白金(標準先物・ミニ先物・限日先物)
白金(プラチナ)先物取引の特徴
白金は希少性の高い貴金属と言われると金よりも採掘された量の少ない貴金属です。これまでに掘削された量は約7,200トンととても少なく、金の19万トンと比べるとその量は金の26分の1程度と非常に量が少ないことが白金の特徴のひとつです。
大阪取引所で取引されている白金は、標準先物、ミニ先物、限日先物の3種類で、いずれも純度99.95%以上の白金地金を標準品とした先物取引です。白金標準先物の取引単位は500グラム、白金ミニ先物と白金限日先物の取引単位は100グラムで取引されています。
大阪取引所で行われている取引は先物取引であり、現物取引ではありません。白金標準先物、白金ミニ先物であれば、最長で12ヶ月先の限月を取引することができます。また、白金限日先物には、取引期限がありませんので、期限を気にせず取引することができます。いずれの取引も先物取引なので、証拠金で取引することができ、転売または買戻しすることで決済することができます。
日本や中国などの東アジア諸国では装飾品としての人気が高く、結婚指輪などの宝飾品に使われていますが、最も需要があるのは自動車触媒としての需要です。白金はディーゼル自動車の排出ガス含まれる炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物などを水、二酸化炭素、窒素などに酸化・還元して排出する触媒機能を持っています。ディーゼル自動車の販売台数動向が、白金の需要に大きく影響しています。
供給面では、その産地が限られていることも白金の特徴のひとつです。白金は鉱山での掘削によって生産されますが、その産地は、決まっており、その大多数が南アフリカ、ロシア、北米の一部の地域です。南アフリカとロシアの生産量を合わせると世界の生産量の80%を上回っており、ロシア情勢が白金価格にも影響を及ぼします。また、南アフリカの鉱山で頻繁に起きているストライキにも注意が必要です。
白金標準先物の値動き
白金(標準先物・ミニ先物・限日先物)の取引概要
白金標準先物 | 白金ミニ先物 | 白金限日先物 | |
取引の種類 | 現物先物取引 | 現金決済先物取引 | 限日現金決済先物取引 |
標準品 | 純度99.95%以上の白金地金 | 白金標準先物の価格 | 純度99.95%以上の白金地金 |
倍率 | 500倍 | 100倍 | 100倍 |
呼値とその値段 | 1グラム当たり1円刻み | 1グラム当たり1円刻み (2022年4月25日より0.5円刻み) |
1グラム当たり1円刻み |
取引単位 | 500グラム | 100グラム | 100グラム | 決済方法 |
1.転売または買戻し 2.最終決済(現物受渡しによる決済)(※1) |
1.転売または買戻し 2.最終決済(最終清算数値による決済) |
転売または買戻し |
受渡値段及び最終清算数値 | 取引最終日の日中立会におけるVWAP(※1) | 白金標準先物の当月限取引最終日における日中立会の始値 | – |
受渡日時 | 毎偶数月末日の正午まで(12月の受渡日は28日の正午まで。受渡日が休業日又は大納会に当たるときは順次繰り上げ)(※1) | – | – |
受渡供用品 | 標準品と同等であって、取引所が指定する商標等の刻印のあるもの。受渡品の供用量目の増減はなし(※1) | – | – |
建玉数量の制限 |
一般委託者 1番限(取引最終日の属する月):全限月合計:100枚 1番限(上記以外の月):全限月合計:150枚 2番限:200枚 全限月合計:3,500枚 |
原則、制限なし | 原則、制限なし |
清算値段 | 夜間立会の開始時から日中立会終了時までの立会いにおける最終約定値段等 ※必要な場合は、上記に関わらず株式会社日本証券クリアリング機構(JSCC)が適当と認める数値に修正されます。 |
同一限月の白金標準先物の清算値段 | 理論現物価格:白金標準先物の「2番限月」及び「6番限月」の清算値段を用いてフォワードレートを算出し、当該レートを用いて、その日の2番限月の価格を取引最終日までの残日数相当分を現在価値に割引いて算出されます。 |
限月 | 新甫発会日の属する月の翌月から起算した12月以内の各偶数月(6限月制) | 新甫発会日の属する月の翌月から起算した12月以内の各偶数月(6限月制) | – |
建玉保有期限 | 当月限納会日の属する月の15日(※2) | 取引最終日の翌営業日 | – |
値幅制限 |
1.制限値幅: 通常制限値幅 10% 第一次拡大制限値幅 20% 第二次拡大制限値幅 30% ※ただし、市況等を勘案し、呼値の制限値幅を臨時で見直すことがあります。 2.DCB(即時約定可能値幅):直近約定値段を中心に下記の値を加減して得た幅 寄付板合わせ時 120円 ザラバ時 40円 引板合わせ時 80円 |
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サーキット・ブレーカー |
標準取引の中心限月の取引において、制限値幅上限(下限)で約定又は買(売)気配が提示され、1分の間に制限値幅上限(下限)から制限値幅の10%を超えて下落(上昇)して取引が成立しない場合、標準・ミニ・限日先物取引の取引を10分間中断します。 立会終了直前20分、サーキットブレーカーの発動はありません。 |
※1.インターネット取引スタンダードコースでは、原則、受渡決済をおこなっておりません。
※2.インターネット取引スタンダードコースでは、建玉保有期限を過ぎた場合、当該日時以降の立会において決済されます。