FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:押し目買いで下値切り上げ

前日のNYダウが205ドル安の4日続落やナスダック指数増楽が投資家心理を冷やして売りが先行し一時下げ幅を200円超に広げたものの下値では好業績銘柄中心に押し目買いが入って下げ幅を縮めた。結局、前日比42円安の2万1803円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:113円半ばでもみ合い

ドル/円は、本邦実需筋などのドル買い・円売りに支えられ一時113.66円付近へ上昇した。しかし、米株価の下げが続いていることもあり、ドルの反発は限られた。その後は、上値が重さを嫌気したドル売り・円買いが持ち込まれ、113.45円近辺へじり安となった。午後は、日経平均株価や上海株価指数をにらみながら113円台半ばでもみ合いとなった。今晩発表される米10月小売売上高を控え、様子見ムードが広がった。ペンス米副大統領が『シンガポールで、中国当局者と会う予定はない』と発言したものの、市場の反応は限定的だった。ユーロ/ドルは、英国のEU離脱高所うが進展するとの期待から持ち高調整などのユーロ買い・ドル売りが入り1.1340ドル付近へ上昇した。

 

イタリアの財政問題を巡りEUとの対立は長引く可能性も

イタリアは13日、欧州連合(EU)が求めていた2019年予算案の修正を拒み、財政規律ルールの順守を求めるEUとの対決路線を堅持した。EUは制裁をちらつかせて方針転換を迫る方針だが、『反EU』で支持拡大を目指すポピュリスト(大衆迎合主義)政権にはむしろ追い風で、対立は長引く可能性が高い。金利上昇で資本不足に陥る銀行が相次ぎ、イタリアの金融不安が再燃するリスクも意識され始めた。イタリアが予算案の修正を拒んだのを受け、次はEUの執行機関である欧州委員会の判断に焦点が移る。欧州委は21日、予算案に対する最終判断を公表する予定となっている。

 

原油下落要因とCFTCの原油先物ポジション

サウジの減産観測は、日本時間12日の時間外取引での原油先物に買い戻しを誘ったが、過剰在庫や需要減退への警戒感が強く、サウジアラビアの『口先介入』がNY原油底入れ反発を招くとの見方は限られている。原油先物の『弱気相場』入りには次の要因が指摘される。①米経済制裁によるイラン原油供給減不安の後退、②米シェール企業等の増産による過剰在庫と洋上備蓄放出、③米中『貿易戦争』等による世界減速に伴う需要減退、④新興国の需要減とイラン周辺国の供給増見通しなどがある。10日に米国商品先物取引委員会(CFTC)が発表した原油先物のポジション状況では、投機的ネットポジションは40万枚のネットロングと前週より約2万8000枚ロングが縮小した。9月下旬の56万枚程度のネットロングからは、原油価格の低下とともにロングの縮小傾向が続いている。 2016年2月には16万枚程度までネットロングが減ったこともあるため、まだ潜在的な売り余力は残っている。

 

FOMCの緩やかな利上げは正当化される可能性

米労働省が発表した10月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.3%、前年比+2.5%と、それぞれ市場予想通りとなり、9月+0.1%、+2.3%から上昇した。前月比では1月来で最高となった。一方、FOMCがインフレ指標として注視している変動の激しい食料品やエネルギーを除いたコアCPIは前年比+2.1%と、予想外に9月+2.2%から低下し、4月来で最低となった。 そのため、原油価格の急落を受け、11月の総合インフレは低下が予想されている。また、今後数カ月間のコアCPIも再び2%を割り込む可能性も指摘されている。 しかし、市場では依然、2019年のコアインフレ率がFOMCの目標値である2%を若干上回ると予想している。失業率がさらに緩やかに一段と低下することに加えて、インフレの上昇がFOMCの緩やかなペースでの金融政策の正常化を正当化すると見ている。

 

米10月小売売上高が公表

9月実績は前月比+0.1%にとどまった。ただ、コア売上高は前月比+2.2%で市場予想通りとなった。9月はハリケーンによる被害の影響が大きかったとみられる。10月については9月に大きく落ち込んだ飲食店の売上高は反動増となる見込みだが、その他の項目では小幅な伸びにとどまる可能性があるため、市場予想の前月比+0.5%は妥当な水準となる。

 

欧米イベント

○16:00   8月トルコ失業率(予想:11.2%)
○17:30   10月スウェーデン失業率(予想:6.1%)
○18:30   10月英小売売上高指数(自動車燃料含む、予想:前月比0.2%/前年比3.0%)
○19:00   9月ユーロ圏貿易収支(季節調整前)
○21:15   クーレ欧州中央銀行(ECB)理事、講演
○22:10   プラートECB専務理事、講演
○22:30   11月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:20.0)
○22:30   11月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:20.0)
○22:30   10月米小売売上高(予想:前月比0.5%/自動車を除く前月比0.5%)
○22:30   10月米輸入物価指数(予想:前月比0.1%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:21万2000件)
○23:35   デギンドスECB副総裁、講演
○24:00   9月米企業在庫(予想:前月比0.3%)
○24:00   クオールズFRB副議長、米上院銀行委員会で証言
○16日01:00   EIA週間在庫統計
○16日03:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○16日04:00   メキシコ中銀、政策金利発表(予想:8.00%に引き上げ)
○16日05:00   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○ブラジル(共和制宣言記念日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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