★欧州市場朝方の取引では、前日の動きと逆パターンで、イタリアの株価と国債価格が反発となる中、クロス円の上昇につれてドルの買い戻しが優勢となった。米長期金利の上昇につれた面もあった。イタリアの極右政党『同盟』の有力議員で、下院予算委員長のボルギ氏が、『政府はユーロ離脱を望んでいない』と強調したことが安心感につながったため、南欧を中心に欧州株が全面高で推移した。米長期金利も上昇するなど、リスク許容度が改善される中、クロス円の上昇に支えられて、ドル/円は110.20円前後でドルが堅調地合いを維持した。その後は取引材料難から110.15円前後で方向感のない展開となった。週末を控えたポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りを背景にドル/円も円買いが強まった。米国の最新6月PMIでは製造業が予想を下回り、通商摩擦懸念の実体経済への波及打撃や、世界減速の影響などが懸念されている。一方で米国の内需動向を示す非製造業PMIは、予想範囲内の底堅さを示したことでややドル買いが優勢となった。一転してトランプ米大統領が『欧州連合(EU)からの全ての自動車に対して20%の関税を課す』などと発言すると貿易摩擦への懸念から米長期金利が低下に転じたうえ、NYダウが上げ幅を縮小したことで円買いが強まった。売り一巡後はNYダウの上昇などを手掛かりに円売り・ドル買いが出たため徐々に下値を切り上げた。その後は、週末を控える中、相場材料に乏しく方向感は出なかった。
トランプ大統領のEUの自動車関税発言をきっかけに、レンジ幅が0.2円下がる展開となった。ただ、下押しも限定的だったことや、引けにかけては110.00円近辺まで持ち直したことから、底堅さも意識された。トランプ大統領になってから、いつなにかが、飛び出すか予測不能のため中長期のトレンドフォロワーにとっては至難の相場となっている。
週明けは、オセアニア時間からトルコの大統領選と議会選挙結果の行方が意識されやすく、荒れるスタートになる可能性もあるので注意が必要となる。
来週はボーナス商戦による輸入企業の支払い決済によるドル買いが入りやすく、月末を挟んで前後1週間は円安になりやすい。
6月25日(月)17:00からの当社提供のラジオNIKKEI第1『真壁昭夫のマーケットビュー』に出演します。6月相場を振り返りつつ、7・8月の相場について話しますのでご視聴頂ければと思います。パソコンやスマホからでも『ラジコ』で視聴できます。
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