一般大豆先物
一般大豆先物の特徴
味噌、醤油、豆腐、納豆、など大豆加工物は、日本人にとって欠かすことができない伝統的食品の原料に大豆が使われています。ところが大豆の国内需給率は3%から5%程度で、国内で消費されている大豆のほとんどを海外からの輸入に頼っています。
大阪取引所で取引されている一般大豆先物は、「アメリカ合衆国産黄大豆のうち、アメリカ合衆国農務省穀物検査規格No2であって、遺伝子組換え大豆又は遺伝子組換え大豆と非遺伝子組換え大豆とが分別されていない大豆」を標準品としています。
取引単位はいずれも25トンで取引されています。10円刻みで値段が動きますので、10円動くと250円の損益が発生します。
大阪取引所で行われている取引は先物取引であり、現物取引ではありません。一般大豆先物は、最長で12ヶ月先の限月を取引することができます。取引の種類は先物取引なので、証拠金で取引することができ、転売または買戻しすることで決済することができます。
一般大豆先物の名称に用いられている「一般」は「Non-GMO大豆」と区別するために付けられた名称です。標準品には、遺伝子組換え大豆又は遺伝子組換え大豆と非遺伝子組換え大豆とが分別されていない大豆と記載されているように、一般大豆には、遺伝子組み換えされた大豆も含まれています。
世界の主要な大豆生産国は、アメリカ、ブラジル、アルゼンチンの3か国です。この3国で世界シェアの83%をカバーしています。一方、世界で貿易されている大豆の約6割を中国が輸入しており中国での需要がマーケットに大きな影響を及ぼしています。
世界最大のとうもろこし生産国は、アメリカ、2位がブラジル、3位がアルゼンチンで生産量の半数が南半球で作れているのも特徴です。アメリカの大豆の生産地域は、カナダ国境からメキシコ国境までと非常に広く、なかでも中西部の「コーンベルト」と重なる「ビーンベルト」と呼ばれる地域が主要産地になっています。2018年の州別生産量はイリノイ州、アイオア州、ミネソタ州、インディアナ州、ネブラスカ州となっており、この5州で全米の約50%を占めています。
アメリカでは、5月から6月前半に作付けをおこない9月後半から11月前半にかけて収穫を行います。また、とうもろこしと大豆は同じ畑で栽培されており、一方の作付面積が増えれば一方の面積が減る関係にあります。トウモロコシの作付け時期は大豆よりも1ヶ月早いため作付け時期に天候不順に見舞われれば、大豆に切り替える農家もあります。
一般大豆先物の値動き
一般大豆先物の取引概要
一般大豆先物の取引概要は次のとおりです。
一般大豆先物 | |
取引の種類 | 現物先物取引 |
標準品 | アメリカ合衆国産黄大豆のうち、アメリカ合衆国農務省穀物検査規格No2であって、遺伝子組換え大豆又は遺伝子組換え大豆と非遺伝子組換え大豆とが分別されていない大豆 |
倍率 | 25倍 |
呼値とその値段 | 1トンにつき10円刻み |
取引単位 | 25トン |
決済方法 |
1.転売または買戻し 2.最終決済(現物受渡しによる決済)(※1) |
受渡値段 | 取引最終日の日中立会におけるVWAP(※1) |
受渡日時 |
取引最終日の3営業日後から各限月最終営業日の各営業日の正午まで (12月については最終営業日の3営業日前の正午まで)(※1) |
受渡場所 | 当社の指定倉庫(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県及び茨城県に所在)(※1) |
受渡方法 | 渡方は指定倉庫発行の倉荷証券をJSCCに提出し、受方は受渡値段による受渡代金をJSCCへ支払う (※1) |
建玉数量の制限 |
一般委託者 1番限(取引最終日の属する月):400枚 1番限(上記以外の月):800枚 2番限:2,000枚 3番限:4,000枚 4番限:4,000枚 5番限:4,000枚 6番限:4,000枚 |
清算値段 |
夜間立会の開始時から日中立会終了時までの立会いにおける最終約定値段等 ※必要な場合は、上記に関わらず株式会社日本証券クリアリング機構(JSCC)が適当と認める数値に修正されます。 |
限月 | 2月、4月、6月、8月、10月、12月のうち直近6限月 |
建玉保有期限 | 当月限納会日の属する月の1日(※2) |
値幅制限 |
1.制限値幅: 通常制限値幅 10% ※ただし、市況等を勘案し、呼値の制限値幅を臨時で見直すことがあります。 2.DCB(即時約定可能値幅):直近約定値段を中心に下記の値を加減して得た幅 寄付板合わせ時 1,500円 ザラバ時 500円 引板合わせ時 1,000円 |
サーキット・ブレーカー | 原則なし |
※1.インターネット取引スタンダードコースでは、原則、受渡決済をおこなっておりません。
※2.インターネット取引スタンダードコースでは、建玉保有期限を過ぎた場合、当該日時以降の立会において決済されます。
参考文献:
・農産物取引の基礎知識-東京商品取引所
・めちゃくちゃくちゃ売れてるマネー誌ダイヤモンドzaiが作った「商品先物取引」入門