FITS エコノミックレポート

欧米市場直前市場コメント!

日経平均株価:米中貿易協議の進展への期待後退で売り優勢

米中貿易協議の進展への過度な期待が後退したことを受け前日NYダウが72ドル安の続落を受けて利益確定売りが先行した。ヘッジファンドや海外短期筋の先物への卯木が現物株を押し下げた。結局、前日比171円安の2万1385円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:狭いレンジ内でもみ合い

ドル/円は、日経平均株価の下落をながめて利食い売りなどが持ち込まれ、110.82円近辺まで下落した。月末に絡む国内輸出企業のドル売り・円買いも観測された。もっとも、前日に米長期金利が上昇し、日米金利差拡大が意識されているため下押しは限られ、110.85円を挟んでもみ合いになった。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら110.80円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、1.13ドル台後半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米FRBは年内にB/Sの正常化を終了することに含み

パウエル米FRB議長が27日に米議会下院金融サービス委員会の議会証言の中で、バランスシート(B/S)の縮小方針について『計画の合意は近く、間もなく(fairly soon)何らかの発表をする』との見解を示した。この日の米国債や米株式市場は目立った反応はなかったが、26日に上院で『年内にB/Sの正常化を終えることを広く支持する』と述べた翌日、踏み込んだ発言が出た。ゴールドマン・サックスは27日付けレポートで『パウエル米FRB議長の証言はB/ Sの正常化が終了すると予想する』との見解を示した。3Q末にFRBの資産総額は3兆7000~8000億ドルになりそうで、長期的な規模に大きな影響はないだろうと指摘した。また、住宅ローン担保証券(MBS)の適度な売却は可能とも予想し、『将来的に償還期間の延長余地を残すため、短期の米国債に移行することが長期的に可能性が高いとみている』と指摘した。

 

米中貿易摩擦の影響が周辺国にも波及

米中貿易摩擦を受けて香港経済の減速が鮮明になっている。香港政府が27日に発表した2018年の実質域内総生産(GDP)は前年比3%増となった。輸出が足を引っ張り、17年の3.8%より落ち込んだ。18年10~12月期の成長率は1.3%と、7~9月期の2.9%を大幅に下回り、16年1~3月期以来の低い水準を記録した。香港政府は昨年夏時点で、18年の成長率見通しを3~4%としていた。貿易戦争の影響が予想以上に広がり、11月に3.2%に下方修正したものの、最終的にこの予想も下回った。19年の成長率は2~3%と予想した。中国経済の減速が続けば、過去10年の平均成長率(2.8%)を下回る可能性も出ている。

 

前日の米国の経済指標結果:住宅市場の弱さを露呈し全般弱めの結果

全米不動産業者協会(NAR)が発表した1月中古住宅販売成約指数は前月比+4.6%となった。伸びは予想+1.0%を上回り、6月来のプラスとなった。上昇率は、2010年10月以降8年ぶり最大を記録した。ただ、前年比では13カ月連続の下落で、住宅市場の弱さを露呈した。 同時刻に米商務省が発表した12月製造業受注は前月比+0.1%と、伸びは4カ月ぶりのプラスに改善したが、予想+0.6%は下回った。米12月耐久財受注改定値は前月比+1.2%と、速報値から修正はなかった。輸送用機器を除いた12月耐久財受注改定値は前月比+0.1%とやはり、速報値から修正はなかった。一方、国内総生産(GDP)算出に用いられる12月製造業出荷・資本財(航空機を除く非国防)改定値は前月比横ばいと、速報値+0.5%から下方修正され、10-12月期GDPの成長を抑制したと見られる。 先に発表された12月前渡商品貿易収支は795億ドルの赤字と、赤字幅は予想736億ドルを上回り過去最大に拡大した。米12月卸売在庫改定値は前月比+1.1%と、鈍化予想に反して、速報値を維持した。

 

米国市場では10-12月期国内総生産が公表

アトランタ地区連銀の経済予測モデル『GDP Now』の試算によると、2月14日ジテンで前期比年率+1.5%にとどまっている。12月の小売売上高が低調だったことが要因となっている。11月の貿易収支が改善したことはプラス材料だが、成長率の押し上げにつながる項目は少ないことから、10-12月期の成長率は前期比年率で2%台にとどまる見込みとなっている。

 

欧米イベント

○15:00   1月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比5.71%)
○15:45   10-12月期スイス国内総生産(GDP、予想:前期比0.4%/前年比1.7%)
○16:00   1月独輸入物価指数(予想:前月比0.2%/前年比1.3%)
○16:00   1月トルコ貿易収支(予想:25億ドルの赤字)
○16:00   2月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比横ばい)
○16:45   1月仏卸売物価指数(PPI)
○16:45   1月仏消費支出(予想:前月比1.0%)
○16:45   2月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.4%/前年比1.5%)
○16:45   10-12月期仏GDP改定値(予想:前期比0.3%)
○17:00   2月スイスKOF景気先行指数(予想:95.0)
○17:30   10-12月期スウェーデンGDP(予想:前期比0.6%)
○18:30   1月南アフリカPPI(予想:前月比0.1%/前年比5.0%)
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○21:00   1月南アフリカ貿易収支(予想:145億ランドの赤字)
○21:00   10-12月期インドGDP(予想:前年同期比6.8%)
○21:00   10-12月期ブラジルGDP(予想:前年同期比1.4%)
○22:00   2月独CPI速報値(予想:前月比0.4%/前年比1.5%)
○22:00   クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○22:30   10-12月期カナダ経常収支(予想:135億カナダドルの赤字)
○22:30   1月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比0.1%)
○22:30   1月カナダ原料価格指数
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.0万件/173.7万人)
○22:30   10-12月期米GDP速報値(予想:前期比年率2.2%)
      個人消費(速報値、予想:前期比3.0%)
      コアPCE(速報値、予想:前期比1.6%)
○22:50   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○23:45   2月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:57.5)
○1日01:00   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○1日03:00   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○米朝首脳会談(ベトナム・ハノイ、最終日)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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