含むと、じりじりと値を下げた。結局、前日比62円安の2万1275円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:様子見ムード強く実需筋の動きに振れる展開

ドル/円は、日経平均株価の下げ幅が100円を超えたことや中国株安をながめて107.53円近辺まで下落した。国内輸出企業から月末に絡むドル売り・円買いも観測された。しかし、明日予定されている米中首脳会談のイベントを控えて下げは一服、107.60円を挟んでもみ合う展開となった。午後は、株価をにらみながら107.60円台を中心とした狭いレンジで取引された。手がかり材料に乏しく、週末ということも相まって、積極的な売り買いは目立たなかった。ユーロ/ドルは、1.1365ドル前後で方向感に欠く値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

欧州市場では6月ユーロ圏消費者物価コア指数が公表

5月実績は前年比+0.8%だった。4月のインフレ率は特殊要因でやや高い伸びとなったが、5月分は通常の状態に戻ったことから、インフレ率は鈍化した。6月については物価上昇に寄与する項目は減少すると見られており、インフレ率は5月実績を若干上回る可能性がある。

 

英・仏・独・中・露・EUとイランが協議:協議内容に注目

懸案のイラン情勢では本日ウィーンで、核合意について英仏独中ロ5カ国とイラン、そしてEUが協議する。会合を前に一部報道からは、イラン高官の発言として『イランは、米国の離脱前と同水準の原油輸出が可能になることだけを要求する』が伝わった。イランは核合意について、(米国が離脱したことで)合意を守る義務を負わないとしており、今後の中東の地政学リスクを占う上でも協議内容にが注目点となる。

 

イラン叩きは米国にとって一石二鳥

過去10年石油ガス生産増の1/2が米国であり、消費増の1/3が中国であり、イランの原油がなくなれば石油価格は上昇し米国経済にメリットとなるが、中国経済の『一人負け』を促す。イランとの緊張は、米中貿易戦争による世界経済減速と原油需要減退による原油下落を支える効果があり、今や世界最大の産油国である米国経済及び米株価にとって原油価格1バレル50ドル台後半の安定推移は朗報に他ならない。
事実、米国産石油のシェアは世界の15%を占めるに至り、米国の輸出に占める石油のウエイトは16%にも上る。とりわけ、この10年間の米国の石油増産が際立っており、早晩、サウジを抜いて世界最大の原油輸出国に転じるとみられる。

 

米国5地区連銀製造業指数は軒並み低下

全米の製造業の活動鈍化が明らかになり始めた。5地区連銀の製造業指数がそろって低下した。過去6カ月間で初めてとなる。世界の需要の鈍化や貿易緊張の長期化が製造業セクターに引き続き重しとなっている。米国経済の成長を今後抑制する可能性が示唆された。 最新6月のカンザスシテイ連銀製造業活動は0と、5月4から低下し予想1も下回った。2016年11月以降ほぼ3年ぶり低水準を記録したほか、3カ月連続の低下となった。同地区はカンザス州、コロラド州、ネブラスカ州、オクラホマ州、ワイオミング州に加えて、ミズーリ州やニューメキシコ州の一部が含まれる。その他、NY、フィラデルフィア、リッチモンド、ダラスの連銀製造業指数も軒並み悪化した。

6月:
・カンザスシテイ連銀製造業活動:0(予想1、5月4)
・NY連銀景況指数:-8.6(5月17.8、6カ月平均6.0)
・フィラデルフィア連銀製造業景況指数:0.3(5月16.6、6カ月平均8.7)
・リッチモンド連銀製造業指数:3(5月5)
・ダラス連銀製造業指数:-12.1(5月―5.3、6カ月平均+0.5)

 

米国市場では5月PCEコアデフレーターが公表

4月実績は前年比+1.6%だった。上昇率は1%台後半で推移している。5月については個人消費が特に拡大していないこと、家賃の上昇率は加速していないことから、コアPCEの伸びは4月並の水準にとどまる見込み。

 

欧米イベント

○15:00   5月独輸入物価指数(予想:前月比▲0.2%/前年比▲0.3%)
○15:00   5月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比8.60%)
○15:45   5月仏卸売物価指数(PPI)
○15:45   5月仏消費支出(予想:前月比0.2%)
○15:45   6月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比横ばい/前年比1.0%)
○16:00   6月スイスKOF景気先行指数(予想:94.9)
○16:00   5月トルコ貿易収支
○17:00   6月ノルウェー失業率(予想:2.1%)
○17:30   1-3月期英国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.5%/前年比1.8%)
○17:30   1-3月期英経常収支(予想:320億ポンドの赤字)
○18:00   6月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比1.2%)
○18:00   6月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比1.0%)
○21:00   5月南アフリカ貿易収支(予想:27億ランドの黒字)
○21:30   4月カナダ国内総生産(GDP、予想:前月比0.1%/前年比1.5%)
○21:30   5月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比0.1%)
○21:30   5月カナダ原料価格指数(予想:前月比▲3.0%)
○21:30   5月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.4%)
       5月米個人所得(予想:前月比0.3%)
       5月米PCEデフレーター(予想:前年比1.5%)
       5月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.2%/前年比1.6%)
○22:45   6月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:53.1)
○23:00   6月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:98.0)
○29日04:20   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○29日11:30   米中首脳会談(大阪)
○英仏独中ロとイラン、核合意存続に向け協議(ウィーン)

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