FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米中貿易摩擦の一時休戦を好感

NYダウは287.97ドル高の25826.43、ナスダックは110.98ポイント高の7441.51で取引を終了した。前週末の米中首脳会談で、米国が中国への追加関税を90日間猶予することで合意した。投資家のリスク選好の意欲が高まり、買い戻しの動きも広がり終日上昇した。キャタピラーやボーイングなど中国向け売上比率が高い銘柄が買われたほか、アップルやマイクロソフトなどハイテク株が堅調だった。VIX指数は18.07から16.44へ低下した。

 

NY外国為替市場:リスクオンでもドルの上値重い

ドル/円は、週末の安値113.34円が目先サポートとして意識されると徐々に買い戻しが優勢になった。米国株の大幅上昇や予想を上回る11月米ISM製造業景気指数が相場の支援材料となり113.70円付近まで値を上げた。1日の米中首脳会談を受けて米中貿易摩擦への懸念が和らいだことから、NYダウの上げ幅は一時440ドルを超えた。
 なお、ムニューシン米財務長官は『トランプ米大統領が対中通商交渉を主導』『中国は人民元の取り決めについてコミットしている』などと述べたほか、クドロー国家経済会議(NEC)委員長は『米国車に対する中国の関税はいずれゼロになるだろう』『米中の通商交渉に対して慎重ながらも楽観的』などと語った。ユーロ・ドルは、欧州市場では『コンテ伊首相は財政赤字目標を対GDP比で1.9-2.0%に設定する用意』との報道をきっかけに買いが優勢となり、一時1.1380ドルと日通し高値を付けた。
 ただ、ニューヨーク市場では、ユーロクロスの下落につれた売りが出て、一時1.1319ドルと日通し安値を付けた。米長期金利が低下に転じ3%を割り込むとユーロ買い・ドル売りがじわりと強まり、1.1364ドル付近まで持ち直す場面もあったが戻りは鈍かった。

 

NY原油先物市場は大幅反発:リスク選好地合いが下支え

NY原油先物は一時53.85ドルまで上昇した。米中首脳会談を終えて貿易戦争への警戒感が後退し、リスク選好地合いの強まりにより原油先物は時間外取引から買いが先行した。カナダ・アルバート州が、供給過剰緩和のため来年からの石油減産命令を下したことも支援材料となった。露・サウジが減産について完全な合意には至っていないことが伝わると、52ドル前半まで上げ幅を縮小する場面はあったが下値での底堅さは変わらなかった。

 

NY金先物市場は大幅反発:米長期金利の低下を好感

NY金先物市場は一時1240.40ドルまで買われた。NY勢が本格参入すると、米長期金利の伸び悩みや原油高を意識した買いが入った。米国株式の大幅上昇を意識して買いは一服したが、『1230ドル近辺には押し目買い興味は残されている』との声が聞かれた。

 

米国債券市場は続伸:FRBの利上げ打ち止めの思惑

米国債券市場で長期ゾーンは3日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)2.97%で終了した。FRBの利上げ打ち止めが近いとの思惑が引き続き相場を支えたほか、急伸して始まった米国株が伸び悩んだことも債券買いを支えた。

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