12月19日(水)の米国3市場は、NYダウ:351.98ドル安の23,323.66ドル、S&P500:39.20ポイント安の2,506.96ポイント、NASDAQ:147.08ポイント安の6,636.83と、3株価指数とも大幅下落となった。また、米長期金利は前日比低下し2.777%と2.80%割れまで低下した。『18日付けPERと株価から逆算』して19日付け予想PER計算すると、NYダウ:15.04倍、S&P500:15.75倍、NASDAQ:21.43倍と3株価指数ともに低下した。このPERを基に19日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.871%、S&P500:▲3.571%、NASDAQ:▲1.888%とイールドスプレッドは大幅に拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)となった。株価指数が大幅下落したうえに、米長期金利も大幅低下したことでイールドスプレッドが拡大した。
NYダウの年初来底値時のイールドスプレッドを参考にする。4月2日に付けた年初来安値時のNYダウ:▲3.579%、S&P500:▲3.145%、NASDAQ:▲1.640%や、2月9日の反転時となったNYダウ:▲3.300%、S&P500:▲2.756%、NASDAQ:▲1.313%である。
19日(火)のNYダウの予想イールドスプレッドは前日▲3.734%⇒▲3.871%となり、2月9日と4月2日のイールドスプレッドを上回り連日相当割安感が出ている。
S&P500の予想イールドスプレッドは前日▲3.435%⇒▲3.443%となり、連日4月2日及び2月9日のイールドスプレッドを上回っていることから、S&P500も相当割安感が出ている。
NASDAQの予想イールドスプレッドは、前日▲1.770%⇒▲1.735%となり、連日2月9日と4月2日のイールドスプレッドを上回ってきたことで相当割安感が出ている。
3株価指数ともかなりイールドスプレッドが拡大してきたことで、米10年物国債金利に対して株価に割安感は出ており、好材料が出た場合は急上昇する可能性も残る。しかし、世界的な景気減速懸念が強まっていることや、FRBの利上げは来年も緩やかながら継続するとの観測から株価の悪材料として意識されている。そのため、割安感だけで一旦下げ止まったとしても、戻り売りに押されやすい地合いが続きやすい。
そのため、2011年4月21日以降のイールドスプレッドの平均値のNYダウ:4.444%、S&P500:3.651%、ナスダック:2.104%には届いていないことから、平均値に近づくまで拡大する株価下落と米長期金利の低下の可能性も残る。
※毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
★欧州市場朝方の取引では、一部報道で、『欧州委員会がイタリア政府の19年度財政案を受け入れる方針を固めた』と伝わったことに支援され、対欧州通貨を中心にドル安が持続した。なお、イタリア株を中心に欧州株も堅調に取引開始した。欧州市場で112.30円台と戻りの鈍い展開となった。ユーロ/ドルが上値抵抗線として意識されると1.14ドル付近に値を切り上げたことで、その影響でドルはやや下押した。欧州株は強弱まちまちとなり、円買いが根強かった。市場の注目がFOMCの結果に集まる中、ドルは全般もみ合い商状となった。重要な米金融イベントを前にポジションを一方向に傾けづらく、欧州勢参入以降112.35円前後での持ち高調整に終始した。
FOMCでのハト派的な利上げを織り込むドル売りが強まった。米長期金利は2.81%前後で推移、NYダウは寄り付き後64ドル高で推移した。NYダウが上げ幅を200ドル超高まで拡大したことが支えにドルは持ち直した。FOMC結果公表後に全般ドル買いが優勢となり、一時112.63円まで上昇した。市場が期待したほどFOMCがハト派色を強めなかったため、ドル買いが再燃した。ただ、NYダウは一時510ドルの下げとなった。
★欧米主要経済指標
・英・11月消費者物価指数:前年比+2.3%(予想:+2.3%、10月:+2.4%)
・英・11月消費者物価コア指数:前年比+1.8%(予想:+1.8%、10月:+1.9%)
・英・11月生産者物価指数・産出:前年比+3.1%(予想:+3.0%、10月:+3.3%)
・英・11月生産者物価コア指数・産出:前年比+2.4%(予想:+2.3%、10月:+2.4%)
・米・11月中古住宅販売件数:532万戸(予想:520万戸、10月:522万戸)
・米・7-9月期経常収支:-1248億ドル(予想:-1250億ドル、4-6月期:-1012億ドル←-1015億ドル)
・カナダ・11月消費者物価指数:前年比+1.7%(予想:+1.8%、10月:+2.4%)
★欧米市場のポイント
・112.05-66円のレンジ相場
・欧州委がイタリア制裁を見送ったことを好感
・FOMC利上げ実施、来年の利上げペース鈍化
・FRB議長発言は期待ほどハト派ではなかった
・FOMC結果を受けNYダウは一時510ドル超安
★ドル/円の日足で100日SMA(赤線)の112.40円は、2018年は重要な節目となっている。2018年に入ってから100日SMAの攻防は9回目となる。その内7回はサポートとなり反転した。ただ、1月10日は一気に100日SMAを下抜け3月の年初来安値までドルが下落した。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%K:42.71、%D:51.17と過熱感なく両線とも下向きとなっていることから下抜けする可能性もある。
ただ、100日SMAは上向きを維持していることや、200日SMA(青線)が260日SMA(緑線)とゴールデンクロスしていることから、100日SMAを死守出来るようなら再び反転地合いとなりやすい。
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