セブン-イレブンのコーヒー値上げとブラジルの生産減

イメージ:コーヒー豆

この記事はフジトミ証券所属のCFP(1級FP技能士)の岩井が作成しました。

セブン-イレブンのコーヒーRが10円引き上げに

先日のニュースですが、セブン-イレブンは、セブンカフェの一部の商品を7月4日から値上げすることを発表しました。
これまで税込み100円で販売されていたコーヒーRが110円に値上げされます。原材料や容器の価格上昇が値上げの理由として挙げられています。私も会社近くのセブン-イレブンでちょくちょく購入していたので残念です。

昔から商品先物取引を行っているオールドファンの方は覚えていると思いますが、日本でもコーヒー豆の先物取引が売買されていた時期がありました。

1998年6月、当時の東京穀物商品取引所(東京都中央区)にアラビカコーヒーとロブスタコーヒーが試験上場されました。主にアラビカコーヒーはドリップして飲まれるコーヒーに、ロブスタコーヒーはインスタントコーヒーや缶コーヒーの原料として利用されています。なんだか懐かしいですね。残念な事に東京穀物商品取引所のコーヒー先物は2012年に上場廃止となりましたが、海外の先物市場では今でも取引されています。

次のチャートはニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)に上場しているコーヒー先物の値動きを表したものです。

コーヒー先物(NYMEX)

イメージ:コーヒーチャート

(出所:TradingViewによるコーヒー先物チャート

現在の価格は2011年以来の高値水準です。

2020年後半まで1ドル台前半で取引されていたコーヒーは2022年に入り2ドル台半ばまで上昇しています。1年間ちょっとで価格が2倍になってしまいました。

価格高騰の原因は、最大のコーヒー生産国であるブラジルの生産量が減少してしまっていることです。

世界のアラビカコーヒー生産量

イメージ:世界のアラビカコーヒー生産量

出典:USDA

年によって多少異なりますが、世界で生産されているアラビカコーヒーの半分近くがブラジル産です。そのブラジルの生産量が大幅に減少しています。2020/21年期生産量は4970万袋でしたが、2021/22年期は3500万袋に減少してしまいました。
ブラジルではコーヒーの収穫を5月から8月に掛けて行いますが、昨年はこの時期に降霜が発生したことが、収穫量減少の原因です。

ブラジルの生産量の大幅減少は、世界に流通しているコーヒーの10%以上も減少させる結果を招いてしまいました。

これからブラジルの収穫期ですが、今年はどうなるでしょうね。

皆さんが普段飲んでいるコーヒーの価格は変わっていませんか?

私がいつも買っているコーヒー豆は、値段は変わっていませんが、300g入りだったものが230g入りに変更され、実質的値上げが行われました。

国際価格の上昇と円安の影響から日本国内で流通しているコーヒー豆の価格は、一層高くなってしまっています。

今回はコーヒーを取り上げましたが、身近な商品の値上げが始まっています。

資産を守るには、今まで以上のインフレ対策の必要性が高まっているのかもしれません。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。

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