FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米中首脳会談への期待の買い優勢

週末の米中首脳会談が一定の合意に達するとの期待から短期筋が買い戻しに動き一時上げ幅を100円に迫った。ただ、積極的に上値を追う動きは限られた。結局、前日比88円高の2万2351円と6日続伸して終了した。

 

★東京外国為替市場:月末絡みのドル買いが下支え

ドル/円は、月末に絡む国内輸入企業のドル買い・円売りに支えられ、113.45円付近へ小幅値を上げた。しかし、FRBの利上げ打ち止め時期が想定より早まるとの観測が浮上しており、追随する動きは見られなかった。その後は、日経平均株価の伸び悩みをながめ、113.35円近辺へじり安となった。午後は、週末に予定されている米中首脳会談のイベントを控えて様子見ムードが強まり113.40円近辺でもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、1.1395ドル前後で小動きの展開が続いた。欧州勢待ちの様相となっている。

 

貿易戦争による中国経済の下押し圧力が強まっている

本日発表された中国11月製造業PMI(購買担当者景気指数)が前月比-0.2ptの50.0と3ヶ月連続で悪化し、好不況分岐点「50」丁度へと16年7月(49.9)以来の低水準へ落ち込んだ。米中『貿易戦争』の影響によるもので、特に『新規受注』が前月比-0.4ptの50.4へと悪化し、輸出に限った『新規受注』は前月比+0.1pの47.0と6ヶ月連続で節目「50」を割り込んだ。輸入も同0.5pt低い47.1と5ヶ月連続で50を下回っており、米中『貿易戦争』の影響が中国経済の下押し圧力となって、より顕在化しつつある。中国政府はすでに金融・財政の政策総動員により景気減速に対峙しているが、より一層と内需拡大により安定成長を目指す必要がある。中国経済の減速感が鮮明となってきていることから、今後中国内の不動産価格も押し下げる可能性が高く、近い将来不動産バブル崩壊のトリガーになる可能性もある。

 

欧州市場では11月ユーロ圏消費者物価指数が公表

10月実績(改定値)は前年比+2.2%で2012年12月以来の上昇率となった。エネルギー価格が指数の上昇に寄与した。ただ、10月のコア指数は前年比+1.1%にとどまった。11月については、エネルギー価格の上昇幅がやや縮小すると見られており、需要増による物価への影響は小さいことから、インフレ率は10月実績をやや下回る可能性がある。

 

米国の物価は安定基調:米国金利を押し下げる要因に

米国商務省が発表した10月コアPCE価格指数は前年比+1.8%となり、市場予想+1.9%を下回り、2月来の低水準となった。9月は+2.0%から+1.9%へ下方修正された。10月個人所得は前月比+0.5%となった。伸びは予想+0.4%を上回り、9月+0.2%から拡大、1月来で最大となった。また、10月個人消費支出も前月比+0.6%。伸びはやはり市場予想+0.4%を上回り、3月来で最大となった。
同時刻に米労働省が発表した先週分新規失業保険申請件数は前週比+1万件の+23.4万件と、減少予想に反して、前回22.4万件から増加、5月来で最高となった。失業保険継続受給者数は171万人と、やはり減少予想に反して、前回166万人から増加、年初来で最高となった。 予想を下回ったインフレ指標を受けて米長期金利は低下した。

 

米FOMC議事要旨でパウエルFRB議長の発言を裏付け

FRBは11月7-8日に開催されたFOMCの議事録を公表した。全般的に米国経済は依然強く、財政刺激策の上方リスクや強い消費を認識しているとした。同時に、潜在的なドル高や世界経済の見通しリスク、貿易、企業債務、低いインフレ期待を下方リスクとして認識していると指摘した。また、ほぼ全メンバーがかなり近くの利上げが正当化されるとの見解を示したが、将来の利上げでは、一部のメンバーがタイミングに不透明感を表明した。一部のメンバーはFF金利誘導目標がすでに中立に近いと指摘した。
さらに、声明では『一段の緩やかな利上げ』との文言を削除する可能性を指摘した。今後は、経済指標次第と強調することが必要との指摘も見られた。
パウエルFRB議長やクロリダFRB副議長による最近の講演での、『金利は中立に近づいた』との発言を裏付けた。

 

欧米イベント

○16:00   11月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.1%)
○16:00   10月トルコ貿易収支(予想:5億ドルの赤字)
○16:00   10月独小売売上高指数(予想:前月比0.3%/前年比2.7%)
○16:00   10月独輸入物価指数(予想:前月比0.5%/前年比4.2%)
○16:45   10月仏卸売物価指数(PPI)
○16:45   11月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比▲0.2%/前年比2.0%)
○17:00   11月スイスKOF景気先行指数(予想:99.5)
○18:00   11月ノルウェー失業率(予想:2.2%)
○19:00   10月ユーロ圏失業率(予想:8.0%)
○19:00   11月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比2.0%)
○19:00   メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○20:00   7-9月期ブラジル国内総生産(GDP、予想:前年同期比1.6%)
○21:00   7-9月期インドGDP(予想:前年同期比7.4%)
○21:00   10月南アフリカ貿易収支(予想:22億5000万ランドの赤字)
○21:45   クーレECB理事、講演
○22:30   9月カナダGDP(予想:前月比0.1%)
        7-9月期カナダGDP(予想:前期比年率2.0%)
○22:30   10月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比▲0.5%)
○22:30   10月カナダ原料価格指数(予想:前月比▲5.3%)
○23:00   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○23:45   11月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:58.0)
○G20首脳会議(ブエノスアイレス、12月1日まで)
○12月1日 米中首脳会談

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