金の値動きから戦略を考える

金のイメージ

この記事はフジトミ証券所属のCFP(1級FP技能士)の岩井が作成しました。

2023年5月8日、大阪取引所の金先物取引は8,870円まで上昇し、史上最高値を更新しました。

これまでの値動きをチャートで確認してみましょう。

金先物-日足

イメージ:金先物-日足

(出所:TradingViewによる金先物チャート

上記のチャートは2018年以降の値動きを表したものです。
基本的に金の値動きは右肩上がりに推移していることがわかります。2018年の後半4,400円程度の価格で推移していましたが、今回8,800円台まで上昇しており、金価格は5年弱で2倍になりました。

一般的に金の価格は「安定している」と言われていますので、現物投資や純金積み立てをおこなっても大きなリターンが期待できないと思われやすいですが、5年前に現物を購入していたら資産価値を2倍にすることに成功していた訳です。

5年間で2倍になったということは、利回りで考えるとどのくらいになるのでしょう。仮に利回りを「n」とし、5年間で2倍になる式を組み立てると「(1+n)⁵=2」となるので「n≒0.14.9」になります。

金の価格は年間14.9%上昇していたことになります。

もう少し長い期間でもみてみましょう。

金先物-週足

イメージ:金先物-週足

(出所:TradingViewによる金先物チャート

上記のチャートは2000年以降の値動きを表したものです。チャートは20年以上ととても長いものですが、それでみても右肩上がりで推移していることが解りますね。

金の価格変動を大雑把に表現すると、5年から6年の期間で2倍になるか停滞するかを繰り返していると認識できます。

2000年 おおよそ 1,000円
2006年 おおよそ 2,000円(※6年で2倍に!)
2011年 おおよそ 4,000円(※5年で2倍に!)
(2018年まで停滞)
2023年 おおよそ 8,000円(※5年で2倍に!)

これまで、5~6年で2倍になってきたことを考慮すると今から5年後の2028年頃の金価格は1グラムあたり16,000円まで上昇してもなんら不思議ではありません。

仮に今回記録した8,870円を基準に先ほど算出した「14.9%」という上昇率を掛け合わせると10,191円になりますので、現在の上昇速度が変わらないのであれば2024年の前半には1グラム10,000円まで上昇しても何らおかしくないはずです。

まとめ

2000年以降、金の値動きは5年から6年で価格が2倍(年間14.9%上昇※停滞期を除く)になっています。
価格は上昇と下降を繰り返しながら変動している訳ですが、基本的には、上昇傾向にあり、価格が下降する場面は、短期的かつ変動幅も限定的だったと言えます。
商品先物取引は証拠金取引なので「売りポジション」を作ることができますが、過去の価格変動から「売り」で利益を上げることは、難易度が高めだったことが解ります。

今後もこの傾向が続くのであれば売ポジションは作らず「買いポジションだけ」でトレードした方が良い結果を残せる可能性が高そうですね。「下がったところで買う。」そんなスタンスが最良策かもしれません。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。

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