プラッツドバイ原油先物
プラッツドバイ原油先物の特徴
原油先物取引は世界各国で取引されていますが、日本市場で取引されているのは東京商品取引所(TOCOM)のプラッツドバイ原油です。
プラッツドバイ原油は、「ドバイ原油の価格を指標とする中東産原油」を標準品としています。
取引単位は50キロリットルで取引されています。10円刻みで値段が動きますので、10円動くと500円の損益が発生します。
東京商品取引所で行われている取引は先物取引であり、現物取引ではありません。プラッツドバイ原油先物は、最長で6ヶ月先の限月を取引することができます。取引の種類は先物取引なので、証拠金で取引することができ、転売または買戻しすることで決済することができます。また、プラッツドバイ原油は現金決済先物取引なので、途中で転売または買戻しすることなく取引最終日まで保有していると最終決済価格で決済されます。
原油は世界中で取引されていますが、北米、欧州、アジアで三大市場が形成されています。北米ではWTI、欧州ではブレント、アジアではドバイと地域によってマーカーとされている原油が異なります。世界で最も有名な原油指標はWTIですが、残念ながら日本では取引されていません。日本で取引されているのは、プラッツドバイ原油です。
ドバイ原油は、UAE(アラブ首長国連邦)の構成首長国の一つであるドバイで産出される原油で、仕向地の制限がないことから取引に便利な原油として絶対値価格でのスポット取引が頻繁に行われています。スポット価格はOPECが設定するバスケット価格にも採用され、中東産原油の価格指標となっています。最近ではドバイ原油の生産量が減少傾向にあり、エネルギー価格調査会社であるプラッツは、オマーン原油の代替受渡を認め、ドバイ原油の取引対象として評価しています。オマーン原油は、中東のオマーンで産出される原油でドバイ原油よりも埋蔵量が多く、産油量も安定していることから中東産原油の価格指標となっています。
名前に「プラッツ」が付くのには、価格公表機関であるプラッツ社が大きく関係しています。①
中東産油国のアジア向け原油輸出価格は、プラッツ社が日々発表する原油のスポット(現物)価格に基づき決定されること、②プラッツ社が発表する原油スポット価格は、プラッツドバイ原油先物価格をベースに評価・決定されること、③プラッツドバイ原油先物の最終決済価格は、プラッツ社が日々発表する価格の月間平均価格として採用していることが「プラッツドバイ原油」の由来です。
日本で取引されている原油は、プラッツドバイ原油ですがアメリカの動向やOPECの動向石油市場に影響を及ぼす要因が価格決定要因になっています。
プラッツドバイ原油先物の値動き
プラッツドバイ原油先物の取引概要
プラッツドバイ原油先物の取引概要は次のとおりです。
プラッツドバイ原油先物 | |
取引の種類 | 現金決済先物取引 |
現金決済先物取引の対象 | ドバイ原油の価格を指標とする中東産原油 |
倍率 | 50倍 |
呼値とその値段 | 1キロリットルにつき10円刻み |
取引単位 | 50キロリットル |
決済方法 |
1.転売または買戻し 2.最終決済(最終決済価格による決済) |
最終決済価格 | 当該限月のドバイ原油の平均価格 |
取引最終日 | 当月限の最終営業日(日中立会まで) |
最終決済日 | 当月限の翌月第一営業日 |
建玉数量の制限 |
一般委託者 制限を設けない。 ※東京商品取引所が必要と認めた場合には、建玉数量の制限を設けることができます。 |
清算値段(帳入値段) |
夜間立会の開始時から日中立会終了時までの立会いにおける最終約定値段等 |
限月 | 新甫発会日の属する月から起算した15月以内の各月(15限月制) |
値幅制限 |
1.制限値幅: 通常制限値幅 30% 第一次拡大制限値幅 45% 第二次拡大制限値幅 60% ※ただし、市況等を勘案し、呼値の制限値幅を臨時で見直すことがあります。 2.DCB(即時約定可能値幅):直近約定値段を中心に下記の値を加減して得た幅 寄付板合わせ時 3,000円 ザラバ時 1,000円 引板合わせ時 2,000円 |
サーキット・ブレーカー |
中心限月の取引において、制限値幅上限(下限)で約定又は買(売)気配が提示され、1分の間に制限値幅上限(下限)から制限値幅の10%を超えて下落(上昇)して取引が成立しない場合、取引を10分間中断します。 立会終了直前20分、サーキットブレーカーの発動はありません。 |