FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:リスク回避の動きが後退し買い優勢

NYダウは746.94ドル高の23433.16、ナスダックは275.35ポイント高の6738.86で取引が終了した。米中両政府が7-8日に貿易問題を巡る次官級協議を開くことが決まると、米中通商摩擦に対する懸念が後退した。また、良好な12月米雇用統計も投資家心理の改善につながり、大幅高で始まった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が『必要に応じて迅速かつ柔軟に政策を調整する用意がある』『(利上げについて)我々は辛抱強くなれる』との考えを示すと、投資家の不安がさらに後退しリスクを取る動きが優勢になり、一時830ドル超上げた。VIX指数は 25.45から21.38へ低下した。

 

NY外国為替市場:良好な米雇用時計と米国株高を受けドル買い戻し

ドル/円は、米労働省が発表した12月の米雇用統計で、非農業部門雇用者数が前月比31万2000人増と予想の17万7000人増を大幅に上回ったほか、平均時給が予想よりも強い内容だったことが分かると全般ドル買いが先行し、一時108.59円と日通し高値を付けた。ただ、パウエル米FRB議長の発言を受け一転ドルが下落した。全般ドル売りが進んだ流れに沿って、一時108.07円付近まで下押しした。もっとも、ドル円の下値は堅かった。NYダウが一時830ドル超上昇したため、投資家のリスク回避姿勢が和らぎ円売り・ドル買いが進み再度108.59円に面合わせした。なお、トランプ米大統領は閉鎖が続いている政府機関の再開を巡り野党民主党の議会指導部と協議したものの、状況の打開には至らなかった。今後数日間で解決を望むとしながらも『何カ月でも何年でも政府機関を閉鎖する覚悟がある』と強調すると、ドルの反発をやや弱めた。

ユーロ/ドルは、欧州時間に発表された12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が予想を下回ったことでユーロが売られやすい中、良好な12月米雇用統計をきっかけにドル買いが加速し一時1.1346ドルと日通し安値を付けた。ただ、パウエルFRB議長の発言が『利上げ停止の可能性を示唆した』と受け止められると、一転ユーロ買い・ドル売りが優勢になり、1.1418ドル付近まで上昇し、日本時間夕刻に付けた日通し高値1.1419ドルに迫った。 

 

NY原油先物市場は続伸:米中貿易摩擦の期待から買い優勢

NY原油先物市場は、米中通商交渉が進展するとの期待や、欧米株価の反発が世界的な景況の改善を連想させた。景気回復による原油需要の改善を見越した買いが先行した。原油先物は一時49.22ドルと、12月18日以来の高値をつけた。ただ、米エネルギー省(EIA)週間石油在庫(2018/12/28時点)で、原油在庫が+0.7万バレル(前週 -4.6万バレル)と小幅ながら増加に転じたことが上昇幅の縮小につながった。 米国内の石油掘削装置(リグ)稼動数は前週比8基減少の877基となった。

 

NY金先物市場は反落:リスク回避により売りが優勢に

NY金先物市場は、市場予想を上回った米国の12月雇用統計やパウエル米FRB議長のハト派発言を受け、リスク回避の動きが後退したことで売りが優勢となった。また、米中次官級の通商協議開催が発表され、貿易関係改善への期待が高まったことも売り材料となった。さらに、欧米株価の反発もリスク回避の後退につながり、逃避先資産とされる金は売られた。 

 

米国債券市場は反落:米国株の大幅上昇で売り優勢に

米国債券市場で長期ゾーンは6営業日ぶりに大幅反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.12%高い(価格は下落)2.67%で終了した。12月米雇用統計で雇用者数が予想を大きく上回ったほか、賃金の伸びが予想を上回ったことで景気減速懸念が後退し債券売りを促した。米国株が大幅に上昇したことも安全資産とされる米国債の売りにつながった。

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