FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米中貿易摩擦への過度な警戒感後退で買い優勢

米中貿易摩擦への過度な警戒感が和らぎ、建設機械など中国関連株への買いが先行した。週末に9月メジャーSQ算出に向けて相場を一定の水準に押し上げたいとの思惑を持つ海外ヘッジファンドによる日経先物買いの動きもみられ、ソフトバンクなどの値がさ株への裁定買いにつながった。上げ幅は一時254円に広げた。結局、前日比216円高の2万2821円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:欧米市場イベントを控え小動きの展開

ドル/円は、米中通商協議の再開を期待したドル買い・円売りが優勢となり、111.46円まで上昇した。日経平均株価が寄り付き後に上げ幅を拡大したこともあり、リスク選好の円売りが強まった。ただ、前日に発表された米8月PPIが予想外に低調だったこともあり、利食い売りなどで111.30円台へ小幅下げた。午後は111.40円台を中心とした狭いレンジでのもみ合いが続いた。今晩予定されているトルコの金融政策会合や米消費者物価指数(CPI)を見極めたいとのムードが広がり動きの鈍い展開となった。ユーロ/ドルは、今晩のECB定例理事会を控えて1.16台前半で方向感の欠く展開が続いた。欧州勢待ちの予想となっている

 

欧州市場ではECB理事会が開催

前回(7月26日開催)の理事会では年末までに債券買い入れ策を終了させる方針を伊jいし、少なくとも2019年夏までは過去最低の金利水準を維持するとの見通しを提示した。ドラギECB総裁は前回の記者会見で『ユーロ圏経済は底堅く裾野の広い成長軌道に沿って推移している』との見解を示した。インフレ見通しについては、『基調インフレは年末にかけて持ち直し、中期的には徐々に伸びる見通し』と指摘した。インフレ見通しについての総裁の見解は変わっていないことから、ECB理事会では金融政策の現状維持と低金利政策を1年程度維持する方針が再度定時される見込み。

 

英国のEU離脱後は測位衛星も利用停止

英国がEU離脱後に、EU に所属していることを享受できる恩恵の一部を、離脱後も受け続けることが困難であることを指摘するユンケル欧州委員長の言葉が伝えられている。ユンケル委員長は、そのなかで自由貿易圏としてのアクセス維持以外に、EUの測位衛星システムを使えなくなる懸念を述べた。メイ英首相は独自の衛星開発に動き始めているが、ユンケル委員長はガリレオに匹敵する衛星の開発は難しいとしている。

 

米国の借入れ急増のリスク

米ワシントンポスト紙は、米経済が堅調でありにも関わらず、政府の借入れが急増していることに警鐘を鳴らす記事を掲載した。米与野党の議員は、経済を押し上げるため、財政赤字を促進するような提案を行っており、赤字が異例な水準まで膨らんでいる。米議会予算局は今週、過去11ヵ月に得た税金などの収入を、8950億ドル上回る額の支出があったと述べた。これは1年前より33%の支出増となる。昨年議会を通過した積極的な税制改革案により、過去合意で決議し、軍事と国内政策の双方に資金を注ぎ込み、急激な支出水準の上昇を招いた。赤字穴埋めのための債務の雪だまる式の増加だけでなく、金利上昇によっても債務コストが上昇すると考えられる。これは将来の盛大に大きな財政負担を残すことを意味するとしている。

 

米8月生産者物価指数(PPI)は予想外のマイナス

米労働省が発表した8月のPPIは前月比▲0.1%と、上昇予想に反して、予想外に昨年2月来のマイナスに落ち込んだ。前年比では+2.8%となり、市場予想の前年比+3.2%を下回り、4月来で裁定となった。FOMCが注視している変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は前月比▲0.1%と、上昇予想に反して昨年12月来のマイナスとなった。前年比では+2.3%となり、予想外に7月+2.7%から低下し、4月来の低水準となった。ただ、食品・エネルギー取引サービスを除いたPPIは前年比で+2.9%と、7月の前年比+2.8%から上昇した。少なくとも4年ぶりで最高となった。

 

米国市場では8月消費者物価(CPI)コア指数が公表

8月消費者物価コア指数は、25-26日開催のFOMCに向けた最終の点検材料で、想定通りなら9月利上げを織り込む展開となりそうだ。参考となる7月実績は前年比+2.4%、主に家賃、輸送サービス価格が上昇した。8月はどう項目における価格上昇が予想されることから、物価転嫁の動きは広がっていないが、雇用市場における需給関係はひっぱくしつつあり、コスト増を価格に転嫁するケースが増える可能性がある。

 

欧米イベント

○15:00   8月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.1%)
○15:45   8月仏CPI改定値(予想:前月比0.5%/前年比2.3%)
○16:15   8月スイス生産者輸入価格(予想:前月比横ばい)
○16:30   4-6月期スウェーデン国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.9%)
○20:00   英中銀金融政策委員会(MPC)2日目、終了後政策金利発表(予想:0.75%で据え置き、資産買取プログラムは4350億ポンドで維持)
○20:00   MPC議事要旨
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:22.00%に引き上げ)
○20:45   欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:0.00%に据え置き)
○21:00   7月ブラジル小売売上高指数(予想:前年同月比1.2%)
○21:30   ドラギECB総裁、定例記者会見
○21:30   7月カナダ新築住宅価格指数(予想:▲前月比0.1%)
○21:30   8月米CPI(予想:前月比0.3%/前年比2.8%)
      エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.4%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:21万件)
○14日02:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○14日02:00   米財務省、30年債入札
○14日03:00   8月米月次財政収支(予想:1565億ドルの赤字)

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