★米国株式市場はまちまち:引けにかけて利益確定売り優勢
NYダウは11.40ドル安の26536.82、ナスダックは25.25ポイント高の7909.97で取引が終了した。ムニューシン米財務長官の発言を受けて米中貿易交渉の進展期待が高まったことや、原油高が好感され買いが先行した。ただ、トランプ大統領が米中首脳会談で進展がない場合に巨額の追加関税を実施すると改めて警告すると上げ幅を縮小した。また、四半期末が近づく中、引けにかけて利食い売りが持ち込まれると下げに転じた。トラベラーズやユナイテッド・ヘルス、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)などが売られた。 VIX指数は16.28から16.21へ低下した。
★NY外国為替市場:誤報でも全般ドル買い戻し
ドル/円は、ムニューシン米財務長官はこの日、CNBCテレビのインタビューで、米中貿易交渉について『交渉が頓挫する前は妥結まで約90%のところまで来ていた。合意達成への道筋はある』などと発言した。28-29日の20カ国・地域(G20)首脳会議(G20大阪サミット)に併せて予定されている米中首脳会談で、両政府が貿易交渉を再開することに期待を示した。米中閣僚級協議は5月10日を最後に途絶えており、その後対立が激化している。対話を再開すれば最終的に妥協点を見いだせると主張した。米財務長官の発言を受けて、市場の神経質なムードが後退すると米長期金利の上昇とともに円売り・ドル買いが優勢となり一時107.85円まで値を上げた。その後、複数の通信社が米財務長官の発言は『過去のものだった』と訂正したことで上値を切り下げた。
なお、トランプ米大統領は米FOXビジネスのインタビューで『米中会談で貿易協議が不調に終われば、制裁関税第4弾を発動する』と改めて警告した。『米国は中国と合意するかもしれないが、現状でも満足』などと発言した。また、トランプ氏はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が『良い仕事をしていない』と批判した。自国通貨を切り下げている国と米国が競争できるよう、FRBに対し利下げを実施するよう再度呼び掛けた。
ユーロ/ドルは、米中貿易摩擦の行方をめぐる楽観的な見方を背景に米長期金利が2.05%台まで上昇するとユーロ売り・ドル買いが先行し、一時1.1348ドルと日通し安値を付けた。ただ、前日の安値1.1344ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢になたt。200日移動平均線が位置する1.1346ドル付近も重要なサポートとして働き、一時1.1391ドルと日通し高値を付けた。原油先物価格の上昇を背景に資源国通貨高・ドル安が進んだ影響も受けた。
★NY原油先物市場は大幅反発:原油在庫の大幅減少で買い優勢
NY原油先物市場は58.65ドル-59.93ドルのレンジ相場となった。米石油協会(API)発表の原油在庫が大幅減少したことや、米中貿易協議の進展期待で買いが先行した。米エネルギー省(EIA)が発表した原油在庫が1278.8万バレルの取り崩しと、市場予想より大幅に減少した結果を受けて買いが加速した。
★NY金先物市場は反落:米早期利下げ期待後退を嫌気
NY金先物市場は1405.00-1427.90ドルのレンジ相場となった。米早期利下げ期待がやや後退し、米長期金利が上昇したことや、米中通商協議への期待感を背景に安全資産の金に売りが入った。
★米国債券市場は反落:米中貿易交渉の進展期待から売りが優勢
米国債券市場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.06%高い(価格は下落)2.04%で終了した。ムニューシン米財務長官の発言を受けて米中貿易交渉の進展期待が高まると、安全資産とされる米国債に売りが出た。
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