商品先物取引の単位(貴金属編)

イメージ:単位

この記事はフジトミ証券所属のCFP(1級FP技能士)の岩井が作成しました。

商品先物取引の世界ではいろいろな単位が使われています。
重さだったり、体積だったり、面積だったり、時間だったり、長さだったり。
普段何気なく使っていますが、それがどのくらいの量を示しているのか、正しく説明できる人は少ないようです。

今回は、商品投資で使われている単位について理解を深めるページを作成しました。
良く解っている方も復習の意味で一度目を通していただけると幸いです。

貴金属編

イメージ:金貨など

トロイオンス(troy ounce)

現物市場のロコ・ロンドンや先物市場の代表格であるニューヨーク商品取引所(COMEX)で使われている呼び値の単位です。

ニューヨーク金の価格が1,754ドルなどと言っているのは、1トロイオンスあたりの値段を示しています。COMEXでは、100トロイオンスを1枚として取引されています。

トロイオンスは貴金属や宝石の計量に用いられるヤード・ポンド法の質量の単位で1トロイオンスは31.1034768グラムです。日本の計量法では31.1035グラムで計算されます。

ヤード・ポンド法は、アメリカを中心に使用されている単位です。トロイオンスという単位は、貴金属や宝石類の計量以外で用いられることはほぼありません。

記号では「oz tr」「ozt」と表記されます。

1トロイオンス=31.1034768グラム
12トロイオンス=1トロイポンド

ウィーン金貨ハーモニーやメイプルリーフ金貨で使われているオンスはトロイオンスを表します。1オンス金貨には31.1035グラムの金が含まれています。オンスは質量なのでプラチナコインもシルバーコインも質量は同じ31.1035グラムです。

1辺の長さが1センチメートルの正立方体の質量は、水が1グラムであるのに対して、金は19.32グラム、プラチナは21.45グラム、銀は10.50グラム、銅は8.93、鉄は7.87グラムと質量が違います。

1オンスコインでも金とプラチナでは質量が違うので、コインの大きさ(体積)は違ってきます。金やプラチナの重さは銀・銅・鉄などと比べて2倍以上の重量なので、コインやバーに混ぜ物が入っているかは、比重量を使って調べることができます。

トロイオンスより小さい単位

トロイオンスの下は、グレーンです。

グレーン(grain、グレン、ゲレイン、ゲレーンともいう)

グレーンはヤード・ポンド法における質量の単位で、1トロイオンスは480グレーンです。
もともとはメソポタミア地域において大麦の穂からとれた種1粒の重さを表したもので、グラムで表すと0.06479891グラムです。

現在グレーンはピストルの弾頭重量を表す際に利用されています。
同じ口径でもグレインの数字が大きいほど弾頭の重量が大きくなります。

18金/24金

イメージ:競技メダル
金の表現方法に18金とか24金といった表現方法があります。

18金、24金という表現は金の純度を表しています。この表現方法は24分率で、どの程度の金が含まれているのかを表しています。

24金(K24)

金の純度が99.99%以上のものを24金(K24)と言います。

18金(K18)

金の含有量が75%のものを18金(K18)と言います。0.75=18/24なので18金(K18)と言います。金はとても柔らかい貴金属なのでそのままでは指輪などのジュエリーとしての利用に適していません。そのため、銀や銅などの貴金属を混ぜ込んで加工するのが普通です。
昔の映画の中で金製品の値打ちを確かめるため噛んでみるシーンがありますが、あれは純金はとても柔らかいので24金(K24)であれば噛んだ時に歯形が付くからです。

ちなみに東京オリンピックで使用されている金メダルの素材は、純金製ではありません。金メダルは純銀に6グラム以上の金メッキが施されて作られています。銀メダルは純銀製、銅メダルは、丹銅(銅95%、亜鉛5%)で作られました。大きさと厚さは、3つとも同じですが、使われている原材料の違いから重さが違います。金メダルが約556グラム、銀メダルが約550グラム、銅メダルが約450グラムです。金と銅とでは、100グラム以上違うので持ったら分かりそうですね。どのメダルもとても固いので噛んでも歯形はつかないそうです。

常用オンス

イメージ:鉛
単にオンスと言った場合は、トロイオンスではなく常用オンスを指すのが一般的です。
アメリカやイギリスではオンスの利用が定着しています。
1常用オンスは28.3495231257グラムで1トロイオンスよりも質量は小さ目です。
トロイオンスとは、単位の変換方法が異なります。
トロイオンスでは12トロイオンスが1トロイポンドだったのに対して、常用オンスでは16常用オンスが1常用ポンドとなっています。

商談の際、オンスで書かれていたら常用オンスなのかトロイオンスなのか確認した方が安心ですね。

グラム

日本では日常的に利用されている単位なので説明は不要かもしれませんが、グラムはメートル法によって定められた質量の単位です。

大阪取引所(JPXグループ)の金先物取引の呼び値の単位がグラムです。

金先物価格7,681円などと表記されますがこれは、1グラムあたりの値段です。日本の先物市場では、金ミニ先物と金限日先物では100グラムを取引単位に、金標準先物では1,000グラム(1キログラム)を取引単位としています。

最後に

先物取引では、日常生活で使うことのない単位がいくつも出てきます。ひとつひとつがどのような単位なのかを理解しておかないと、想像よりも大きな量を取引することにもなりかねません。リスク許容度にあった投資をおこなうのであれば、取引量の理解も欠かせませんね。

先物取引の取引単位については、取扱銘柄の取引概要をご覧ください。

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