FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで4月12日の米国株市場を先取り!

 

4月11日(木)の米国3市場は、NYダウ:14.11ドル安の26,143.05ドル、S&P500:0.11ポイント高の2,888.32ポイント、NASDAQ:16.88ポイント安の7,947.36とNYダウとNASDAQは下落したものの、S&P500は小幅上昇した一方、米長期金利は、再び2.500%を回復出来なかったが2.497%へ上昇(価格は下落)した。『10日付けPERと株価から逆算』して4月11日付け予想PER計算すると、NYダウ:17.48倍、S&P500:17.93倍、NASDAQ:24.44倍と、NYダウとNASDAQは前日比PERで低下したが、S&P500は横ばいとなった。2011年4月21日以降の平均値は、NYダウ:15.01倍、S&P500:16.60倍、NASDAQ:21.78倍で現在3指数とも大幅に上回っている。このPERを基に11日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.224%、S&P500:▲3.080%、NASDAQ:▲1.595%と、三指数ともにイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。

米長期国債金利は、3月米卸売物価指数(PPI)が予想より強い内容だったうえ、前週分の米新規失業保険申請件数が約50年ぶりの低水準を付けたことを受け、米国債には売り(価格は下落)が集まった。米30年債入札が『低調』と受け止められたことも相場の重しとなった。

米国株は概ね横ばいだったが、米長期金利が上昇したことで、イールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。

 

昨年12月3日の高値時のイールドスプレッドを参考にする。12月3日に戻り天井となり下落基調となった。NYダウ:▲3.069%、S&P500:▲2.731%、NASDAQ:▲1.198%だった。

 

11日(木)のNYダウの予想イールドスプレッドは前日▲3.250%⇒▲3.224%となり縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。1月3日の直近割安となったイールドスプレッドの▲4.226%から1.002%に拡大(米国株に割高感)している。また、12月3日の戻り天井となった12月3日の▲3.069から0.155%へ縮小してきている。NYダウは、米3月生産者物価指数が予想を上振れたほか、週間新規失業保険申請件数が49年ぶりの低水準となり、買いが先行した。しかし、明日12日からJPモルガン・チェースとウェルズ・ファーゴが先陣を切る形で米大手企業の決算発表が本格化する。市場では様子見ムードが広がり、大きな方向感は出なかった。個別ではユナイテッドヘルス(4.31%安)やウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(1.96%安)などヘルスケア銘柄が売られた半面、ボーイング(1.43%高)やウォルマート(1.20%高)などが買われた。ナスダックは、前日に約半年ぶりの高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが出た。 VIX指数は13.30から13.02へ低下した。

 

S&P500の予想イールドスプレッドは前日▲3.109%⇒▲3.080%となり、イールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。1月3日のイールドスプレッド▲3.869%から0.789%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の2.731%から▲0.349%へ縮小してきている。

 

NASDAQの予想イールドスプレッドは、前日▲1.615%⇒▲1.595%となり、イールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。1月3日のイールドスプレッド▲2.179%から0.584%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の▲1.198%から▲0.397%へ縮小してきている。

 

テクニカル的には、NYダウは、5日SMA、10日SMAがサポートとして意識されていたが下抜けると、一転してレジスタンスとして上値を抑えている。5日SMAも下向きとなってきており、短期的には下落基調となってきた。下値では25日SMAの25,905ドルがサポートラインとして意識される。一目均衡表では、転換線を下抜け相場の方向性を示す基準線が再び横ばいとなってきていることで、相場に不透明感が出てきた。

 

S&P500は、辛うじて5日SMAの2,888ポイントがサポートラインとして意識されている。下抜けると10日SMAの2,876ポイントが意識される。また、一目均衡表では転換線の2,841ポイントがサポートラインとして意識される。ただ、基準線は横ばいとなってきていることで、相場に不透明感が出ている。

 

NASDAQも、5日SMAの7,943ポイントが辛うじてサポートラインとして意識されている。ただ、10日SMAが上向きは維持していることで、短期的には依然として上昇基調を維持している。一目均衡表では、転換線の7,765ポイントの上方に位置しており基準線もわずかに上向きとなっていることから、三指数の中では一番強い相場となっている。

 

ストキャスティクス(パラメータ:14、5、3、20、80)では、三指数とも過熱感が出ている。また、NYダウは%Kが%Dを下抜けして両線とも下向きとなってきた。S&P500は高値圏で横ばいとなっており、方向性を欠く展開となっている。ただ、NASDAQは%Kが%Dを上抜けており、上昇基調を維持している。本日から1-3月期の米企業の決算発表が始まることで、米国株市場では様子見ムードが広がっている。一方、米国では決算発表までは自社株買いを控えることから、悪材料が出ると買い方が減少している中大きく下落しやすい。

 

2011年4月21日以降のイールドスプレッドの平均値のNYダウ:4.202%、S&P500:3.488%、NASDAQ:2.027%も下落時の節目となりやすい。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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