とうもろこし先物

とうもろこし先物の特徴

とうもろこし、小麦、コメは、世界三大穀物で、その中でも最も生産量が多いのがとうもろこしです。
大阪取引所で取引されているとうもろこし先物は、「アメリカ合衆国産黄とうもろこしのうち、アメリカ合衆国農務省穀物検査規格No3」を標準品としています。
取引単位はいずれも50トンで取引されています。10円刻みで値段が動きますので、10円動くと500円の損益が発生します。
大阪取引所で行われている取引は先物取引であり、現物取引ではありません。とうもろこし先物は、最長で12ヶ月先の限月を取引することができます。取引の種類は先物取引なので、証拠金で取引することができ、転売または買戻しすることで決済することができます。
日本国内でも「とうもろこし」を生産していますが、その量はごく少量で、国内に供給されている「とうもろこし」のほとんどが「米国産とうもろこし」です。主な用途は飼料用途と産業用途です。
飼料用の「とうもろこし」は乳牛、肉牛、養豚、養鶏など様々な家畜のエサとして利用されています。一般的には、牛肉1キログラムを生産するのに7キロの飼料、豚肉1キログラムを生産するのに4キロの飼料、鶏肉1キログラムを生産するのに2キロの飼料が必要だと言われています。
産業用途のとうもろこしは、果糖ブドウ糖液糖の原料、でんぷんの原料、エタノールの原料として使われています。近年では、燃料用アルコールであるエタノールとしての需要が拡大しています。とうもろこし1ブッシェル(25.4キログラム)あたり2.8ガロン(10.4リットル)のエタノールと17ポンド(8.5キログラム)のDDGS(飼料)が生産されます。
世界最大のとうもろこし生産国は、アメリカ、2位が中国、3位がブラジルでアメリカと中国を足すと世界生産量の50%を上回っています。アメリカの生産地域は、中西部の「コーンベルト」
と呼ばれる地域です。USDAの定める生産地域分類ではイリノイ州、インディアナ州、アイオア州、ミズーリ州、オハイオ州とされています。
アメリカでは、4月から5月に作付けをおこない9月後半から11月前半にかけて収穫を行います。また、とうもろこしと大豆は同じ畑で栽培されており、一方の作付面積が増えれば一方の面積が減る関係にあります。とうもろこしの作付け時期は大豆よりも1ヶ月早いため作付け時期に天候不順に見舞われれば、大豆に切り替える農家もあります。
とうもろこし先物の値動き
とうもろこし先物の取引概要
とうもろこし先物の取引概要は次のとおりです。
とうもろこし先物 | |
取引の種類 | 現物先物取引 |
標準品 | アメリカ合衆国産黄とうもろこしのうち、アメリカ合衆国農務省穀物検査規格No3(未通関のものに限る) |
倍率 | 50倍 |
呼値とその値段 | 1トンにつき10円刻み |
取引単位 | 50トン |
決済方法 |
1.転売または買戻し 2.最終決済(現物受渡しによる決済)(※1) |
受渡値段 | 取引最終日の日中立会におけるVWAP(※1) |
受渡日時 | 各限月の1日から末日までのうち、最初の荷受渡予定日の前営業日の正午まで(※1) |
受渡場所 | 取引所の指定埠頭(川崎、横浜、千葉及び鹿島の各港に所在)(※1) |
受渡方法 | 渡方は船荷証券、荷渡指図書、その他受渡書類をJSCCに提出し、受方は受渡値段による受渡代金をJSCCへ支払う (※1) |
建玉数量の制限 |
一般委託者 1番限(取引最終日の属する月):600枚 1番限(上記以外の月):1,200枚 2番限:3,000枚 3番限:6,000枚 4番限:6,000枚 5番限:6,000枚 6番限:6,000枚 |
清算値段 |
夜間立会の開始時から日中立会終了時までの立会いにおける最終約定値段等 ※必要な場合は、上記に関わらず株式会社日本証券クリアリング機構(JSCC)が適当と認める数値に修正されます。 |
限月 | 1月、3月、5月、7月、9月、11月のうち直近6限月 |
建玉保有期限 | 当月限納会日の属する月の1日(※2) |
値幅制限 |
1.制限値幅: 通常制限値幅 8% ※ただし、市況等を勘案し、呼値の制限値幅を臨時で見直すことがあります。 2.DCB(即時約定可能値幅):直近約定値段を中心に下記の値を加減して得た幅 寄付板合わせ時 750円 ザラバ時 250円 引板合わせ時 500円 |
サーキット・ブレーカー | 原則なし |
※1.インターネット取引スタンダードコースでは、原則、受渡決済をおこなっておりません。
※2.インターネット取引スタンダードコースでは、建玉保有期限を過ぎた場合、当該日時以降の立会において決済されます。
参考文献:
・東京商品取引所
・めちゃくちゃくちゃ売れてるマネー誌ダイヤモンドzaiが作った「商品先物取引」入門