値動きの特徴(商品先物取引)

この記事はフジトミ証券所属のCFP(1級FP技能士)の岩井が作成しました。
皆さんは、投資する際、どのような値動きを期待して運用していますか?
色々なことを考えて運用していると思いますが、買手は買った値段よりも高くなることを期待し、売手は売った値段よりも安くなることを期待していることは、どんな投資にも共通していることです。先物取引は、証拠金取引なので、短期の売買が中心という方が多いとは思いますが、大きな傾向を知っておくことは、運用を有利に運ぶ上でとても重要なことです。
今回は、商品先物取引の銘柄が過去どのような値動きをしていたのかについて振り返ってみたいと思います。
パフォーマンスを調べる方法はいくつかありますが、視覚的に分かりやすいのが、各年の値動きを年間利回りで表現する方法です。
具体的にみていきましょう。
商品先物市場ではありませんが、NYダウのパフォーマンスは次のとおりでした。
NYダウ

過去20年の内、プラスだったのは15年でした。変動率の平均はプラス6%でした。米国株は長期的に上昇していると言われていますが、そのことは上のグラフでも確認できます。リーマンショックがあった2008年を除けばプラスで安定しています。
米ドル円

過去20年の内、プラスだったのは9年でした。変動率の平均はプラス1%でした。2022年のドル円相場は大きく変動した印象ですが、始値と終値で計算すると変動率は14%でした。変動率でいうと2013年の方が大きかったようです。プラスマイナスどちらに振れても同程度の変動率になっています。同じ水準で安定しやすい傾向にあるので、過剰な値動きの後は元の水準に戻ることを期待したポジショニングが有効だと考えられます。
では、国内の商品先物市場はどうでしょうか。
金先物

過去20年の内、プラスだったのは16年でした。変動の平均はプラス10%でした。過去20年間の平均がNYダウの6%よりも高かったことに驚きです。上昇した年に関してもNYダウの20年中15年を上回っています。
短期的には色々な要因で変動していますが、変動はプラス寄りに偏っており、長期的にみて買い方にアドバンテージがあると考えられます。
原油先物

過去20年の内、プラスだった年は14回ありました。また、変動の平均はプラス11%でした。先に確認した、NYダウ、米ドル円、金先物よりも、原油は平均パフォーマンスが高かったことになります。
ただし、注意しなければならないのが、その値動きの荒さです。NYダウの最大値と最小値はプラス26%とマイナス34%ですが、原油先物に至ってはプラス85%とマイナス61%でした。4つの中で最も荒い値動きをしていたのが原油でした。
値動きが荒い銘柄は運用する上で難易度が高そうなイメージですが、一度トレンドを形成するとそのトレンドを継続しやすい傾向があるとも言えます。逆張りよりもトレンドフォロー型の運用の方が向いてそうですね。
今回は、過去20年間の利回りを調べてみました。金は、買い方にアドバンテージがあり、原油はトレンドフォロー型の運用に適していると言えます。
参考にしてみてください。
このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。

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