FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:利益確定売りに押される展開

NYダウは14.17ドル安の26048.51、ナスダックは0.60ポイント安の7822.57で取引を終了した。米国による対メキシコ制裁関税の発動見送りや中国による新たな景気刺激策への期待などを背景に買いが先行した。NYダウは一時180ドル超上げた。しかし、トランプ大統領が6月下旬に開催予定の主要20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて米中首脳会談で何らかの合意が無ければ、中国からの輸入品に対する追加関税を発動すると発言した一方で、中国政府は会談開催について言及しておらず、対立への懸念から引けにかけて上げ幅を縮小し、小動きとなった。前日までの6日続伸で1247ドル程度上げているだけに、目先の利益を確定する目的の売りが入りやすかった。VIX指数は15.94から15.99へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米国株失速と米長期金利低下でドル売り

ドル/円は、中国政府がインフラ投資の資金調達を支援する方針を示したことで、アジアや欧州の株式相場が上昇した。そのため、投資家のリスク志向が改善し円売り・ドル買いが先行し、一時108.80円と日通し高値を付けた。ただ、一時は180ドル超上昇したNYダウが下げに転じると円買い・ドル売りが優勢になった。米3年債入札が堅調だったと受け止められ、米長期金利が低下したことも相場の重石となり、一時108.42円付近まで下押しした。もっとも、アジア時間に付けた日通し安値108.35円を下抜けることは出来なかった。

ユーロ/ドルは、トランプ米大統領が『ユーロとその他の通貨はドルに対して下落するよう誘導されているため、米国はひどく不利な立場に置かれている。米政策金利はあまりにも高い、馬鹿げた量的引き締めに追い打ちをかけている』とツイートしたことを材料にユーロ買い・ドル売りが先行した。米長期金利の低下に伴う買いも入り一時1.1337ドルと日通し高値を付けた。

 

NY原油先物市場は小反発:世界原油需要の伸び鈍化見通しを嫌気

NY原油先物市場は52.91ドル-54.04ドルのレンジ相場となった。アジア・欧州金融市場がリスク選好地合いに傾く中で、原油先物も時間外から買いが強まり、WTI7月限は54ドル台を一時回復した。もっともNY勢が本格参入すると売り戻し優勢となり、上げ幅を大きく削って引けた。6月下旬のOPEC加盟・非加盟国の会合を前に、ポジション調整の売りが上値を抑えた。米エネルギー省(EIA)月報で、19年の世界原油需要の伸びが鈍化すると指摘されたことも売りに繋がった。 

 

NY金先物市場は小幅高:トランプ大統領発言でユーロ反発による買い

NY金先物市場は1323.60-1333.80ドルのレンジ相場となった。アジア・欧州株式市場は堅調となり、リスク志向の改善に時間外の金先物は売りが先行した。もっともNY勢参入後は、トランプ米大統領の発言『ユーロなどの通貨がドルに対して下落し、米国は大きな不利益を被っている』をきっかけにドルは対ユーロでじり安となり、ドルの代替資産とされる金は買い戻された。 また、この日発表された5月の米生産者物価コア指数(コアPPI)は前月比+0.2%、前年比では+2.3%となった。インフレ率の鈍化を示唆する数値ではなかったものの、長期債利回りは伸び悩んだことから金先物は下げ渋った。

 

米国債券市場は小反発:米国株の失速で買い戻し

米国債券市場で長期ゾーンは小反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)2.14%で終了した。高く始まった米国株相場が失速したことで債券買いが優勢となり上げに転じた。米3年債入札が好調な結果となったことも債券買いを促した。
 

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