バージガソリン先物

バージガソリン先物の特徴

バージガソリン先物は、東京商品取引所で取引されるガソリン先物の代表銘柄です。
バージガソリン先物は、「日本工業規格のK2202の2号の品質基準に適合するレギュラーガソリン」を標準品としています。
取引単位はプラッツドバイ原油先物やバージ灯油先物と同じ50キロリットルで取引されています。10円刻みで値段が動き、10円動くと500円の損益が発生します。
東京商品取引所で行われている取引は先物取引であり、現物取引ではありません。バージガソリン先物は、最長で6ヶ月先の限月を取引することができます。取引の種類は先物取引なので、証拠金で取引することができ、転売または買戻しすることで決済することができます。バージとは、水上輸送に使われる船舶の一種です。受渡し決済をするためには、船舶での受渡しが必要になります。
ガソリンは、常温で蒸発しやすく揮発油とも言われています。もともと無色透明の液体ですが、常温で爆発的に燃焼するという危険性の高い特徴を持っているためオレンジ色に着色されています。99%以上はガソリン車用で消費されています。ガソリンの流通経路は、大部分が元売りから特約店を経由してガソリンスタンドで販売されています。販売業者は、消費者庁の定めた基準に適合し、経済産業省に登録した業者に限定されます。
原油から精製されるガソリンは、原油の価格相場の価格変動の影響を大きく反映されます。 米国シェールオイルの生産状況、OPECの動向、地政学的リスク、在庫状況などが原油価格の変動要因ですが、製品であるガソリンは、シンガポール製品市況、国内需給、他の石油製品との得率調整などが価格変動要因に挙げられます。
製品であるガソリンと原油との価格差を利用したクラック・スプレッドや限月間の価格差を活用したカレンダースプレッドなど色々な売買戦略が行えることもエネルギー市場の魅力の一つです。
バージガソリン先物の値動き
バージガソリン先物の取引概要
バージガソリン先物の取引概要は次のとおりです。
バージガソリン先物 | |
取引の種類 | 現物先物取引 |
標準品 | 日本工業規格のK2202の2号の品質基準に適合するレギュラーガソリン |
倍率 | 50倍 |
呼値とその値段 | 1キロリットル当たり10円刻み |
取引単位 | 50キロリットル |
決済方法(※1) |
1.転売または買戻し 2.最終決済(現物受渡しによる決済) |
受渡値段(※1) | 当月限納会日の日中立会におけるVWAP |
受渡日時(※1) | 当月限の1日から当月限の末日まで |
受渡場所(※1) | 海上出荷設備を有する神奈川県、東京都及び千葉県に所在する製油所又は油槽所のうち、当社が指定した場所とする |
受渡方法 (※1) |
(1) 受渡場所の選択権:渡方に帰属する (2) 受渡方法:内航船による受渡 (3) 受渡日の選択権:原則として、受方に帰属する (4) 受渡当事者の決定:抽選により決定する。但し、納会日から抽選で決定するまでの間に、合意により受渡当事者の組合わせが成立した場合には、この限りではない (5) 分割受渡:受渡に当たっては、分割して受渡を行うことができる。 |
建玉数量の制限 |
一般委託者 当月限:250枚 翌月限:500枚 その他の限月:各1,500枚 |
清算値段 | 終値 |
限月 | 新甫発会日の属する月の翌々月から起算した6月以内の各月(6限月制) |
建玉保有期限(※2) | 当月限納会日の属する月の15日 |
値幅制限 |
1.制限値幅: 通常制限値幅 20,000円 ※ただし、市況等を勘案し、呼値の制限値幅を臨時で見直すことがあります。 2.DCB(即時約定可能値幅):直近約定値段を中心に下記の値を加減して得た幅 寄付板合わせ時 3,000円 ザラバ時 1,000円 引板合わせ時 2,000円 |
サーキット・ブレーカー | 原則なし |
※1.インターネット取引スタンダードコースでは、原則、受渡決済をおこなっておりません。
※2.インターネット取引スタンダードコースでは、建玉保有期限を過ぎた場合、当該日時以降の立会において決済されます。
参考文献:
・エネルギー取引の基礎知識-東京商品取引所