FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:全般様子見ムーと強く小幅な展開

欧米の経済指標下振れや前日のNYダウの反落に投資家心理が弱気に傾いた。利益確定売りが先行するも米中貿易協議の進展期待に押し目買いが下支えとなった。結局、前日比38円安の2万1425円と5日ぶりに反落した。

 

東京外国為替市場:手がかり材料難から値動きの乏しい展開

ドル/円は、手がかり材料難から110.70円前後で方向感に乏しい値動きが続いた。NY時間に予定されているトランプ米大統領と中国の副首相の会談を控え、上下に動きにくくなった。午後は、米中通商協議の進展期待から持ち高調整などのドル買い・円売りが入り、一時110.80円近辺までじり高となった。日経平均株価が下げ幅を縮小したことも円売りを誘った。ユーロ/ドルは、1.1335ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米中貿易交渉は大詰めの交渉再開

ムニユーシン財務長官、ライトハイザーUSTR代表、クドローNEC委員長と、中国の副首相が率いる派遣団との閣僚級協議が21日から22日まで開催される。特に困難な知的財産権問題に取り組む。米国側は強制的な書類の提出を求められるような権利を要請するようだ。 ロイター通信は20日、米国と中国の両政府が貿易協議の決着に向け、知的財産権保護や技術移転強要見直し、為替など中国の構造改革に関して六つの覚書を作成していると報じている。米国の貿易赤字解消を目指し、中国は農産品やエネルギー、半導体を含めた米国産品の巨額購入リストの作成を検討との報道もある。トランプ大統領と習近平国家主席の首脳会談で署名、成立と見られるが、1日の期限を前に大詰めの交渉が再開される。

 

英国のEU離脱先行き不透明感からブラックスワン指数が高止まり

英国のEU離脱期限が3月29日に迫る中、期限延長の可能性が高いものの、事業継続に必要な手続き等が不透明なまま、合意なき『ハードブレグジット』になればEUへの輸出に10%の関税がかかる他、通関手続きが発生する。自動車大手は数時間分の部品しか在庫に持たず、1日に1千台以上のトラックが英欧ドーバー海峡を行き来しておりサプライチェーンが大混乱に陥りかねない。かかる『ハードブレグジット』リスクに従来の販売低迷が背中を押す形でホンダが2022年までに英工場の閉鎖を決めた。
EU離脱を決めた16年の国民投票以降、初の自動車大手の工場閉鎖であり、日本とEU間の経済連携協定(EPA)発効で英国生産の優位性が削がれた側面もある。従業員3500人は解雇する予定で、早くも『英経済への壊滅的な打撃』との懸念が沸き上がっている。 英調査会社LMCオートモーティブは、『ハードブレグジット』の場合、19年の英自動車生産は140万台と『ソフトブレグジット』に比べ-11%減少と予想している。3月29日の離脱期限を控え英経済に壊滅的な打撃を与える『合意なきブレグジット』リスクがブラックスワン指数の高止まりを支えている。

 

米国経済指標にも景気減速懸念の様相が見えてきた

米商務省が発表した12月耐久財受注速報値は前月比+1.2%となった。伸びは11月+1.0%から拡大したものの、市場予想の+1.7%は下回った。変動の激しい輸送用機を除いた指数は前月比+0.1%と11月-0.2%からプラスに改善し8月来で最大の伸びとなった。しかし、市場予想の+0.3%を下回った。 設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の受注は前月比-0.7%と2カ月連続のマイナスとなった。企業は設備投資に消極的になっている証拠となった。一方、国内総生産(GDP)の算出に用いられるコア資本財の出荷は前月比+0.5%と11月-0.2%からプラスに改善。伸びは市場予想0.0%も上回り、GDPの成長に寄与する。 同時刻に米労働省が発表した先週分新規失業保険申請件数は前週比2.3万件減の21.6万件と、予想以上に減少し、ほぼ1カ月ぶりの低水準となった。失業保険継続受給者数は172.5万人と、前回178万人から減少し、市場予想174.3万人を下回った。 2月フィラデルフィア連銀製造業景況指数は-4.1と、予想外に16年5月以降ほぼ3年ぶりマイナスに落ち込んだ。

 

欧米イベント

○16:00   10-12月期独国内総生産(GDP)改定値(季節調整済、予想:前期比横ばい/前年同期比0.6%)
○16:00   10-12月期独GDP改定値(季節調整前、予想:前年同期比0.9%)
○16:30   10-12月期スイス鉱工業生産指数
○17:30   1月香港CPI(予想:前年同月比2.6%)
○18:00   2月独Ifo企業景況感指数(予想:99.0)
○19:00   1月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比1.4%)
○19:00   1月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比1.1%)
○22:15   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○22:30   12月カナダ小売売上高(予想:前月比▲0.3%/自動車を除く前月比▲0.3%)
○24:00   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○23日00:15   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○23日00:30   ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○23日02:00   クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○23日03:30   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○23日03:30   クオールズFRB副議長、講演
○23日03:30   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、パネルディスカッションに参加
○23日04:30~   トランプ米大統領、劉鶴・中国副首相と会談
○米中閣僚級貿易協議(ワシントン、最終日)

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