FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:短期筋による先物への売りが重石に

前日のNYダウ395ドル安の大幅反落やハイテク株安が投資家心理を冷やし売りが先行した。昼休み中に上海株が下げ幅を広げて海外短期筋による先物への売りが増え現物株を押し下げた。結局、前日比238円安の2万1583円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は112円半ば近辺での値動き

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均株価の下げ幅縮小に支えられ一時112.66円まで上げた。しかし、先週末に伝わったFRB当局者によるハト派的な発言で、米金利先高観が後退しており、上値を追う動きは限られた。損後は上海総合株価紙数の下落をながめて利食い見られ、112.60円を挟んでもみ合いとなった。午後は、株価をにらみながら112.50円台を中心にした狭いレンジでの展開となった。ユーロ/ドルは、1.14ドル台半ばで方向感に乏しい値動きとなった。欧州勢参入待ちの様相となっている。

 

英国のEU離脱の課題や問題がポンドの上値を抑える要因

報道によると、英国のグレッグ・クラーク民間企業・エネルギー・産業戦略相は19日、英国の欧州連合(EU)離脱後の移行期間について、必要があれば延長を要請する可能性があると述べた。英国は2019年3月29日にEUを正式に離脱する予定だが、移行期間は2020年12月末までの期間となる。英BBCのラジオ番組でクラーク氏は『望めばわれわれの判断で要請することになる』と発言した。一部で指摘されている移行期間の2022年までの延長される可能性について否定しなかった。 なお、一部報道によると、アルトマイヤー独経済相は19日、英国のEU離脱を巡り英国とEUが合意した離脱協定案について、同案に反対する英議員がより受け入れやすい内容に修正するために再交渉することはない、と述べている。識者などは、アルトマイヤー氏の発言(見解)はメイ首相の政治的な立場を強化する可能性があると指摘している。ただ、英首相が交替しても離脱問題が解決されるわけではなく、英国のEU離脱に関連するいくつかの問題・課題がすみやかに解決される保証はないとみられている。外為市場では、ポンド相場の反発を抑える要因としてしばらくの間は意識されることになりそうだ。

 

 

欧州委員会は21日に伊予算案の見解を公表

欧州市場では、イタリア予算案を巡る混迷への警戒が続いている。巨額な財政赤字を計上する伊19年予算案に対し、EUの欧州委員会は21日に見解を公表する予定となっている。すでに16日には『欧州委が制裁を科す手続きに入るよう勧告方向』と報じられており、予算案の承認見送りや制裁、一方での伊政権の反発などがユーロ安やリスク回避の円高要因として注視される。その反面、伊予算案問題については、一旦の織り込みも進捗してきた。21日に欧州委が条件付きで承認したり、判断延期、欧州委と伊政権の一定の歩み寄りなどがあると、材料出尽くしもあってユーロが買い戻される余地をはらむ。

 

FRBの利上げ鈍化思惑や米長期金利上昇一服でリスク回避の動きも後退

米国では原油急落や中間選挙に伴うネジレ議会化と追加減税などの難航リスクがインフレと景気の下押し要因として警戒されており、今週はFRB幹部の発言や米国の経済指標などが注視されやすい。一方で米債金利の一旦の頭打ちは、裏表で米債価格ベースでの底入れと日本勢などによる米債押し目買いを後押しさせる。需給面でドルの下支え要因となるものだ。米10年債金利は前回、5月17日にかけて3.12%方向に上昇したあと、8月末にかけて金利低下と横這い化が続いた。当時のドル/円は5月30日の108.11円前後まで米債金利低下=ドル安となったが、その後は緩やかなドルの下限切り上がりとレンジ安定化へと移行している。同時にFRBの利上げ鈍化思惑や米債金利の上昇一服は、米国や新興国などの株価と景気の下支え要因となり得る。過度なリスク回避に歯止めを掛けることで、クロス円では外貨高・円安、あるいは円高歯止めを支援しやすい。

不安定な米国株から対中貿易交渉の一旦の妥協も

トランプ米大統領は16日、中国が米中の貿易不均衡を是正するため、142項目の行動計画リストを米側に提示したと語った。トランプ氏は『完成度が高い』と評価しており、中国がさらなる米中の貿易戦争を回避するために歩み寄った可能性がある。一方で18日に閉幕したAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議では、米中の対立応酬から首脳宣言の採択が断念されたほか、代理出席したペンス米副大統領は痛烈な中国批判を展開した。米国による中国からの一段の譲歩引き出し戦略もあり、11月末までは米国による追加制裁の示唆を含めた脅し恫喝のリスクが残る。その反面、米国では貿易摩擦懸念が株安と景気減速へと本格伝播しつつあるほか、中間選挙でのネジレ議会化を受けて、トランプ大統領が検討してきた追加減税などの景気刺激策には難航リスクが高まってきた。トランプ氏からすると、世論支持率で大事な『米国株の安定化』と『景気の改善持続』に対する配慮により、表向き自らの勝利と成果をアピールしながらも対中国貿易交渉での一旦の妥協余地は残されている。

 

欧米イベント

○16:00   10月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.3%)
○17:20   ロウRBA総裁、講演
○17:30   10月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比2.7%)
○19:00   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、カンリフBOE副総裁、ホールデン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、サンダース英MPC委員、議会証言
○22:00   10月ロシア失業率(予想:4.7%)
○22:30   10月米住宅着工件数(予想:122万5000件、前月比2.0%)
        建設許可件数(予想:126万件、前月比▲0.8%)
○24:00   バイトマン独連銀総裁、講演
○ブラジル(黒人意識の日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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