FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで3月28日の米国株市場を先取り!

 

3月27日(水)の米国3市場は、NYダウ:32.14ドル安の25,625.59ドル、S&P500:13.09ポイント安の2,805.37ポイント、NASDAQ:48.15ポイント安の7,643.38と三指数ともに下落した。一方、米長期金利は、再び金利が低下し2.40%割れとなる2.373%に低下(価格は上昇)した。『26日付けPERと株価から逆算』して3月27日付け予想PER計算すると、NYダウ:16.97倍、S&P500:17.38倍、NASDAQ:24.19倍と、三指数ともに前日比でPERは低下した。2011年4月21日以降の平均値は、NYダウ:14.99倍、S&P500:16.59倍、NASDAQ:21.77倍で現在3指数とも大幅に上回っている。このPERを基に27日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.520%、S&P500:▲3.381%、NASDAQ:▲1.761%と、3指数ともにイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)となった。

米長期国債金利は、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の利上げ時期先送り発言を受けて、欧州国債利回りが低下。米国債にも買い(金利は低下)が波及した。利回りは一時2.3507%前後と2017年12月中旬以来約1年3カ月ぶりの低水準を付けた。

米長期金利の低下に加え、米国株が下落したことでイールドスプレッドは大幅に上昇した。

 

昨年12月3日の高値時のイールドスプレッドを参考にする。12月3日に戻り天井となり下落基調となった。NYダウ:▲3.069%、S&P500:▲2.731%、NASDAQ:▲1.198%だった。

 

27日(水)のNYダウの予想イールドスプレッドは前日▲3.466%⇒▲3.520%となり拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。1月3日の直近割安となったイールドスプレッドの▲4.226%から0.706%に拡大(米国株に割高感)している。また、12月3日の戻り天井となった12月3日の▲3.069から0.451%へ縮小してきている。NYダウは、欧州株の上昇などを受けて続伸して始まったものの、買い一巡後は売りが優勢となり反落した。米長期金利の低下を受けて長短金利の逆転(逆イールド)が進み、世界経済への先行き不透明感が一段と強まり売りが広がった。ウォルマートやシェブロン、マイクロソフトなどが売られ、指数は一時230ドル超下げた。ただ、米中貿易交渉や英国のEU離脱の動向を見極めたいとの思惑や、下値を拾いたい向きは多く売りが一巡すると押し目買いなどが入り下げ幅を縮めている。 VIX指数は14.68から15.15へ上昇した。

 

S&P500の予想イールドスプレッドは前日▲3.307%⇒▲3.381%となり、イールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。S&P500も割安感が徐々に払拭されていたが、大幅下落で修正されてきている。1月3日のイールドスプレッド▲3.869%から0.488%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の2.731%から▲0.650%へ縮小してきている。

 

NASDAQの予想イールドスプレッドは、前日▲1.688%⇒▲1.761%となり、イールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。1月3日のイールドスプレッド▲2.179%から0.418%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の▲1.198%から▲0.563%へ縮小してきている。

 

テクニカル的には、NYダウは、5日SMA25,652ドルと10日SMA25,737ドルも下抜けしたことで、25日SMAの25,778ドルとともにレジスタンスとして意識される展開となる。気迷いの『十字線』となっており、相場に気迷いムードが漂っている。下値ではダブルトップネックラインとなる3月11日安値25,208ドルや200日SMA25,186ドルが意識されやすい。また、3月11日安値のネックラインを下抜けするとさらに下落調整基調が続きやすいので注意が必要となる。

S&P500は、25日SMA2,799ポイントをがサポートとしてし意識され下げ止まる展開となっている。ただ、5日SAM2,816ポイントと10日SMA2,820ポイントがレジスタンスとして意識され上抜け出来ないでいる。再び25日SMAを下抜けると200日SMAの2,756ポイントが視界に入る。

NASDAQも、25日SMAの7,600ポイントがサポートとなり、下げ渋る展開となっている。ただ、5日SMA7,691ポイントと10日SMA7,694ポイントがレジスタンスとして意識され上抜け出来ないでいる。

ストキャスティクス(パラメータ:14、5、3、20、80)では、買われ過ぎ域から、三指数ともに%Kが%Dを下抜け継続している。そのため、下落調整局面が継続している。金利が大きく低下したことから、世界的な景気減速懸念が再浮上してきていることで、基調的には下押しバイアスも根強い。

 

2011年4月21日以降のイールドスプレッドの平均値のNYダウ:4.310%、S&P500:3.587%、NASDAQ:2.064%も下落時の節目となりやすい。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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