FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:前日の米国株上昇につれた買い優勢

前日NYダウが350ドル超の上昇を受け先物への継続的な買いが先行した。ハイテク株中心に見直し買いを誘い一時上げ幅を194円に広げた。結局、前日比140円高の2万1952円と3日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:ドルは底堅く113円台半ば近辺で推移

ドル/円は、日経平均株価が伸び悩むと、持ち高調整などのドル売り・円買いに押されて113.38円まで下落した。早朝にトランプ大統領が、新たな対中関税を発動する可能性に言及したことも、引き続きドルの重石となった。しかし、感謝祭翌週の米サイバーマンデーが好調で、年末商戦の期待が高まっており、下値を追う動きは限られた。午後は、日経平均株価の上げ幅拡大をにらみながら113.50円前後でもみ合いが続いた。今晩のFRBメンバーの講演内容を見極めたいとのムードが広がり、上下に動き難い展開となった。ユーロ/ドルは、イタリア政府が財政赤字目標を引き下げる方向で調整していることが好感され、1.1340ドル台へじり高となった。

 

英国でのEU離脱協定を巡る対応に注目:ポンドは波乱含み

英国市場では、英国内でのEU離脱協定を巡る対応が注目材料となる。25日にはEUが臨時首脳会議を開き、英国のEU離脱合意案を正式了承した。一方で英国内では、メイ首相が推し進めた合意への反発が与野党で拡大した。英議会では12月から来年にかけて離脱合意に関する一連の審議・採決が行われる見通しとなっており、ポンドは承認の進展と反対激化に一喜一憂の不安定さが続きそうである。

 

米12月利上げ観測が残る限りはドルは底堅い展開か

米国市場ではFRB幹部の発言機会が相次ぐほか、29日にはFOMCの議事録(11月7-8日の開催分)が公表される。貿易摩擦や世界経済の減速懸念のほか、最近の原油安と株安などもあり、来年の利上げペース鈍化や利上げ休止が微妙に示唆されると、米債金利低下とドルの下落材料となり得る。ただし、貿易摩擦問題については、今週末に米中の首脳が協議を行う予定となっている。一旦の休戦や追加関税の猶予延期などで歩み寄りがあると、FRBの利上げ障害は一つ除去される。同時にFRBによる12月18-19日のFOMCでは、現状段階で利上げ断行が予測されている。米12月利上げの観測が残る限り、ドル/円はドルの下値余地限定やドルの押し目買い地合い持続が意識されやすい。

 

米年末商戦好調で利上げ継続か

米国の年末商戦が始まった。消費者はよりオンラインでの消費に傾斜していることが明らかになった。投資家の間で、来年の米国経済の成長減速への警戒感が膨らむ中、感謝祭明けの出足もいまいちで、昨年に比べ客足は1%減速した。しかし、オンラインでの売り上げは好調で、24日に明らかになったデータでは、ブラックフライデーの売り上げは前年比23.6%増の62.2憶ドルに達した。アドーブアナリスティクスの調査で明らかになった。ウォールマート、アマゾンといったインターネット小売り100社が調査対象となった。スマートフォーンなどのモバイル機器の売り上げが伸びたほか、家具などの高額承認の売り上げも好調だった。 先に発表された感謝祭当日のオンライン売り上げも前年比28%増の37億ドルに達し、過去最高を記録した。また、感謝歳明けの月曜26日のサイバーマンデーでのオンライン販売も昨年から18%増の78憶ドル規模に拡大する見通しとなった。 投資家の懸念をよそに、小売りは相変わらず好調だった。米国経済をけん引する消費が好調だと、FOMCも利上げを維持する可能性がある。

 

米中首脳会談では一旦の対立緩和期待も

米中のメンツを賭けた対立は根深く、経済冷戦は長期化するという警戒感が強い。一方でトランプ氏からすると、現在は米中貿易対立が米国の株安や米ハイテク企業の収益悪化の一因となっている。トランプ氏の世論支持率の源泉は『景気改善と株高』となっており、このまま景気鈍化と株安が明確化していくと求心力の低下につながってしまう。ただでさえ、11月の中間選挙では下院議会で野党・民主党が過半数を奪還しており、今後の議会運営では政権支持率という世論の味方が重要さを増してきた。しかもトランプ氏の支持者には製造業や軍隊関連などの年金生活者が多く、現状からの一段の株安は年金運用に打撃をもたらす。米国経済は年末商戦の本格化という大事な時期を迎えており、景気の腰折れ回避という意味でも、トランプ氏による『自らの成果アピール』の形で米中貿易摩擦の一旦の対立緩和が期待される。

 

米国市場では11月消費者信頼感指数が公表

10月の実績は137.9に上昇した。同月の期待指数は114.6に上昇し、2000年9月(115.89)以来の高水準となった。11月については、雇用情勢は依然として良好との見方が多いことから、10月実績に近い水準となる見込みとなっている。10月時点でビジネス環境の改善に対する期待が高いことも信頼感指数にとってプラス材料となる。

 

欧米イベント

○16:45   11月仏消費者信頼感指数(予想:94)
○19:00   10-12月期南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数(予想:40)
○22:30   クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○23:00   9月米住宅価格指数(予想:前月比0.4%)
       7-9月期米住宅価格指数
○23:00   9月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比5.3%)
○24:00   11月米消費者信頼感指数(予想:135.9)
○28日01:00   メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○28日03:00   米財務省、5年債入札
○28日04:30   ボスティック米アトランタ連銀総裁、エバンズ米シカゴ連銀総裁、ジョージ米カンザスシティー連銀総裁、討議に参加
○20カ国・地域(G20)財務相代理会合、財務相ワーキングディナー(アルゼンチン・ブエノスアイレス、29日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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